30周年記念 ソロピアノコンサート2017年7月27日(木)開催/会場:ヤマハホール
松居慶子『Journey To The Heart』インタビュー(30th Anniversary “KEIKO MATSUI SOLO PIANO” 開催決定!)
松居慶子『Journey To The Heart』インタビュー(30th Anniversary “KEIKO MATSUI SOLO PIANO” 開催決定!)

2017/07/05
松居:作ったことないんですよ(笑)。一度もないんです。だから未だに録音のシステムが解らないんです。iPhoneで録るぐらいしかできなくて。
──松居さんはコードから入ることはまずないんでしょうね。
松居:そうですね。昔のアルバムでマーカス・ミラーのサンプリングサウンドを使った曲があったのですが、リズムセクションにはループを使っているんです。それを聴いたある若手のミュージシャンが、「あっ、これだったら、こういう風にして、上にフレーズ乗せればすぐに作れる」と言ってましたが、私の場合はあくまでもメロディーが重要。コードやリズムは後に付随してくるものなので。
──アメリカでのジャンルについてお聞きしたいのですが、僕はCOSMOS時代から聴いていたので松居さんはフュージョン・ピアニスト/キーボディストってイメージなんですが、海外ではスムース・ジャズって位置付けで紹介されたりもしてますよね。
松居:スムース・ジャズという言葉は使わないでいただいて良いんですよ。あくまでも商業ビジネス、ラジオ局のフォーマットの一つでしかないんです。私が一位になったビルボード誌では、「コンテンポラリージャズチャート」なんです。今、スムース・ジャズしか知らない若者達が育ってきていて、SAXなどのプレイヤーも溢れているんです。そういう人たちはそれを目指して作るんですけど、そうすると金太郎飴になっちゃうんですよ。
──でしょうね。
松居:私が1987年にデビューアルバムをリリースした頃やビルボートで1位を獲った時は、「コンテンポラリー・ジャズチャート」にシャーデー、ケニーG、デイヴィッド・サンボーン、スティング、ジョージ・デューク、ジョー・サンプル、ボブ・ジェームスという中に“KEIKO MATSUI”もあったりして。とても“音楽が個性的かつ曲が豊かな時代”だった時なんですよ。メロディーのある、歴史に残るアルバムが多く存在する時代だったと思います。それが、徐々にラジオフォーマットに合わせて“長いイントロはだめ” “ギターソロはだめ”といろんな制限がついてシステム化されていったわけです。聴取率が下がったらスポンサーが穫れなくなくなると運営側が恐れる傾向になって、どんどん音楽そのものが狭くなってしまったんですよ。私はスムースジャズ・フェスティバルに呼ばれてコンサートもするんですけれど、“KEIKOの音楽は違う、空気が変わる”と言われています。決してスムースなものばかりでは無いし、ロックまで行く曲があったりある時はジャズ的。そこで私が届けているのは“KEIKO MATSUI”の世界ということなんですよね。
──最近のフェスの傾向についてはいかがですか。
松居:昔のフェスティバルは、私がいて、ジョ−ジ・ベンソンがいて、パティ・オースティンが出演してとかね。そういう色々な音楽を聴かせるコンセプトだったんですよ。ところが今は似たようなアーティストを集めて、アーティスト同士でコラボレーションしてという状況になっているので、フェスに来ている人たちが、”一人のアーティストの大ファンで応援する”という傾向が減っている気がしますね。80年代やフュージョン全盛期のライブというのは、音楽としてもすごく厚みが合って個性がありましたね。それはレジェンド達が築いた世界観があったからだと思うんです。私もやっぱり自分の世界を大切にしていきたいなと思います。私は27枚のアルバムの中で1曲もカバーを入れていないし、オリジナルで勝負してます。というのも、素晴らしいアーティスト/プレイヤーは沢山いるわけですよ。そういった中で、毎回私のアルバムを待ってくれている人たちが世界中にいて、コンサートツアーが組まれていることを考えたら、私の役目は「メロディーをアルバムという形にして、それを引っ提げて旅に出て、人種・国境・宗教・言葉の違いを全部取っ払って、コンサートで “私たち一つだよね”という体感をシェアする」というところに極められるんです。それが私の今世のミッションだなって思っています。
──7月27日に30周年コンサートが控えていますが、あえてピアノソロというのは理由があるのですか。
松居:もちろんバンド編成という形もあるんですけれど、ここで締めくくりとして、ピアノソロで私とピアノだけで舞台に上がって、これまでの27枚270曲以上の中から私の世界観をお伝えしたいなと思っています。ロシアではピアノソロツアーを何年もやってるんですよ。他にも特別なイベントで、ピアノソロを弾いたりということはあるんですけれど、日本では久しぶりになるのでとても楽しみです。
──それでは最後に日本のファンの皆さんへメッセージをいただけますか。
松居:そうですね。これだけテクノロジーが発展し、レコーディングでミュージシャンがその場に集まらなくてもできるようになった時代ですが、やっぱりライブというのは、原点だと思うんですよ。その場にいて、こちらのエネルギーや感情の盛り上がりを全部シェアするものだと思うので、是非是非その場に来て下さい。また今回、私の事をご存じなかった方にも、こうしてピアノソロという特別な企画で初めてお会い出来たらすごくうれしいな!と思います。
Twitterフォロー&リツイートでサイン入りミニポスターをプレゼント
TuneGateの公式Twitterアカウント「@tunegate_me」をフォローして、対象のツイートをリツイートすると、抽選で3名様に松居慶子さんのサイン入りミニポスターをプレゼント!
Follow @tunegate_me
■応募期間
2017年7月5日〜年7月19日23:59まで
終了しました
■参加条件および応募について
・プレゼントの応募にはTwitterアカウントが必要
・非公開設定(鍵付き)のTwitterアカウント、引用リツイート(冒頭にRTをつけるツイート)は対象外
・当選の連絡までにフォローを外した場合も対象外となります
■当選の連絡について
・当選された方には、@tunegate_meよりDM(ダイレクトメッセージ)にてご連絡します
・当選可否や抽選の状況についてはご返答できません
・期間内にご返信がない場合は、当選権利を放棄したものと判断させていただきます
※注意事項
・応募はお一人様1回限り
・応募対象者は日本国内にお住まいの方のみ
・第三者に譲渡・売却などをすることはできません
・プレゼント内容は予告なく変更や中止することがあります。あらかじめご了承ください

関連する記事
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01