映画『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』主題歌
MONKEY MAJIK「A.I. am Human」インタビュー
MONKEY MAJIK「A.I. am Human」インタビュー
2016/12/16
──曲のイメージなどは、映画の制作サイドからは何かリクエストがあったのですか?
メイナード:オープニング曲は、アップテンポで明るくポジティブな印象を出して、エンディング曲はちょっと落ち着いた感じで、というくらいです。むしろ、僕らの方から「カット割りは、どういう感じですか?」っていうミーティングをやりました。映画のオープニングって、台詞がありませんから、曲が台詞になるんですよね。そこで、どういう感情を伝えたいかというディスカッションを行って、結果、今から何かが始まるというワクワク感のある曲に仕上げられたと思います。
TAX:あと、主人公の島村ジョーが持つ能力である“加速装置”的な疾走感は、特に大事にしましたね。
──そのようなイメージから、曲や詞は、どのように作っていったのですか?
メイナード:「A.I. am Human」は、ブレイズがリードをとって、作っていきました。僕らはいつも、最初のインスピレーションは誰かがリードして、そこから細かい部分を全員で話し合って、最終的にミックスまで仕上げていくんです。なので、この曲はブレイズがリードして、エンディング曲を僕がリードして作っていきました。
──ブレイズさんが作った原曲を最初に聴いた時の印象は、いかがでしたか?
TAX:「カッコいいな」と思いましたね。もともとブレイズは、歌詞に関しても、映像的なイメージで伝えてくることが多いんですよ。「あの映画の、こういうシーンを思い浮かべて」とか、映像作家的な表現で言ってくるんです。それが今回は、映像作品の主題歌ですから、最初は試行錯誤を繰り返しました。でも最終的には、キャラクター紹介的な歌よりも、疾走感があって、気持よくて、それでいて映画の作風にもピタッとハマるように歌詞を考えていったんです。つまり、“サイボーグ”という人造人間として生まれて、自分は何のために存在しているのかという歌にしようと。そこにたどり着くまでに、イメージの擦り合わせは、たくさん行いましたね。
──その詞は、曲が完成してから書き始めるのですか?
TAX:僕らの曲作りで多いのは、まずメロディとリズムができてきて、それに対して鼻歌で仮歌を入れて、そこから細かくストーリーと言葉を作り上げていくという流れです。この曲に関しては、まずラフな英語詞があって、「ここにはこういう言葉を使いたい」といったものに対して、その間に日本語を入れていきながら、世界観を広げて日本語の詞を付けていきました。そこからさらに手直しをしたり、英語詞と日本語詞のバランスをとりながら、完成させていくという流れでしたね。
──そうして仕上げた歌詞の中で、どのフレーズが、この曲の“核”となっていると考えていますか?
TAX:《この世の果てで包みこまれる~「あとは勇気だけだ」》という部分は、島村ジョーの決め台詞なんです。あと一歩、先に進む勇気があるだけで、未来を変えられるんだっていう。ただ、行動はしているんだけど、まだそこには葛藤もあるんですね。勧善懲悪の中にも、悲哀が含まれているんだっていうことを、この部分に凝縮しました。あとは、できるだけシンプルで、みんなの頭の中に、映像のイメージがパッと浮かびやすい言葉を選ぶことを大事に考えました。そうして書き上げたオープニング曲「A.I. am Human」と、メイナードが作ったエンディング曲の2曲を通して、この物語が始まり、勇気を持って闘っている姿と、その一方で、それを俯瞰で見ながら、自分は何のために闘っているんだろうという迷い、葛藤を表現できたと思っています。
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