“気持のいい響き” を周波数にまでこだわって作った、夫婦ユニットの初作品
Disca『Reveries of Suburban』インタビュー
Disca『Reveries of Suburban』インタビュー
2016/07/19
“気持ちがいい響きの周波数を作る” ことを目指したんですよ。 by小島
──本作はDiscaとして初のアルバム作品ですが、どのような想いで制作に臨まれたのですか?
小島:2人ともある程度キャリアは重ねて、音楽的にも色んなことをやってきていて、初期衝動みたいな部分は結構落ち着いてる状態で。この作品は、そこから「何を作ろうか?」っていうところから始めました。
──小島さんが曲作りでこだわった点はどこでしょうか?
小島:曲を作ることに関しても、それぞれ引き出しや持ち味もある程度分かっていて。初めは「次は何かな?」と模索しながら曲作りをしていて、オープンチューニングでの作曲にたどり着いたんです。レギュラーチューニングでやっていた頃は、色々なコード進行を入れることで “新しさ” を出そうとしていたんですが、オープンだとコードを頻繁に変えずに、ひとつの音を伸ばしっぱなしにするのがすごく心地よくて。“響きで空間を埋める” ということに頭を向けて今回は作りました。
──ギター以外の楽器で特ににこだわったものはありますか?
小島:このアルバムはひとつひとつの曲作りというよりは、アルバム全体を通して “気持ちがいい響きの周波数を作る” ことを目指したんですよ。それで、人間には聴こえないくらいの周波数も倍音成分として音叉で埋めたんです。ギターと歌と音叉が交わって “空間を揺らす” ことで、全体の音像がどのように変化するのかを試行錯誤していきましたね。
Lica:CDにしてスピーカーから聴くと、その周波数は出ないかもしれないんですけど、その “空間” を作品に込めたかったんです。そこにこだわったので、制作には時間がかかりましたね。
──トータルではどのくらいの時間をかけて作られたのでしょうか?
小島:構想含めたら5年くらいはかけてると思います。
Lica:音叉を使った “響き” という要素にたどり着いたのは制作を初めて2~3年経った頃でしたね。
──音叉はどのようなものを使われたのでしょうか?
Lica:アメリカでは医療にも使われる、ヒーリング音叉セットみたいなものを使いました。これ、調べていくとちょっとオカルトチックになっていくんですが(笑)。
小島:楽器との組み合わせも考えて、色んなタイプの音叉で延々実験しながら、やっと僕が感じる “気持ちいい周波数” にたどり着きましたね。
──レコーディングはどのような流れで行なわれたのでしょうか?
小島:今回はスタジオだけでなく、色々な所に行ってレコーディングしました。ZOOMの小型レコーダーを持って、クラリネットを担当した人の家に行ったりとか(笑)。
──レコーダーは、マルチトラックのものですか?
小島:そうですね。それに基本となる歌とギターを入れておいて、クラリネットとかパーカッションを重ねて録りました。録音が終わったらレコーダーを持ち帰って、自宅のLogicに入れて、それぞれのトラックをミックスするという流れです。
──長い期間をかけて制作されていますが、当初とは雰囲気が変わった曲はありますか?
Lica:「同じ景色」なんかは元々歌うのが辛いくらい高いキーだったんですよ。当初、大介さんは「このキーじゃないとダメなんだ」って言っていたんですけど、音叉などの要素が入った結果、今のキーに落ち着きました。そういうこともあって、時間をかけたからこそ、このアルバムの雰囲気が作れたっていう想いはあります。
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