過去最高のセットリストで魅せた武道館公演
ザ・ストーン・ローゼズ、先週4/21(金)・22(土)に22年ぶりの単独公演を開催!
ザ・ストーン・ローゼズ、先週4/21(金)・22(土)に22年ぶりの単独公演を開催!
2017/04/24


1983年にマンチェスターで結成、1996年の解散までに発表した正規アルバムはたった2枚。にも関わらず、解散後も’90年代以降のUKロックシーンに計り知れない影響を及ぼし続けた伝説のロックバンド、ザ・ストーン・ローゼズ。2011年に再結成を果たして以来、日本のファンに切望されていた彼らの22年ぶりとなる単独来日公演が、4月21日(金)・22日(土)に日本武道館にて遂に実現した。"過去最高のセットリスト"、そして"過去最高のパフォーマンス"との呼び声高いコンサート初日の熱狂ライヴ・レポートが届いた。
●ライヴ・レポート
2017年4月21日(金) 日本武道館
オープニングの“I Wanna Be Adored”からラストの“I Am the Resurrection”まで、ここ日本での過去最高のパフォーマンスと、過去最高のセットリストによって、彼らのカムバックを祝福する最高の一夜となったのがザ・ストーン・ローゼズの22年ぶりの単独来日、完全ソールド・アウトで迎えた22年ぶりの武道館公演の初日だった。ローゼズは再結成後、既に2回の来日(2012年のフジ・ロック、2013年のSONICMANIA)を果たしている。
しかし今回の武道館が特別だったのは、彼らが昨年“All For One”、“Beautiful Thing”と2曲の新曲をリリースしたことで、2010年代の現役バンドとして立つ自負と自信を取り戻したステージだった点だろう。実際、過去4回の来日と比べても、イアンのヴォーカル、ジョン、レニ、マニのプレイヤヴィリティ共に間違いなく今回がベストだったし、どこまでもリリカルでポップな王道メロディと、ぶっ飛んだ規格外のリズムとグルーヴが融合した“Sally Sinnamon”、“Waterfall”のようなナンバーが面白いほどパーフェクトに決まっていった今回のライヴには、『ザ・ストーン・ローゼズ』期の彼らの理屈や理論を超えた魅力が、初めて目の前で具体的に解明されていくような興奮があった。
“Begging You”、“Fools Gold”、そして“Love Spreads”と、中盤から後半にかけてのグルーヴ・チューンの主役はジョン・スクワイアだった。『セカンド・カミング』時代のライヴでは大仰かつ長大なプレイでバンドから浮き上がってしまっていたジョンのギターが、タイトに締めるべきパートはとことん小回りでソリッドに、そしてソロで牽引すべきパートではワウを効かせまくってとことんダイナミックにと硬軟自在、まさに“All For One”で歌われた「みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために」精神を象徴するプレイでバンドに溶け込んでいく。
そんなジョンのギターと、全編を通して安定したバンドの要であるマニのベース、そしてとことん自由でフリーキーなようでいて、実はローゼズの破天荒なグルーヴを包括する役割を果たしているレニのドラムスが渾然一体となる興奮、これは本当にローゼズのライヴでしか味わえないものだ。ちなみに前半は驚くほど音程が安定したヴォーカルでバンドを引っ張っていたイアンが、バンドの演奏の白熱と自身のテンションの急上昇と反比例するように、後半はどんどん音を外し始めてくのには笑ってしまったが、それでもいったん軌道に乗ったローゼズのアンサンブルは無敵、彼らのがっちり噛み合った団結は二度と崩れなかった。
ローゼズ随一のシンガロング・アンセム “Made Of Stone”、「次のレディースに捧げるよ」とイアンが言って始まった“She Bangs the Drums”とフィナーレに向けてファン・フレンドリーな楽曲が立て続けにプレイされ、ラストはもちろんこの曲“I Am the Resurrection”!会場は2階席の上段まで総立ちとなっての大合唱!バンド・ケミストリーの復活を果たしたローゼズの喜びと、それを見届けた私たちファンの興奮の入り交じった最高の幕切れだった。
(Text by: 粉川しの)
<セットリスト>
I Wanna Be Adored
Elephant Stone
Sally Cinnamon
Mersey Paradise
(Song for My) Sugar Spun Sister
Bye Bye Badman
Shoot You Down
Begging You
Waterfall
Don't Stop
Elizabeth My Dear
Fools Gold
All for One
Love Spreads
Made of Stone
She Bangs the Drums
Breaking into Heaven
This Is the One
I Am the Resurrection
【リリース情報】
<国内盤CD>
『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ストーン・ローゼズ』
BVCM-31149 / 2,548円(税込)

イアン・ブラウン(ヴォーカル)、ジョン・スクワイア(ギター)、マニ(ベース)、レニ(ドラムス)の4人によって、1985年に英国マンチェスターで結成。1989年にゾンバ傘下のシルヴァートーン・レーベルからデビュー・アルバム『ザ・ストーン・ローゼズ』をリリース。60年代のブリティッシュ・ポップス風の甘く美しいメロディとハーモニーに、ハウスのノリをミックスしたような豪快なサウンドが、当時のブームとなっていたレイヴなどにリンクして、本国イギリスをはじめ、ヨーロッパや日本で人気爆発。後続のバンドに大きな影響を与え、ハッピー・マンデイズなどとともに、マンチェスター・ムーヴメントの中心的存在として活躍。低迷していた英国ロックの救世主として注目され、世界的人気を集めたが、その後は長い沈黙に入り、1994年になってレコード会社をゲフィンに移籍して2作目のアルバム『セカンド・カミング』を発表。再びシーンで大きな脚光を浴びたが、1996年10月にバンドは解散。イアン・ブラウンやジョン・スクワイアをはじめ、元メンバーたちはそれぞれ独自の音楽活動を行っていたが、その後2011年に再結成を発表。2012年には日本のフジロック・フェスティバル、2013年にはソニックマニアへの出演も果たしファンを狂喜させた。への出演も果たしファンを狂喜させた。そして2016年5月13日に21年ぶりとなるニュー・シングルを発表、翌6月10日には再結成後2枚目となるシングルを再び発表。2017年遂にファン待望の22年ぶりとなる単独武道館公演を果たした。
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