名器「C535 EB」のサウンドはそのままに、万全のノイズ対策を施したモデル

AKGのハンドヘルド型コンデンサーマイク「C636」をエンジニアがレビュー!

AKGのハンドヘルド型コンデンサーマイク「C636」をエンジニアがレビュー!

2018/08/14


オープンプライス(¥60,000前後)
問:ヒビノ㈱ ヒビノプロオーディオセールス Div.
TEL:03-5783-3110
http://proaudiosales.hibino.co.jp/

文:堀 豊(エンジニア)

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2018年8月号)より抜粋したものです。詳しくは、http://www.sounddesigner.jp/をご覧ください。
 

DTMとライブパフォーマンスの両方に活用できる
低ノイズかつ高音質なハンドヘルド型コンデンサーマイク

 
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「C636」は、同社のハンドヘルド型コンデンサーマイク「C535 EB」のサウンドはそのままに、ノイズ対策を強化した後継モデルだ。3層構造のフィルターと、特殊なゴムを使用したショックマウントにより、ポップノイズやハンドリングノイズを取り除くと共に、ヌケのいいクリアなサウンドもキープしている。また、80Hzのローカットフィルターも搭載している。



「C636」は、優れた音質が特徴のコンデンサーマイクをレコーディングだけでなく、ライブステージでも使用可能にした、ハンドヘルド型のコンデンサーマイクです。重量も328gと軽量で取り回しやすく、実際に手で握ってみると安定感のある造りをしています。

今回は、スタジオで男性シンガーのレコーディングに使ってチェックしてみました。ロック系のシンガーということもあり、一般的な「マイクスタンドにコンデンサーマイクを立てる」というやり方ではノリとテンションを出しきれないので、手で握ってステージで歌っているような感じを出してもらいました。
録音中は、フレーズやセクションが変わる時にシンガーがマイクを握り返したり、上下左右に動かしたりしましたが、オケに混ぜると聴感上のノイズは感じられませんでした。レコーディングスタジオの静かな環境で、ボーカルトラックをソロにして確認した時にだけ「ほんの少しノイズがあるかな」と感じる程度です。

また本機は、ライブなどでの音のカブリ対策として、ローカットスイッチを搭載しています。歌う際に、マイクを口元に近づけた時に発生するポップノイズもキレイに抑えることができました。
そして肝心な音質も、AKGのコンデンサーマイクならではの、クリアでヌケのいい高域と、近接効果による太い低音がしっかりと受け継がれています。特に高域は、しっかり出ているのにキンキンした耳に痛い感じがなく、ステージ上でもハウリング対策のEQがかけやすいと思いました。耐音圧性も非常に高く、曲中で強めにシャウトをする場面でも、マイクによる歪みが発生しません。

AKGならではの優れた音質と耐久性を持ち合わせた本機は、宅録でのレコーディングとライブパフォーマンスの両方に活用できる、非常に頼もしいモデルです。

 

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本体裏側に、80Hz(−12dB/oct)のローカットスイッチを装備。オンにすることで、録音時に余計な低域が収音されるのを回避できたり、ステージでの振動やカブリの影響を低減することが可能だ。

 

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本機のマイクカプセルは、振動を吸収する特殊なゴムを使用したショックマウントに取り付けられている。また、ダイアフラムはグリルと高密度スポンジフィルター、マグネット着脱式メタルフィルターの3層構造で保護されており、ノイズ対策も万全だ。

 

●スペック

●指向性:単一指向性
●最大入力SPL:150dB SPL
●感度:−45dB re 1V/Pa
●周波数特性:20Hz〜20kHz
●出力インピーダンス:200Ω以下
●外形寸法:長さ=186mm/直径=52mm
●重量328g

 


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