サウンド・デザイナーで連載中の人気コーナーが誌面を飛び出してイベント化

“リアル”DEMOゼミ 1st Workshop Event開催!

“リアル”DEMOゼミ 1st Workshop Event開催!

2018/04/09


「多田慎也のDEMOゼミ」が、未来のクリエイター達をバックアップするための総合プラットフォーム「Music Factory Tokyo」とコラボレーションを果たし、誌面を飛び出した新たなイベント「多田慎也の“リアル”DEMOゼミ 1st Workshop Event –あなたのトップラインを最高峰(トップライン)へ-」を3月9日に開催しました。
読者の方が作る曲に対して、プロの作曲家が1対1で親身にアドバイスをしてくれた当日の模様を、ダイジェストでお届けしましょう。

取材:サウンド・デザイナー編集部

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2018年5月号)より修正・加筆したものです。詳しくは、http://www.sounddesigner.jp/をご覧ください。
 


本誌読者の楽曲に多田慎也さんが目の前でアドバイス!

 
/

作曲家の多田慎也さんと、今回「リアルDEMOゼミ」に参加してくれたサウンド・デザイナー読者の皆さん。左から、こばやしぱせりさん、高野和久さん、kotaroさん。当日は多田さんとだけでなく、参加者同士が積極的に意見を交わしていた



数々のヒットソングを手掛けてきた作曲家/音楽プロデューサーの多田慎也さんの「DEMOゼミ読者に会いたい!」というひと言から始まったこのイベント。記念すべき第1回目の開催となった今回は、過去にDEMOゼミに投稿をしてくれた本誌読者の中から、多田氏が特に注目していたというkotaroさん(最新掲載号=2017年12月号)、高野和久さん(最新掲載号=2017年12月号)、こばやしぱせりさん(最新掲載号=2017年11月号)の3名を招待して行なわれました。

 
/ 
/

 

開催当日までに、3名には「アイドルが歌うアップテンポの曲(ヒットを狙ってください!)」というお題が出され、それぞれ新たに曲を作っていただくことに。
そして、会場では多田さんがご本人と1対1で会話をしながら、課題曲についてのアドバイスをダイレクトに伝えていきます。
読者が作った楽曲に、第一線で活躍するプロの作曲家が提案をしてくれるという状況に、参加者の皆さんは緊張しながらも、多田さんの言葉に熱心に耳を傾けていました。また逆に、読者が音楽的に悩んでいることを多田さんに直接相談する場面も見受けられ、曲へのアドバイスはもちろんのこと、普段は明かされないような多田さんの体験談まで飛び出すなど、非常に濃密な時間となりました。

実際の課題曲と、多田さんのアドバイスをまとめてみました。
 


1. kotaroさん  --「曲の完成系をある程度イメージしながら作業を進めるべし!」--

kotaroさんの「恋のspellがmistake」は、歌謡曲的なオケとメロが印象的な楽曲でした。
いつもの“kotaroさん節”に加えて、歌謡曲らしさがいい具合にミックスされていますね。
歌謡曲のテイストって、年配の方にはパロディと思われるかもしれないですけど、若い世代の人には逆に新鮮に響くらしいですよ。
部分転調などのコード展開が効果的に用いられていて、とても素敵ですね。少しエッジの効いた歌詞もグッと来ます。


ポイント1:曲によって作り方を変えてみる
聴いていて個人的に思ったのは、楽曲によってアプローチの仕方を変えてみてはどうかということです。
例えば、普段はコードとメロを一緒に作っているとのことでしたので、詞先で書いてるとか。
具体的には、「サビの頭では絶対にこの言葉や文字数でいく」と決めてみるなどです。

他にも、コード進行だけを残してメロとアレンジを一度壊して再構築してみるとか、様々な方法があると思います。
楽曲の出口、アウトプットした先がどうなっているのかをイメージしながら曲を作っていくと、kotaroさんの新しい個性が見えてくるでしょう。


ポイント2:メロディやコードだけではなく、リズムへの意識を高める
あと、個人的には曲のボトム部分、特にリズムのフレーズをもっと強化してみてはいかがでしょうか。ループっぽさが強いので、曲調的にもう少しドタドタさせて、少しうるさいくらいにするとちょうど良いかもしれません。
「ツッタンツタタン!」みたいなノリで、ハイハットの刻みやキックの踏みを増やしてみましょう!


kotaroさんのお悩みポイント:「自分の曲を何度も聴き変えしていると耳が疲れてしまうのですが……」

不必要なプレイバックをしないように心掛けるのがオススメです。
例えば、僕の場合は一曲に集中し過ぎるとつい作り込んじゃって、曲が一番良くなっているピークの地点を通り過ぎちゃうことがあるので、曲を作る時間をあらかじめ決めています。
あとは、途中で人に聴いてもらうことでしょうか。誰かが反応してくれれば、自分では気付かなかった曲の方向性が見えてきて、
時間の短縮になるかもですね。
「そのプレイバックで何をチェックしたいのか」というテーマを明確に決めてあげましょう。
 


2. 高野和久さん --「コーラスのバリエーションを増やして、曲を声でいっぱいにすべし!」--

非常に熱量を感じる曲ですね。人に聴かせるデモとしては、完璧に近い状態だと思います。
パワーがあって、リズム的な展開もあって、歌詞の響きもとても良く、素敵です。コーラスワークも良かったです。

ポイント1:コーラスワークを充実させる
ただ、そのコーラスワークをもっと充実させることができると、なお良いと思います。
例えば、2回目のAメロで1回目と同じフレーズを使っているので、そこにコーラスを追加してみましょう。それだけでも「お!」という変化を聴き手に感じさせられるはずです。
また、Bメロからサビに入る直前でウーアーコーラスを入れて、オブリの2声でサビへの導入フレーズを作ってあげると、
ドキドキ感を煽ることができて、サビに入った時の印象も一際良くなると思います。

コーラスのバリエーションを増やすだけで全体が華やかになったりするんですよね。
特に今回のお題のようなアイドル向けの曲だと、コーラス担当の子がいたりしますし。
曲の最初から最後まで、歌っていない箇所がないんですよね。
なので、イントロでもナナナとかで声のメロディを入れると、よりアイドルっぽくなると思います。


ポイント2:サビのボーカルを大きくする
あとは、サビでオケ音色が音量大きくなるので、
サビのボーカル部分だけ単純に音量を上げてあげるのもいいですよ
曲を採用したりする人って、結構「サビの突き抜け感」とかサビでどれだけ盛り上がるかを見ている人が多いので、
そういう意味でもBメロとのメリハリが出て有効です。
サビで上がったねとか、わかりやすい結論になってくれるんです。
それにしても、高野さんは良いお声ですね!


高野さんのお悩みポイント:「歌詞にダメ出しをされることが多いです……」
歌詞に関しては、内容はデモとしてしっかり成立していると思う反面、「なんとなく良いな」という印象に落ち着いてしまっているので、
結論をハッキリ示すような、キュッとしたワードがセクションが欲しいところです。

とはいえ、一方でこの曲に関しては、「意味がない言葉」が曲の魅力を引き立てているのも事実です。
Aメロの歌い出し部分の「旋回する飛行船」って、聴いたらハッとするじゃないですか。「潜水した」という箇所も「何が?」って思いますよね。
聴いた人を最初に惹きつける素晴らしい要素なので、この部分は今後も推し進めてみてください!

 


3.こばやしぱせりさん  --『自信をもってアーティストに直接売り込みをすべし!』--

こばやしぱせり様の「にゃん-ニャン-Nyan」は、とにかく歌詞の強さが印象的な楽曲でした。
歌詞を暗号にするアイディアや、サビを「ニャン」というワードだけで押し切るキャッチーさが素敵だと思います。
Bメロの流れや、間奏部分にロックンロールへのアプローチを挟む手法も効果的ですね。


ポイント1:Bメロのリズムを工夫して“タメ”を作る
改善すべき点があるとすれば、ビートにもっとバリエーションを付けることでしょうか。
特に、Bメロはリズムのスピードを倍にするなどして、展開があっても良いのではと思います。
ただ普通に流れていく感じがするので、例えばハイハットの刻みを細かくしつつ、キックの踏み方を変えるなどして、
サビに向けて“タメる”ようにしてみましょう。


ポイント2:アイドルとファンのやり取りを意識する
サビは、輪唱感が素晴らしいと思うので、
歌い手とファンがライブで掛け合いをするように、パートやフレーズを分けてみてはどうでしょうか。
あとはイントロの部分で、静かに始まるのも良いのですが、その後で一気に走り出していくようなSEを挟むと、よりアイドルの曲らしさが出るはずです。
ライブ会場でアイドルやファンがどう動いていくのかをイメージしながら作っていくと、
リスナーもその曲の捉え方をもっと明確に把握してくれると思います。


ポイント3:セクションごとの長さとメリハリを意識する
あとは、強いていうなら若干曲全体が長いように感じたので、
高野さんと同じように、同じフレーズが登場する2回目部分では追加のフレーズを入れて変化をつけたりとか、
そのセクションを半分に切ってしまうなどしてみましょう。

また、落ちサビでビートを落とす時に、ドラムだけでなくギターもブレイクさせてあげると、
ラスサビに向けての盛り上がりを、より強く演出できると思います。


こばやしさんのお悩みポイント:「自分の曲を歌ってくれる人を見つけたいんです」
ベタではありますが、やはりライブハウスなどに足を運んで、自分が目をつけた人に挨拶をして協力してもらうのが手っ取り早いと思います。
その際は、ただお願いするのではなくて、
例えば「この曲はコンペに出すので、レコード会社の人たちに聴いてもらえるチャンスになります」というように、
協力してくれる相手にもメリットがある点をうまく伝えてあげましょう。

他にも、こばやしさんは地元でアイドルグループのプロデュースをされてみたいとのことですので、
そのアイドルのマネージャーさんに直接連絡をして「曲を書きたい」という意志を伝えてみてはいかがでしょうか。
「メンバーは何人で、音域はこれくらいで……」などの情報がわかると、曲も書きやすくなりますよね。


実は、今回の「リアルDEMOゼミ」を思い立ったのは、
サウンド・デザイナー本誌の「DEMOゼミ」にこばやしさんが投稿してくださった曲を聴いたことがキッカケなんです。
「こんな素敵な曲を書く人と、ぜひ会ってみたい!」と思いました。

なので、自信を持って各所へ売り込みをしてみてください。
 

/

課題曲をDAWソフト上で再生しながら、的確なアドバイスをわかりやすく伝えていた多田氏。また、口頭だけでなく、例として実際にメロディやコーラスラインを多田氏が作成し、それを読者の曲に重ねるという実演も行なわれた

 

「DEMOゼミ」で“金の卵”になれるかも!?


1人あたりの対話時間は20分と定められていたものの、多田さんと読者の皆さんのやりとりはヒートアップし、当初の予定時間を大幅にオーバーして閉幕を迎えることとなりました。
 

/ 
/

 

そしてイベントの最後には、「多田慎也のDEMOゼミ」でお馴染みの、多田さんがアドバイスのまとめに使う「○○するべし!」というフレーズをポストカードにその場で記入し、手渡しでプレゼントするといううれしいサプライズが。
さらに、当日伝えた内容をまとめたアドバイスシートも、後日読者の元へ送られました。

終始和やかな雰囲気で締めくくられた今回のイベント。読者の方は「DEMOゼミ」へ作品を投稿していただければ、プロの作曲家とマンツーマンで意見を交わし合い、刺激を受ける機会が得られる“かも”しれません!
今後も、皆さんの素敵な楽曲の投稿をお待ちしています。

※本イベントの別レポートが、Music Factory Tokyoでも公開されています。ぜひご覧ください!

/

 


「多田慎也のDEMOゼミ」音源募集中!

連載コーナー「多田慎也のDEMOゼミ」では、読者の皆さんの作品を募集しています。
皆さんが制作した楽曲を、プロの音楽プロデューサー・作曲家である多田慎也さんが試聴し、
より良い楽曲を作るためのアドバイスを誌面上で行ないます。

《アドバイザー》
多田慎也(タダ シンヤ)
音楽プロデューサー、作詞・作曲家、シンガーソングライター。高校時代より作詞と作曲を始め、2007年にプロデビュー。嵐やAKB48、ももいろクローバーZ、ソナーポケット、Kis-My-Ft2など、多くの人気アーティストの楽曲制作に携わっている。
http://tadashinya.jp/

作品を応募される方は、SoundCloudやYouTube、ニコニコ動画などのURLを下記のメールアドレス宛てに送信していただくか、封書に「DEMOゼミ宛」と明記して、下記の宛先まで代表者の連絡先を添えてCDをお送りください。演奏形態やジャンルは問いません。

音楽制作についての悩みや知りたいこと、プロフィールや好きなミュージシャン、好みの音楽ジャンル、曲作りや録音で使用している機材などをお書き添えいただければ、アドバイスの参考にいたします。なお、お送りいただいたCDや資料は返却できません。あらかじめご了承ください。


宛先
メール:demotape@sounddesigner.jp
〒101-0048
東京都千代田区神田司町2-9 セントラル千代田ビル5F
(有)サウンド・デザイナー「DEMOゼミ係」

 

サウンド・デザイナー2018年5月号(本コーナー掲載号)


サウンドデザイナー METALギター愛

サウンドデザイナー2018年5月号
4月9日(月)発売
¥864

【特集】
1冊丸ごと大特集:エレキギター録音大事典
「音作り」から「録り」まで上達のコツがわかる! 
エレキギター録音大事典

【コンテンツ】
・Introduction〜ギターレコーディングの今
・プロのギター録音環境/機材/テク拝見
角松敏生/神田ジョン[PENGUIN RESEARCH]/ZENTA/みきとP/SYU[GALNERYUS]/弓木英梨乃
・シミュレーターでは出せないアンプ録音の魅力 by オダクラユウ
・アンプシミュレーターの音作りを極める
・マイク選びとマイキングでギターサウンドを作り込む
・注目のギター録音アイテム試奏【アンプ編】 by 足立祐二(デッド・エンド)
・ギターの音をブラッシュアップする録音後のMIXテク
・“あの名盤"のギターサウンドをアナログ系プラグインで再現
・[ALEXANDROS]のギターテックに聞く録音現場での仕事術
・注目のギター録音アイテム試奏【DI編】by 野村大輔
・ケンパーのプロファイリングの魅力 by ミヤ(ムック)
・注目のギター録音アイテム試奏【ロードボックス編】by ZENTA
・エレキギターを快適に鳴らせるレコーディング環境の整え方

【注目ミュージシャン】
・MONKEY MAJIK
・Bentham
・UQiYO

この記事の画像一覧

(全8枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

インタビュー

インタビューの記事一覧はコチラ

関連する記事

インタビュー

インタビューの記事一覧はコチラ
PAGE TOP