4月4日からスタートした全国ツアー「Wakana LIVE TOUR 2019~VOICE~」の5本目
Wakana、“平成〜令和”を駆け抜ける全国ツアーの 東京公演で、中野サンプラザを感動の嵐に!
Wakana、“平成〜令和”を駆け抜ける全国ツアーの 東京公演で、中野サンプラザを感動の嵐に!
2019/04/28
Photo:川田洋司
シンガー・Wakanaが4月26日、東京・中野サンプラザにおいてワンマンライブを開催した。本公演は、3月にリリースされた1stソロアルバム「Wakana」を引っ提げ、4月4日からスタートした全国ツアー「Wakana LIVE TOUR 2019~VOICE~」の5本目。さらに自身にとっては“平成”最後となるライブだ。時代の節目に届けられる極上の歌声を受け取るべく、会場は熱烈なファンで埋め尽くされた。
アルバム「Wakana」の1曲目を飾っていた「約束の夜明け」でライブは幕を開けた。メロディに託された言葉たちが繊細に歌として紡がれて会場を包み込んでいく。息を飲み、静かに耳を傾け、その歌声に心を重ねていく観客たち。ライブ開始早々、音楽を介した濃密な時間が展開されていく。
「1人の人間としての“声”をたっぷり楽しんでいただきたいと思い、ツアータイトルを“VOICE”と名付けました。最後まで楽しんで帰ってください」
最初のあいさつでツアーに込めた思いを語ったWakanaは、アルバム収録曲はもちろん、カバー曲などを交えたセットリストで楽しませていく。流れる風のように爽やかな声を聴かせたかと思えば、大地を感じさせる力強い表情を見せたり、太陽のようなあたたかさで聴き手を照らしてくれもする。曲調に合わせて多彩な色を放つWakanaのボーカリゼーション。それは生命の息吹をリアルに感じさせてくれる生々しい魅力に溢れていた。アップテンポな楽曲では総立ちになったオーディエンスが楽し気にクラップで参加するハッピーな光景も生まれ、ソロアーティストとしての音楽性の幅もしっかりと提示していく。
中盤では、本ツアーの音楽監督を務める武部聡志が東京公演限定のスペシャルゲストとして登場。Wakanaが「武部さんのピアノで歌ってみたかった」とリクエストしたという一青窈の「ハナミズキ」と、武部が「弾いてみたかった」というKalafinaの「oblivious」の2曲が、ピアノと歌のみというシンプルな編成で披露された。ピンと張りつめた心地良い緊張感の中、その信頼関係を裏付けるように2人が生み出す音色が美しく融合していく。Wakanaの歌の持つ圧倒的な力をあらためて実感させる貴重で贅沢なコラボレーションに、客席からは割れんばかりの大きな拍手が巻き起こった。
「ライブをすることで、いろんな実感が沸いてきます。私にとっての音楽はライブで完成するんだと思います。みんなの顔を見ることで私も幸せになる。そんな時間が大好きなんだと思います」
本編ラストには自身で作詞を手がけた「金木犀」をパフォーマンス。Wakanaは最後の瞬間まで、自身の思いを注ぎ込んだ歌で客席を魅了し続けた。音楽を愛する、歌を愛する、そしてライブを愛するWakanaのありのままが詰め込まれたツアーはこの後、5月4日の福岡県・福岡国際会議場での公演を経て、5月12日の愛知県・日本特殊陶業市民会館でファイナルを迎える。“令和”の始まりに用意された2本のライブでも彼女はきっと揺るぎない歌への矜持を見せ、ツアーを大団円へと導いていくはずだ。
TEXT:もりひでゆき
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