数あるインストゥルメントの中からNI製品が選ばれる理由に迫る!第二弾
Native Instrumentsユーザーインタビュー【Maozon編】
Native Instrumentsユーザーインタビュー【Maozon編】
2019/11/27
三代目 J Soul Brothersへの提供曲「R.Y.U.S.E.I.」で第56回日本レコード大賞をはじめ、様々な賞を受賞したMaozon。ドラムンベースと呼ばれるジャンルのプロデューサー、DJとして活動している彼もNative Instrumentsのヘヴィー・ユーザーの1人だ。ここでは10年以上の使用歴だと語る「MASSIVE」のお気に入りポイントや使い勝手などを中心に、NI製品をどのように曲作りに取り入れているかを聞いてみた。全ダンスミュージッククリエイター必見のインタビューだ!
──現在、メインとなるDAWソフトは何をお使いですか?
Maozon:まだDTM初心者だった頃からずっとImage-LineさんのFL Studioを使用しています。気に入っている点は色々ありますが、特に直感的に操作できるピアノロールが好きですね。
──Native Instruments製品の使用歴について教えてください。
Maozon:10年ほど前に知り合いに勧められて「MASSIVE」を単体で購入したのが初めてのNI製品でした。以来、「MASSIVE」をメインのシンセサイザーとして使い続けています。
──Maozonさんは、どのような手順で楽曲を作ることが多いのですか?
Maozon:基本的には楽曲の始めから順番に作っていきます。作り始めるパートはコードからということもありますし、ドラムパターンからの場合もあります。最初から音色やミックスなどは作り込んだ状態で楽曲の始めから終わりまで順に作っていき、ほぼ完成した状態から気になった箇所を修正するといった形をとっています。
──Native Instrumentsの音源で使用頻度の高いものをいくつか教えてください。
Maozon:まずは「MASSIVE」です。コードやベースなど基本的なシンセ音色に使用しています。
──サウンドメイクでよく使うパラメーターなどは?
Maozon:色々ありますが、FXのReverbはとりあえずかけるというぐらいよく使います。他にはFXのTube系、InsertのShaper系など歪み系エフェクトも多用しますね。
──数あるシンセ音源の中で「MASSIVE」が他社製品と比べて優れていると思う点は?
Maozon:負荷が軽いので気軽に立ち上げられることがとても気に入っています。アナログシンセの基本的なところを抑えていますし、直感的でとてもわかりやすいインターフェイスも好きです。ウェーブテーブル搭載のシンセは現在では他にもたくさんありますけど、大体の音は「MASSIVE」で作れてしまうので、もうずっと「MASSIVE」をメインで使っています。楽曲によっては20台ほど立ち上げるときもありますね。
▲「MASSIVE」
──では「MASSIVE」以外の音源だと何を使うことが多いですか?
Maozon:「MASSIVE」では作りきれない音色を作るときに「RAZOR」を使うことも多いです。「RAZOR」に搭載されているDissonance Effectは波形そのものを変形させるので、「MASSIVE」では作れない大変面白い音が作れます。飛び道具的な使い方ができるのが良いですね。
──よく使うパラメーターを挙げるとすると?
Maozon:独特のかかり方がするFilterのComb PeakやPhaserとか、あとはReverb SyncedのDRY/WETにモジュレーションをかけることもあります。
▲「RAZOR」
──Maozonさんは、ドラムなどの音源はどうされることが多いのですか?
Maozon:例えば、シネマティックなドラムスがほしいときは「DAMAGE」を使いますね。そのままループを使っても良いんですが、サンプルとしてカットされた音が各キーにアサインされているプリセットもあるので、自分の好きなように組み替えられるところも便利だと思います。「DAMAGE」に関しては、パラメーターなどは特にいじることはなく立ち上げたままの状態で使用することが多いです。
──ところで、MaozonさんのプライベートスタジオにはNative Instrumentsのキーボードが置かれていますよね。
Maozon:はい。ちょうど最近、「KOMPLETE KONTROL S88 MK2」を導入したのですが、鍵盤の上部にあるランプでその楽器のキースイッチを表示してくれたりするのがとても助かります。今までは「どこがどのスイッチだったっけ?」となって一々探していたので(笑)。「DAMAGE」などを使う際にもこれは嬉しいですね。
──たしかにキースイッチが光るのは画期的ですよね。
Maozon:そうですね。「KONTAKT」の「SYMPHONY ESSENTIALS」のEnsembleなどを使うとき、どの範囲がどの楽器なのか、というのも一目瞭然です。こういった点もありがたいですね。
──Maozonさんは音作りやミックスでNative Instrumentsのエフェクトを使うこともあるのですか?
Maozon:ありますよ。音色のアタックを強くしたり弱くしたり、特にキックやスネアを前に持ってきて聴こえやすくするために「TRANSIENT MASTER」はよく使っています。
──「TRANSIENT MASTER」はどのような設定でかけることが多いのですか?
Maozon:パラメーターのかけ方は元の音色によってもちろん違ってきますが、最近ではキックにかけてアタックをー15%ほど、サスティンを45%ぐらいに伸ばすことが多いです。
▲「TRANSIENT MASTER」
──「TRANSIENT MASTER」が、他製品と比べて優れていると思う点は?
Maozon:この「TRANSIENT MASTER」を使っているのは正直に言うと「KOMPLETE」に収録されていたというのが最大の理由なんです(笑)。とはいえ、他のトランジェントエディタ系のエフェクターと比べて、このエフェクターのパラメーターはアタック、サスティン、ゲイン、の3つだけという清さ。これがわかりやすくとても使いやすいのでとても気に入っています。
──その他のエフェクターでよく使うものというと?
Maozon:ドラム隊をグループ化したものにまとまりをもたせるために「SOLID BUS COMP」を使うケースもあります。こちらも元の音によって様々ですが、基本的にはコンプはかなり強め、COMPLESSIONの値はだいたい4と8の間を指すぐらいにしています。また若干Dryのツマミを上げて原音を出力する、いわいるパラレルコンプレッションに近い使い方もしますね。
──「SOLID BUS COMP」をかける際のコツのようなものはありますか?
Maozon:いつもパラメーターは音を聴きながらフィーリングでいじっているので、厳密になぜそうなるのか理解しきっているわけではないのですが、「SOLID BUS COMP」をかけない状態だと少しのっぺりした印象のドラムスでもこれをかけるとグルーヴ感・・・というとちょっと胡散臭いですが、かけないときとは違う印象が生まれます。ドラム隊の雰囲気が何か足りないな~といったときに「SOLID BUS COMP」を使うとバッチリはまるときがあるんです。
──わかりました。では、本日は色々なお話をお伺いしましたが、最後にMaozonさんにとって欠かすことのできないNative Instruments製品をあらためて教えてください。
Maozon:やはり自分にとって、と言われるとやはり「MASSIVE」ですかね。もう購入して長い時間が立ちますが、いまだに第一線で使っています。迷ったら「MASSIVE」ぐらいの勢いですから!
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