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電波少女「21世紀難民」インタビュー
電波少女「21世紀難民」インタビュー
2018/09/01
──レコーディングに関してはどのように行なったのですか?
ハシシ:NIHA-Cくんのパートは自宅で録ってもらいました。
NIHA-C:通販で揃えたような宅録機材があるんですけど、それで録って。で、最終的には制作チームに渡して完成させてもらいました。
──自宅でラップを録る時は一気に録るんですか。それともパンチイン/アウトとかしながら?
NIHA-C:この曲はパンチイン/アウトは結構しました。昔はしなかったんですけど、最近覚えちゃったんですよね(笑)。まぁ、これはハシシさんと作業するようになってからなんですけど。
──楽曲の精度を上げるために?
NIHA-C:そうですね。もちろん一発で録った方がいい曲もあると思うんですけど。空気感とか大事にしたり。
ハシシ:ない、ない(笑)
NIHA-C:(笑)
──電波少女の場合、歌に「Auto-Tune」などのエフェクティブな効果が掛かっていることも多いと思いますが、こういった効果を想定しながら録音しているのですか?
ハシシ:そうですね。ただ、最近の「Auto-Tune」は良い意味でも悪い意味でも昔みたいなロボっぽさが徐々になくなってきているので、自分たちでも掛け録りしつつ、ミックスの際にも更に掛けることもあります。
──具体的にはどのように?
ハシシ:自分の場合は、1音1音ピッチを修正するのではなく、スケールだけ合わせて雑にかけますね。で、それをオーディオに書き出してミキサーの方に渡して、そこで再度掛けてもらったりもしています。
──2度掛けみたいな感じですね。
ハシシ:はい。「Auto-Tune」としては自然な感じにピッチが修正できるのはいいことなんでしょうけどね。最近だと第一線で活躍されている人たちもわざと粗くかけたり、「Auto-Tune」を2~3個掛けることがあると聞いたことがあります。
──ヒップホップに限らず、「Auto-Tune」をうまく使いたいと思っているクリエイターは多いと思いますが、何かコツのようなものはありますかね。
ハシシ:ロボっぽくするには、音程をわざと外すことですかね。でも、俺はめちゃくちゃナチュラルに掛けることもありますし。場合によっては、録った声を1音ずつピッチ修正してから「Auto-Tune」を使って、エフェクトが掛かっているのかいないのか、あえて分からないくらいにすることもあります。
──「Auto-Tune」以外に声に必ずかけるエフェクトはありますか?
ハシシ:特にないです。いつも「Auto-Tune」だけかけたすっぴんの状態でミキサーの方に渡しているので、後の処理についてはお任せしていますね。
──NIHA-Cさんが加入したことで“楽曲のキーを変更する”といった話などはあるのですか?
ハシシ:まったくないですね。僕らは基本的には感覚でラップや歌詞を歌っている部分も多いですし。
──そもそも曲を作る時は、どのように始めるのですか?
ハシシ:ビート、メロディー、ある程度トラックメイカーの方が作ったモチーフを聴くところから始めます。ラップとかヒップホップの場合、基本的にはトラックありきでそこに重ねて行くスタイルが多いんですね。だから、ぶっちゃけバンドとかよりも手が込んでいない側面もあるんですけど。ただ、電波少女ではある程度楽曲にもアレンジを加えていて、ループものも好きなんですが、一曲通してドラマチックな展開になるように心がけています。その方が自分もやっていて楽しいし。
──NIHA-Cさんの場合も同じような感覚ですか?
NIHA-C:そうですね。でも、今までソロでやっていた曲は展開としては少なくて、サビとヴァースというか。サビとラップする部分みたいな感じでしたね。
ハシシ:Aメロ→サビ→Aメロ→サビみたいな感じだよね。
──ヴァースとかサビとか、楽曲の構成を表す言葉って色々ありますよね。電波少女の場合は、どんな呼び方をすることが多いですか?
ハシシ:ヒップホップの人たちの中でも多少違うと思うんですけど、俺らはAとかBを全部まとめてヴァースって言いますね。1ヴァースとか2ヴァースとか。でも、Bメロ感強い部分はBメロで。サビがフックです。で、ブリッジの部分はブリッジだったり、ブレイクと呼ぶこともあります。で、一般的に3番のことをDメロとかって言うんですかね?僕らは3番っていいます(笑)
NIHA-C:たしかに決まってないですよね。でも、伝わればいいって感じですよ。
──NIHA-Cさんは、サビと言うかフックを作るときは鍵盤とかを弾くこともあるのですか?
NIHA-C:いえ、そんなのはできないので。ビートのキーとかに合わせてマイクの前で「わぁー」って歌って。で、何パターンか録って、その中から使えそうなものを選んで。後からハモリが付けられそうなところは付けたりして。
──nicecreamさんは、レコーディングで何か口出したりすることはないんですか?
nicecream:一切ないですね。制作過程もインタビューで知るんで(笑)
──nicecreamさんから見て、NIHA-Cさんが加わることで電波少女はどう変わってきたと思いますか?
nicecream:この「21世紀難民」は特にそうなんですけど、同じ“ムカつく”ことを書いたとしても、ハシシは自分の中での気持ちを歌っているのに対して、NIHA-Cくんは他の人の気持ちを歌っていたりするんですね。実は別の曲でも結構そういうことがあって。さっきもハシシが言っていたように、色の違いみたいなものが生まれているなと思います。
──NIHA-Cさんは自分の内面を歌うよりも、他の人へのメッセージ性を強調したいタイプなのですかね?
NIHA-C:例えば、この曲に関しては。。。
ハシシ:俺に言ったの?
NIHA-C:はい(笑)
nicecream:結構、ハシシに言ってそうなこと多いよね(笑)
ハシシ:(笑)
NIHA-C:冗談ですけど、無駄に偉そうにしてる先輩とか、理不尽な理由で怒ってくる人とかに歌いました。
──では、最後にあらためて今回の楽曲の聴き所とファンへのメッセージをお願いします。
NIHA-C:「21世紀難民」はどちらかというとアッパーで、お客さんも自分も見ていて楽しいかなと思うんです。これは俺が他の人の曲を聴く時の話でもありますけど、“ライブではこういう風にかぶせれそうだな”とか、“声を出したら楽しそうだな”とか、そんなことを想像しながら聴いてもらえたらうれしいですね。
nicecream:さっきも話した通り、ハシシの内面とNIHA-Cくんの外への思いというか、その対比を見て欲しいですね。NIHA-Cくんとハシシによる新たな電波少女というか、過去曲ですけど、期待してもらいたいです。俺は作ってないけど(笑)
ハシシ:普段作っている曲と違って、この曲は断片的なものを並べて作っていて。聴いている人に“ここは面白いな”って箇所が1つでもあるといいですね。あんまり頭を使って聴いてほしくないとうか、いいようにストレス発散に使って欲しいし、たくさん聴いてもらいたいです。
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