圧巻演出で魅了した東京ドームシティホール

Nulbarich、「Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 -Blank Envelope-」ツアー終幕!(5月9日 東京・TOKYO DOME CITY HALL)

Nulbarich、「Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 -Blank Envelope-」ツアー終幕!(5月9日 東京・TOKYO DOME CITY HALL)

2019/05/10


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Nulbarichが、本日5月9日に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて、ツアー「Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 -Blank Envelope-」の追加公演を開催。Nulbarichにとって過去最大規模となった本ツアーは、8都市10公演がすべてソールドアウトという盛況の中、実施された。

カメラマン: 岸田 哲平
ライター: 黒田 隆太朗

ライブレポート
楽曲、演奏、歌、すべてがハイレベルな変化を遂げながら、いつも以上にリラックスしたムードで魅せる素晴らしいライヴだった。トラップを取り込むなど、より自由な音楽的進化を果たした『Blank Envelope』。そのアルバムを引っ提げてのツアーで見せたのは、彼らがライヴバンドとしても大きな飛躍を遂げている姿である。昨年武道館ワンマンも成功させた彼らには、実力と実績に裏付けられた自信が漲っている。最初のMCで放った「バカにしているけどノックアウトされて帰るの君たちだからね!」という宣言通り、この日集まった3000人のオーディエンスは、皆Nulbarichが生み出す極上の21曲に酔いしれた。

静かに幕が開き、JQの美声が響き渡り始まった「NEW ERA」。ツアーと概ね同じセットリストで臨みながらも、この曲だけが冒頭へと入れ替わっていたのは、ここから新たなステージへと踏み出して行こうという意思の表れだったのかもしれない。中盤にはアグレッシヴな間奏が差し込まれるなど、楽曲そのものも原曲からは変貌を遂げ、その後のセットリストでもほぼすべての曲で真新しいアレンジを聴かせていく。「Silent Wonderland」ではJQがギターをプレイし驚かせるなど、12月1日にはさいたまスーパーアリーナでのワンマン公演を行うことを発表した彼らは、楽曲に新しい息吹を吹き込むステージングでNulbarichとしての「新境地」を聴かせていく。

一聴して明らかだったのが、バンドとしての結束が強く感じられたこと。それがこのツアー最大の意義だろう。ステージに立つ演者同士の距離が近く、アンサンブルの一体感はこれまでのライヴと比べても別物。特に本ツアーではギターとピアノの上音が主役をこなすなど、ずっと追いかけてきているファンからしても新鮮なプレイが続いていく。終始鍵盤がアンサンブルを牽引しながら、「Focus On Me」を初めとし、多くの楽曲で見られたギターソロが幾度となく歓声を呼んでいく。EDM以降のポップ・アンセムと言える「Kiss You Back」でもロックバンド然とした演奏が加わり、続く「Sweet and Sour」で聴かせたピアノソロとコーラスは間違いなく前半のハイライトだ。1曲の中でも大きな緩急を見せるパフォーマンスで、前半からライヴバンドとしての覚醒を見せつけた。初めて導入されたレーザーなど、ショーアップされた空間演出も彼らの魅力を最大限まで引き出し、聴覚的にも視覚的にもオーディエンスを飽きさせないステージングが頼もしい。

彼らのライヴではお馴染みの「On and On」で会場を大きく揺らすと、メロウな「Handcuffed」で酔わせ、この日の千両役者たるピアノソロを挟んで「All to Myself」へ。「悲しいこと、楽しいこと、色々あるからライフ・イズ・楽しい」というMCは、いかにもJQらしい背中の押し方だ。そして「Blank Envelope(INTRO)」で迎えた後半では、強烈なラストスパートが訪れる。縦のリズムとファルセット・ヴォイスで会場を飲み込む「In Your Pocket」を響かせ、「すべり込みでこける大人にはなりたくない。マイペースに進んでいく」と言い放ち「Almost There」へ。シームレスに繋がりながら、極上のジャムセッションを聴かせた「Zero Gravity」、「Supersonic」は今の彼らでしかできない素晴らしい2曲である。JQから「指何本ある?」と言われたほどのピアノプレイで、予告通り「ノックアウト」された者は多いはずだ。

深い感謝の念と共に、「描いていなかった舞台に立っている。これからも僕らは止まらない。走り続ける」と告げて、新作に収録されたアンセム・ソング「Stop Us Dreaming」へ。再びギターを弾き倒しながら、「僕達の歩みは誰にも止められない」という合唱と共に大団円。会場中がひとつになるこの曲達を携え、彼らは12月のたまアリ公演へと駆け抜けていく。アンコールが行われなかった会場では、鳴りやむことのない拍手と歓声が響き渡った。

2019年5月9日(木) @東京・TOKYO DOME CITY HALL
SET LIST

1 NEW ERA
2 Silent Wonderland
3 VOICE
4 Focus On Me
5 I Bet We’ll Be Beautiful
6 ain't on the map yet
7 It's Who We Are
8 Kiss You Back
9 Sweet and Sour
10 Handcuffed
11 On and On
12 Ring Ring Ring
13 JUICE
14 All to Myself
15 In Your Pocket
16 Almost There
17 Zero Gravity
18 Supersonic
19 Toy Plane
20 Stop Us Dreaming


ラグジュアリーメゾン「カルティエ」が5月18日から東京・神宮前にて、新作ジュエリーコレクション「クラッシュ ドゥ カルティエ」の誕生を祝し、期間限定でオープンするポップアップイベントのキュレーションの一部も担当するなど、止まらず快進撃を続けているNulbarich。12月1日には、バンド史上最大のキャパシティ、さいたまスーパーアリーナ公演「Nulbarich ONE MAN LIVE -A STORY-」が控えおり(チケット一般発売:7月20日)、さらなる高みへの階段を上り始めたNulbarichからの今後の情報に期待してほしい。
 

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