シングル収録曲4曲の作詞・作曲エピソードを公開!
高橋 優「ルポルタージュ」インタビュー
高橋 優「ルポルタージュ」インタビュー
2017/11/22
高橋 優が18枚目となるシングル「ルポルタージュ」を11月22日にリリースする。今作には、ドラマ「オトナ高校」の主題歌としても話題の表題曲「ルポルタージュ」を始め、アクサジャパンのCMソング「羅針盤」や「シーユーアゲイン ~ピアノバージョン~」など、計4曲を収録。ここでは、各楽曲が生まれた背景や作詞・作曲での苦労話など、制作におけるエピソードをじっくりと聞いた。ファン必見のインタビューだ!
取材:東 徹夜(編集長)
──「ルポルタージュ」は「オトナ高校」の台本を読みながら制作されたと聞きましたが、歌詞から書かれたのですか?
いえ、この曲はメロディーが最初だったと思います。台本を頂いた際に、ドラマのプロデューサーさんが高橋 優の楽曲を聴いてくださっていて。「初期の頃みたいな高橋 優がバンバンに出ている感じが聴きたいです!」というリクエストがあったんです。自分で言うのも何なんですけど、今回のドラマのようなクセの強い楽曲は久しく書いていなかったし。「そういうのにしてみようかなぁ〜」と思いながらメロディーを作っていきました。
──フレーズとして最初に思いついたのは?
ギターのリフの部分です。
──曲の最初の?
はい。最初は歌詞が浮かぶ前に全編これで作ってみたんです。Aメロは半音下げなんでEm♭からC♭かな。で、ストロークで弾くとかなりアッパーな感じになると思ったんですけど、これをチョッパーっぽい感じでやってみようかなと思い付いて。そこから展開していく部分を少しずつ後から足していきました。
──歌詞に関しては、最初は鼻歌で?
そうですね。
──台本からのインスピレーションもあったと思いますが、どんなことを書こうと?
「オトナ高校」というドラマは、コメディータッチで笑える感じなんですけど、オトナ高校という存在以外は結構今の日本の現状を元にしているというか。30過ぎで独身でいる人が何割だとか、30過ぎでも女性経験がない人が何割だとか。ドラマでは、そういうことをうまく笑いで表現している部分もあると思うんですが、今って少子高齢化とか、ミサイル飛んでくるとか、誰か不倫して、皆で指差してとか。それがみんなネタみたいになっているなと。少子高齢化だからといって、今すぐ結婚して子供産むわって人は誰もいないと思うし。自分にも関係のある大切な社会問題だけど、でも何か半笑いで過ごしている部分もあって。渦中の人は泣いていても、その泣いていることすらネタにして。その感じを現地報告できないかなと思ったんです。そこから「ルポルタージュ」という言葉が出てきて、テーマになっていきました。
──その後、歌詞は頭の方から書いていったのですか? それとも要素を箇条書きにして?
箇条書きみたいに書いていったと思うんですが、実は歌のレコーディング当日に歌詞をガラッと替えたんですよ。で、替えた時というのは、もはや箇条書きとかではなくて、絞り出すようにAメロ、Bメロ、サビと書いていったと思います。
──短時間のうちによく出てきましたね。
4時間くらいだったと思います。
──曲に対して、うまく歌詞がハマらないとか。レコーディングで苦労したことはありましたか?
いや、全部でしたね。AメロもBメロもサビも。そもそもレコーディング当日に歌詞を書き替えた理由は、曲中でちょっと静かになる部分の歌詞がバンドの音に埋もれちゃっていたことなんです。これって、最終的には一人でギターを持って歌うかもしれないのに、シンガーソングライターとしてはものすごく破綻しているような気がして。バンドの音に埋もれて負けるような言葉しか選んでないってことですから。そこにものすごい危機感を感じたんです。もちろん、レコーディングの段階で、エレキギターとかドラムが入ってきたりすると曲に迫力が出てきてうれしいんですけど、そのうれしい反面、「迫力以上の歌詞じゃない」という危機感も出てくるんです。それで「ちょっと出てきます!」って。今回喫茶店で4時間悩みました。
──まさに生みの苦しみですね。さて、サウンドにも随所にこだわりを感じましたが、冒頭のスラップっぽく聴こえる部分は全部アコギで?
はい、アコギです。
──レコーディングでは何を使われたのですか?
僕の持っているギブソンのDOVEとJ-45、あと銘柄はわからないんですけど、アレンジャーの池窪くんの持っているヤマハのギター。今回はその3本を弾き分けました。スラップの部分はヤマハのギターでしたね。
──スラップの部分は高橋さんが弾かれているのですか?
そうです。
──スラップの部分にヤマハのギターをチョイスされた理由というのは?
一番ヤマハが鳴ってくれたんですよ。DOVEは全然鳴らない。
──存在感のある音が鳴ったというイメージですか?
はい、よく通る音というか。僕、もともとスラップをめちゃくちゃする人ではなくて、今回のレコーディングが初めてだったんですね。スラップに合うギターとそうでもないのがあるんだなと勉強になりました。上手な人は何でも弾けるんでしょうけど、僕みたいなスラップのペーペーの人間は、やっぱりギターを選ばないといけなくなって(笑)
──AメロやサビではDOVEを?
そうですね。そこはDOVEを使ったと思います。
──エフェクターなどは?
アコギには使ってないです。ミックスの段階でエンジニアさんがリバーブを足したりはしていると思いますが、僕自身の足元では何もしていません。
──フレーズはセクションごとに録っていったのですか?
はい、この曲はセクションごとに録っていきました。
──アコギっぽい音や歪んでいる音など、ギターだけでもかなりの音が入っていると思いますが、レコーディングでは何パートくらい使っているのですか?
池窪くんが、エレキギターやアコギの音を「ホワ〜」みたいにギターの音じゃない感じにしがちで。そういった音も含めると相当なトラックだと思います。僕は見ていないので何トラック使っているかはちょっとわかりませんが。
──この曲はベースのスラップも入っているように聴こえましたが。
2コーラス目のAメロにはベースのスラップが入っていますね。
──基本的には、ミックス作業はエンジニアさんにお任せという形で?
そうです。池窪くんとエンジニアの2人にお任せしています。
──楽曲が完成した今、あらためてこの曲で伝えたかったことを挙げるとすると?
歌詞で言えば、2サビですかね。「誰もが皆 顔で笑い 心で泣いて 目に見えぬ血を流しながら〜」の部分。ここが割とメッセージというか、それ以外は現地報告というテーマに沿った情景描写みたいなことだったり、イフ(if)のもしものことだったりするんですけど。2サビに関しては、割と自分の中で言いたいことが表現された気がします。
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