30周年記念 ソロピアノコンサート2017年7月27日(木)開催/会場:ヤマハホール
松居慶子『Journey To The Heart』インタビュー(30th Anniversary “KEIKO MATSUI SOLO PIANO” 開催決定!)
松居慶子『Journey To The Heart』インタビュー(30th Anniversary “KEIKO MATSUI SOLO PIANO” 開催決定!)

2017/07/05
取材:斎藤一幸(編集部)
松居:そうですね。このアルバムの前に「LIVE IN TOKYO」というEXシアター六本木で録ったライブDVD/CDをリリースしたのですが、そのショーを終えた時に、もうこの時代は完結したと自分では思ったんですね。アルバム作りに関してはそれぞれ違う作り方をしていますけれども、コンサートツアーに関しては色々な国でずっとドラム/ギター/ベース/サクソフォンと私(ピアノ/キーボード)というスタイルで演奏してきて。そのスタイルがもう完結したかなと。それで何か違うものを始めたいと思ったときに、もっとオーガニックなアコースティックな方に行きたいなとなったんです。プログラミングも無いし、シンセサイザーも無いっていうところに。
──何かきっかけがあったのですか?
松居:その頃丁度、長年の友人で連弾プロジェクトのパートナーでもあるボブ・ジェームスがブルーノートで公演してまして、そこにカリトス・デル・プエルトというキューバ出身のベーシストが出演していたんですね。その時、彼のアコースティック・ベースを聴いて、すぐに「いい音してるな、メンバーに迎えたいな」と思ったんです。同じくキューバ出身のドラマー、ジミー・ブランリーもメンバーに加え、レコーディングにはペルー出身のギタリスト・ラテンの第一人者ラモーン、ベネズエラ出身のパーカッショニスト、ルイスも迎えました。彼もカリトスもチック・コリアの世界ツアーにも参加しています。そういったメンバーで、手作りというか、アコースティック楽器を生かした、そしてピアノを生かした美しい世界を創りたいという思いで出来たアルバムがこの「Journey To The Heart」なんです。
──YouTubeで、レコーディング風景のPVを拝見しましたが、ほとんど一発録りだったのでしょうか。
──PVを拝見していたら、松居さんがリアルタイムで譜面を書き換えていらっしゃったので、曲作りも同時進行で5人で?と思ったのですが。
松居:いえいえ、あれは構成を「ここはカットしてリピートはここね。」みたいなシーンですね。曲作りに関しては、過去のアルバムもそうなんですけど聴いてくださる方の心に届く、心に残る強いメロディーを書きたいと思ってまして。それはずっと変わらないです。
──曲はいつ頃書かれたのですか。
松居:LAの南にカタリナ島という私の大好きな島があるんです。そこで行われるフェスティバルで使用していたピアノを、私の作曲のために使っていいと言ってくださる方がいらっしゃったので、去年の1月にカタリナ島に1週間滞在して書き始めました。書くというよりも聴こえてくるものを書き留めるんですね。モチーフとかテーマ、ある時はメロディー全部、ある時はイントロだけとか・・・そういう感じで聴こえてきた素材を100くらい集めて、そこからベスト10を絞っていく作業を毎アルバム繰り返しています。
──曲作りに関しては譜面を使うのですか。
松居:まずは聴こえてきたものを集めるので、iPhoneだったり、小さなボイスレコーダーに録音して。またある時はそのまま譜面に書いてと、めちゃアナログです(笑)。
──それを最終的に1曲にするのはピアノを弾きながらですか。
松居:最終的に仕上げていく段階ではピアノを弾きますけれど、作曲の段階ではピアノを弾かないようにしています。というのも、弾いているとムードとか手癖で流されるじゃないですか。そうじゃなくて、基本になるメロディーを良いものにするために、あえて弾かないようにするんです。メロディーだけで、“これはいけるぞ”っていうのが来るまでひたすら待つ感じで。
関連する記事
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01