美人すぎる尺八奏者。洋楽のカバーアルバムで史上初のメジャーデビュー
Bamboo Flute Orchestra(辻本好美)、『SHAKUHACHI』インタビュー
Bamboo Flute Orchestra(辻本好美)、『SHAKUHACHI』インタビュー
2016/09/21
テレビ番組でマイケル・ジャクソンの「SMOOTH CRIMINAL」の和楽器カバーを披露したことがきっかけで、“美人すぎる尺八奏者”として様々なメディアから注目を集めることになった辻本好美(つじもと よしみ)。世界中の人々にもっと尺八を知ってほしいという想いから、今年に入り、ソロ・プロジェクト“Bamboo Flute Orchestra”を立ち上げた彼女が、ついに9月28日にデビューアルバム『SHAKUHACHI』をリリースする。ここでは、「尺八」という楽器の特徴を詳細に解説してもらいながら、今回のアルバムのコンセプトや聴き所などをじっくりと聞いてみた。すべての音楽ファン必見!
取材:東 徹夜
──まず始めに、辻本さんが尺八をやることになったきっかけから教えてください。
辻本:私の父親がすごく尺八が好きな人で、その父の影響で尺八と出会いました。
──実際に尺八を吹き始めたのはいつ頃なのですか?
辻本:高校入学くらいです。
──資料によると、辻本さんは“琴古流(きんこりゅう)”とのことですが、流派によって何が違ってくるのですか?
辻本:まず、尺八には大きく「琴古流」と「都山流(とざんりゅう)」という2つの流派がありまして。「琴古流」の方が古く、「都山流」が新しくできた流派になります。「琴古流」は虚無僧(こむそう)とかが吹いていた曲をもとにした「尺八古典本曲」が主体となっているのですが、「都山流」は新たに尺八曲を作曲し、都山流独自の本曲として演奏しています。あと、楽譜も流派によって違いますし、「歌口(うたくち=尺八を吹くところ)」が三角になっているのが「琴古流」で、半月のようになっているのが「都山流」です。
──楽器として、リコーダーやフルートなどとの違いは?
辻本:尺八は「真竹(まだけ)」でできているのですが、自然の竹をそのまま使っているのが特徴です。簡単にご説明すると竹を切って中の節を抜いて、穴を空けただけという構造になります。最終的には調律作業が施され、音のバランスを整えます。指穴は前面に4つ、背面に1つ空いているのが基本です。ただし、私の持っている尺八は前面に5つの穴が空いている「多孔尺八(たこうしゃくはち)」というものになります。
──穴が多いと、出る音階の数が増えるのですか?
辻本:そうですね。音域は変わりませんが、指穴の微妙な開け閉めだけで出せる音が増えます。例えば、あごを下げて「メリ(音高を下げる演奏法)」をしたり、穴を塞ぐのを加減して吹いていた音が、指の開け閉めだけで出せるようになります。ちなみに「多孔尺八」は、一番多くて9つ空いているものもあります。あと、民謡尺八の方は7孔尺八を使っていることが多いと思います。
──尺八は音の出し方にも特徴がありますよね?
辻本:はい。一番皆さんがイメージしやすいのは、時代劇とかで虚無僧が吹いている“ムラ息”と呼ばれる「カスれた音」ですね。あと、面白い奏法として“コロコロ”と呼ばれているものもあります。
──尺八には個体差というのは相当あるのですか?
辻本:生の竹を使っているので、個体差はかなりある楽器だと思います。あと、長さも色々ありまして。だいたい「1尺3寸」〜「2尺3寸」までがよく使われるサイズで、1寸刻みで対応するキーや音域が変わってきます。
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