“気持のいい響き” を周波数にまでこだわって作った、夫婦ユニットの初作品
Disca『Reveries of Suburban』インタビュー
Disca『Reveries of Suburban』インタビュー
2016/07/19
無理をせず、永く活動をしていきたいなと思っています byLica
──「同じ景色 feat. haruka nakamura」ではゲストにharuka nakamuraさんを迎えられてますが、nakamuraさんが参加されたいきさつを教えてください。
小島:harukaくんとは元々仲良させてもらっていて、僕らのように “浮遊しながら、空間に広がりをもたせる” 感覚を持ったミュージシャンだと常々感じていたんです。「同じ景色」のピアノにはそういった感覚が特に欲しかったので今回お願いしました。
──今作には「Maria Elena」、「Voce Nao Sabe Amar」などカバー曲も収録されていますが、この2曲を選んだ理由を聞かせてください。
小島:この2曲を入れたのはLicaちゃんがBophanaでやっていた南米の音楽からの流れですね。
Lica:「Voce Nao Sabe Amar」は私が大好きなDorival Caymmi(ドリヴァル・カイミ ブラジルの作曲家)という方の代表曲のひとつです。ギターに関して、Bophanaの時はリズム重視のアレンジが多かったのですが、今回は大介さんの演奏スタイルを生かしてアルペジオにしてもらいました。実は、制作当初はこの2曲はやる予定は全く無く、選曲も大介さんに任せていたんです。でも、制作過程で何となくやってみたら結構他の曲と馴染んで。アルバムにも広がりが持たせられるということで追加しました。
──Licaさんは英語/日本語/ポルトガル語の3ヶ国語で歌われていますが、それぞれの言語を歌い分けるのに苦労した点はありますか?
Lica:今回、一番難しかったのは実は英語なんです。元々私はポルトガル語でずっと歌ってきたので、いざ「オリジナル曲を英語の歌詞で」ってなったときに、参考にするものが無かったんです。だから自分の持ち味を出しつつ歌うことはかなり苦労しました。ネイティブとはもちろん違ってしまうんですけど、発音も言葉に対するリスペクトを込めて時間をかけて作っていきました。
──今作で一番思い入れのある曲は何でしょうか?
Lica:私は初めて二人で作った曲ということもあって「同じ景色」ですね。ちょうど一緒に生活し始めた頃に作った曲なんですけど、お互い違う人間だし、当然だけど分かり合えないこともあったりしたんです。そういった経験から、歌詞に「同じ人間でもお互い世界は全く違って見えるんだな。でも、そのつもりになれば相手の目線に立って同じ景色が見えるよ」という想いを歌詞に込めました。
小島:僕はこの中のどれか一曲というより、作品全部、全体の雰囲気に思い入れがありますね。何度聴いてもらっても、その度に発見があるように作ったので、たくさん聴いてもらいたいなと思ってます。実は、このアルバム、トータルで4、5回マスタリングをやり直したんですよ。曲間や各曲のボリュームなど、細かいところを詰めていくと作品の印象や各曲の聴こえ方が明らかに変わって。だからベストの聴こえ方を作り出すために、それこそ極限と言えるほど聴きこみながら作業しましたね。まあ、マスタリングの人には悪かったですけど(笑)。
──では、最後にこれからの活動の展望をお聞かせください。
小島:僕たちなりの “こうあってほしい” という世界観を音に乗せることができました。その経験を経た僕たちが、さらに発展して、その先にどんな景色が見えるか、今すごからく楽しみです。それと、今作は “2人の生活の中から見えたもの” をモチーフにしているので、僕たちがこれから色んな人に出会って、この世界を広げていけたらいいなとも思いますね。
Lica:今回のアルバムは、とにかく色々なことにこだわって、ひとつひとつにたくさんの時間をかけたんですけど、その中でも “無理をしない” っていう気持ちが私たちの中にあって。やっぱり音楽って無理をした瞬間に伝わらなくなると思うんです。だから、より多くの人に音楽を伝えるために無理をせず、永く活動をしていきたいなと思っています。
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