初パフォーマンス曲も披露!

ADAM atが主催するインストゥルメンタル・ミュージックの野外フェス、大盛況のうちに終了!(7/7 静岡県浜松市浜名湖ガーデンパーク)

ADAM atが主催するインストゥルメンタル・ミュージックの野外フェス、大盛況のうちに終了!(7/7 静岡県浜松市浜名湖ガーデンパーク)

2019/07/08


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2017年発売アルバム『Echo Night』、2018年発売『サイコブレイク』が、邦人として2年連続タワーレコード年間ジャズ・セールス・チャート1位を獲得し、6月に最新アルバム『トワイライトシンドローム』をリリースしたインストゥルメンタル・セッション・バンド=ADAM atが主催するインストゥルメンタル・ミュージックのアーティストだけの野外フェス、“ADAM at PRESENTS INST-ALL FESTIVAL”を7/7に静岡県浜松市浜名湖ガーデンパークで開催し、大盛況のうちに幕を閉じた。

“INST-ALL FESTIVAL”は、キーボーディストADAM atが世界有数の楽器産業で栄える街=浜松からインスト・ミュージックの可能性を広げ、音楽文化の発信を目的に、2018年から開催しているフェスティヴァル。今年は主催者ADAM atを筆頭に、JABBERLOOP、TRI4TH、Calmera、fox capture plan、PHONO TONES、The Hey Songの計7組のアーティストが出演し、イベントを大いに盛り上げた。

下記各アーティストのライヴ・レポート。

開演時間の11時になると、ADAM atがステージに登場。主催者挨拶を交わしたあと、トップバッターのThe Hey Songを呼び込む。「頭から飛ばしていこうと思います!」という落合"キット"慶太(Ba)の言葉から、今年5月にリリースしたメジャーデビューアルバム『seed』より“vital”を演奏し、早速フロアからはクラップが自然と沸き起こる。この日のステージは後ろが開放されていて、客席からはミュージシャンたちの奥に浜名湖ガーデンパークの広大な緑と川が見えた。その特別な風景と、映画音楽に影響を受けて「日常を映画のワンシーンに」をテーマとして奏でるThe Hey Songの演奏が相まって、目の前に映っている景色と今流れている時間がまるで別世界のものであるかのように感じさせた。

続いて、ADAM atが「彼らとの出会いを2時間かけて話したい」という愛ある冗談を交えてPHONO TONESを紹介。ADAM atがまだ話している途中にPHONO TONESのメンバーはそそくさとステージに登場し、お客さんから笑いを誘うと同時にADAM atとの仲の良さを示す。宮下広輔がペダルスティールを華麗に響かせて、“Yogi mountain breakdown”からライブはスタート。“Saturday 少林 Fever”“Yie Ar YAHMAN”ではオリエンタルなサウンドも鳴らし、「インストゥルメンタル・ミュージック」にも様々な編成・曲調・音色があることを言葉で説明せずとも伝えてくれる。最後はADAM atも一緒に、「PHONO TONES feat. ADAM at」による“Mr. Hyde”を演奏。オーディエンスは一斉に立ち上がり、演奏終了後も拍手が鳴り止まないほどの盛り上がりを見せた。

3番手には、エンタメジャズバンド・Calmeraが登場。Calmeraは2年連続出演となるが、昨年は全出演者が決まったあとに「俺たちも出たい!」と懇願したことを明かし、ADAM atの人柄がどれほど好きかを話すと、「2回目の開催おめでとうございます。お祝いしましょうよ!」とCalmeraの乾杯ソング“乾杯ブギウギ”を披露。その曲名通りメンバー全員が満身創痍になるほど激しいプレイで魅せる“満身創痍”は、メタル好きなADAM atの心も震わせたようで、彼はステージの袖で頭を振りながら見ていた。そして最後、<燃えろお前の元気ギンギン>と会場全体で合唱する“ロックンロール キャバレー”ではサプライズが。曲の途中でADAM at“六三四”のカバーを挟み、原曲では「うちとれ!」とお客さんと叫ぶパートを「ぎんぎん!」と変えて煽ったのだ。その突然かつ意外なパロディーに、ADAM atとオーディエンスは爆笑せずにいられなかった。

イベント中盤を担ったのは、大ヒット映画『コンフィデンスマンJP』の劇伴なども手がけ、名実ともにインストミュージック界を牽引する存在となったfox capture plan。“RISING”“衝動の粒子”Butterfly Effect“を立て続けに、即興も交えながらライブアレンジで披露。岸本亮(Pf)が弾くピアノのリフレインと、井上司(Dr)が叩くテクニカルなビートによって、じわじわと高揚させていった上で凄まじい爆発を作る。fox capture planは、その緊張感ある演奏とゆるいMCのギャップが、ライブの持ち味のひとつであるが、この日は岸本が「興奮しすぎてボケも思いつきません」と言うほど、昔からの馴染みであるバンドたちと共にライブができることを喜ぶ一方で、他のバンドに負けぬよう演奏に集中力を注いでいるかのようだった。

次に登場したのは、「踊れるジャズ」を標榜し、昨年11月に満を持してメジャーデビューを果たしたTRI4TH。シックなスーツを身に纏って登場した5人は、上品な立ち振る舞いで、しかしパンク的な反骨精神を根底に抱えながら、90年代パンクを代表するRancidのカバー“Time Bomb”や、「ガセリ菌SP株ヨーグルト恵」のCMソングとしてお馴染みの“Guns of Saxophone”などを披露していく。最後は、伊藤隆郎(Dr)が「ヘイ・ホー・レッツ・ゴー!」と叫ぶ“Maximum Shout”。この一句はRamonesが「パンクスたちにとって革命、行動を起こすための武装命令」を意味して残した言葉として有名だが、この夏多数のロックフェスへも出演するTRI4THが、「インストバンド」として革命を起こすことを宣言しているかのような気迫溢れるパフォーマンスだった。

JABBERLOOPが登場する前、ADAM atは「JABBERLOOPがいないとこのフェスはなかった」と語った。JABBERLOOPは2015年より滋賀県琵琶湖にて『MOTHER LAKE JAZZ FESTIVAL』を主催しており、ADAM atはそれに出演した際に、自らも地元でフェスをやろうと決意したそう。“Mother Lake”(=「琵琶湖」の別称)をこの日演奏するとき、イントロを弾いた時点でフロアからは温かい歓声が上がった。演奏後、MAKOTO (Tp)はADAM atへ言葉を返すように、フェスを作る難しさに触れた上で「玉田さん(ADAM at)、すごいですね。しかも苦労を人に見せない。本当にすごいです」と話した。オーディエンスの身体を揺らし続けたあと、『NEWS ZERO』(日本テレビ)のスポーツコーナーのテーマに起用されている“シロクロ”でみんなをジャンプさせてステージを締めくくった。

トリを飾ったのは、もちろんADAM at。「NO INSTRUMENTAL, NO LIFE」と書かれた段幕を背負ってステージに登場。ADAM atが「浜松に住んでる人ー!」と呼びかけると、浜松以外の地域から参加しているお客さんのほうが多いようで、「浜松は好きですか?」という質問には大きな声で「イェーイ!」と返る。“Install”から始まり、“五右衛門”ではCalmeraにお返しするかのように“ロックンロール キャバレー”のメロディーを途中で挟んだあと、ニューアルバム『トワイライトシンドローム』収録の“Oi-Majika”をライブ初披露。「おい、おい、おい、まじか!」という異色なコールアンドレスポンスによって、会場にはエネルギッシュな空気が沸き上がる。「『ハママツ・ジャズ・ウィーク』に呼ばれたことないんですよね。なのでジャズ弾きましょうか」という前振りから、歪んだギターでイントロが鳴り、ADAM atのメタルのルーツがはっきりと見える“ヤマネコア”へ。しかしただラウドなだけでなく、和テイストや、THE BEATLESの影響も感じさせるシンプルで美しいメロディーラインも聴かせるADAM at。最後は、出演者全員を呼び込み“MONOLITH”を演奏。辻本美博(Sax / Calmera)から、DAISUKE (Sax / JABBERLOOP)、PAKshin(Key / Calmera)、竹内大輔(Pf / TRI4TH)、織田祐亮(Tp / TRI4TH)、小林洋介(Tp / Calmera)、MAKOTO (Tp / JABBERLOOP)、伊藤隆郎(Dr / TRI4TH)ヘとソロを回していき、この日のクライマックスを迎えた。ADAM atは「来年はまた出演者の数を増やしたい!」とさらなる意欲を語り、2019年の『INST-ALL FESTIVAL』は笑顔溢れる中で幕を閉じた。

当日までは天気の心配があったが、無事に晴れの中で開催することができた。しかし、すべてのステージを終えた瞬間に、突然の大雨が。会場には「音楽」と「人」を愛し、そのふたつを深く楽しむことを知っている人たちが集まっていたように思うが、その人たちが生み出すポジティブなパワーが太陽を呼んでいたかのように思えたのだった。

 

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