全国ツアーのファイナル公演
WANIMA、初の無観客ライブ「WANIMA COMINATCHA!! TOUR FINAL LIVE VIEWING ZOZO MARINESTADIUM」は10万人が視聴!!
WANIMA、初の無観客ライブ「WANIMA COMINATCHA!! TOUR FINAL LIVE VIEWING ZOZO MARINESTADIUM」は10万人が視聴!!
2020/09/24
スリーピースロックバンド:WANIMAが2020年9月22日(火・祝)にZOZO MARINE STADIUMで、全国ツアーのファイナル公演「WANIMA COMINATCHA!! TOUR FINAL LIVE VIEWING ZOZO MARINESTADIUM」を自身初の無観客ライブという形で開催。
この公演は当初過去最大25万人を動員予定だった全国ツアーが新型コロナウィルスの影響により30公演中アリーナでの16公演が中止となり、未発表となっていたツアーファイナル。WANIMA初となる無観客ライブは、スタジアムでのライブをできるだけ実際のライブに近い形で体感してもらいたいというメンバーのこだわりから、全国286の映画館と12のライブハウスを使用した「ライブビューイング」と「配信ライブ」という形で開催された。
当日のライブではスタジアムに2万5000本のサイリウムを設置した会場全体を使った演出や、ドローンによる空撮、更にこのライブのために開発された[世界初となる映像技術soundiv.(※)]による映像演出、本編ラストでは打ち上げ花火も飛び出し, 配信ライブだからこその演出、そして圧巻のライブ演奏とともに全17曲にわたるド迫力のライブを披露。本編終了時には本日9月23日に2nd MINI ALBUM「Cheddar Flavor」を発売することも発表されなど、お客さんに喜びと驚きを与え続けたツアーファイナルはおよそ10万人が視聴し、Twitterトレンド1位を獲得するなど追い求め続けてきたこの公演を見事完遂した!!
そんな彼らの2nd MINI ALBUM「Cheddar Flavor」は本日発売!!先に対する不安や葛藤に正面から向き合い、自ら鼓舞するように「誰かに歌うな 自分に歌え」という想いを込めて力強く、 “今のWANIMAの芯”ともいうべき音に昇華させた1枚となっている。WANIMAのこの未曾有の事態の中での歩みを表現したかのような濃厚な匂いを放つサウンド全9曲が収録。自身「Can Not Behaved!!」以来およそ6年ぶりとなる2ndミニアルバム。是非ご注目下さい。
■ライブレポート text by 小川智宏
新型コロナウィルス感染拡大の影響で中断、アリーナ16公演が中止となってしまったWANIMAのツアー「COMINATCHA!! TOUR 2019-2020」。やむをえないこととはいえ、この春WANIMAに会えることを楽しみにしていたファンも多かったはずだ。それはメンバーも同じ。止まってしまったツアーにちゃんと決着をつけるべく、ついに「ツアーファイナル」が開催された。それもとんでもないスケールで。WANIMAがZOZOマリンスタジアムから届ける無観客ワンマンライブ「COMINATCHA!! TOUR FINALLIVE VEWING ZOZO MARINE STADIUM」。インターネットでの配信に加えて全国286の映画館と12のライブハウスでのライブビューイングも実施され、ツアーで回ることのできなかった地域も含めた全国のファンに向けて繰り出されたライブは、WANIMAの3人の思いをすべて注ぎ込んだ熱演となった。
開演時間の19:00になると映像が切り替わり、スタジアムの全景が映し出される。そして「カミナッチャのテーマ」が流れ出すと、スタジアム中に配置された無線でコントロールされたサイリウムがカラフルに光を放ち始める。そこにKENTA、KOSHIN、FUJIの3人が登場。「COMINATCHA!! TOUR FINAL、ZOZOマリンから開催しまーす! 見とるか! 見とるか!」というKENTAの呼びかけとともにスタートした1曲目は「JOY」だ。ときおりカメラのほうに顔を向けながら熱唱するKENTA。KOSHINは空を見上げて笑顔を見せる。序盤から怒涛の展開のなか、ハードなリフが炸裂する「Japanese Pride」、ピンクのライトに照らされるなか湿り気を帯びたメロディが雨も相まって映える「BIG UP」。スタジアム中のサイリウムが光る演出もひときわ美しくライブを盛り上げた。
「ZOZOマリンスタジアム、めちゃくちゃ楽しいです、ありがとう!」そうオーディエンスに語りかけるKENTA。ライブでの彼はいつもお客さんひとりひとりの目を見るように語りかけるが、この日は直接顔を合わせられないぶん、いっそう丁寧に言葉を重ねているように見えた。自宅、映画館、ライブハウス、それぞれの場所でこのライブに参加しているひとりひとりに向けて、「どんどん行きます!」と宣言するKENTA。「いつもと違う夏をどんな感じでお過ごしでしょうか?」という一言から放たれた「夏のどこかへ」と「GONG」を挟んで、KENTAがひとり語り始める。遠くに行ってしまったお祖母ちゃんに向けて書いた歌をやります、自分のことで申し訳なかだけど、たぶん今もどっかで見とるはずだから――そうして演奏されたのは、そう、「Mom」だ。さらに強まったように見える雨に打たれながら、思いの丈を広く、遠く届けていくKENTAの歌。FUJIの叩くドラムからも水しぶきがあがる。スタジアムのスケール感と曲に込めた感情が相まって深い感動を覚えるシーンだった。
ここでメンバーは「Baby Sniper」を歌いながら花道の先に作られたセンターステージに移動。SNSでのコメントを読み上げたりしながらたどり着いたステージでは3人で向かい合うポジションで新曲「MILK」を力強く鳴らすと、立て続けに真夏のエロかっこいいソング「渚の泡沫」へ。この曲と続く「いいから」では、この日のために準備された世界初の映像技術「soundiv.」によって、ステージを取り囲むようにセッティングされたカメラによるリアルタイル360°映像が映し出されると、配信ライブならではのインパクトを生み出した。そして、「今見てる場所からともに歌ってもらってもいいですか?」という問いかけを経て、WANIMAとファンを結ぶ1曲「ともに」を届ける。メンバー3人がお互いを鼓舞するように向き合って鳴らし出すテンションの高い音がひときわ力強い。
センターステージで4曲を披露し、再びメインステージに戻った3人。KENTAは会場の美しさを「みんなに見せたかった」と正直な感想を口にする。それでも「なんとかみんなに届いていることが嬉しい」とこのライブを実現できた喜びを語ると、今日という日に懸けた思いを語り始めた。「俺らもライブ中止になったけど、みんなもいろいろあったと思う。これからもWANIMAとともに生きていってほしいと思います。いつも大丈夫とは言わんけど、今日は言わせてください。大丈夫やから。生きとったらなんとかなるから」。なぜこういう形でライブをするという決断をしたのか。どんな思いを抱いてこのステージに上がったのか。その思いのすべてを乗せた「りんどう」で、全身全霊で歌うKENTA、気持ちの入ったギターを弾くKOSHIN、雨に時折顔をしかめながらもスティックを思いっきり振り続けるFUJI。生のストリングスセクションも参加した温かみのあるサウンドが心に響いた。本編ラストは一転してアッパーな「GET DOWN」。明るく照らし出されたステージで、3人の笑顔が弾ける。曲の終わりには3人の後ろに大輪の花火がいくつも上がった。それを見上げるKENTAの表情が印象的だった。
と、そこにいきなりカウントダウンの映像が挿入される。「緊急告知」の文字に続いて明らかにされたのは、9月23日(つまりこのライブの翌日!)に新作ミニアルバム『Cheddar Flavor』をリリースするというWANIMAからのプレゼントだった。今アナウンスして、明日にはお店にCDが並んでいる。いろいろな人の協力のもと実現したこのサプライズに、KENTAも「ヤバくない?」とはしゃいでいる。3人がピザを囲んでいるジャケット写真も公開して、その新作からタイトル曲「Cheddar Flavor」を披露。重たいリフとリズムが引っ張るパワフルなナンバーだ。そして最後に演奏されたのは、こちらも新作に収録される……というより、「COMINATCHA!! TOUR」で演奏され、その後ツアーが中止になるやいなや最速で配信リリースされたという意味で今年のここまでのWANIMAの始まりとなった1曲「春を待って」だった。前と同じようにゼロ距離でともに歌える「春」が来るその日までの約束の歌。「応援するから、応援してくれよ!」。WANIMAとファンの関係を一言で言い表したようなKENTAの言葉とともに、長かったツアーの「ファイナル」は幕をおろしたのだった。
今回のライブ、筆者はスマートフォンで配信を観つつ、後半は実際にライブビューイングが行われている映画館でも体験した。声を出したり暴れたりということはこのご時世もあってできないが、それでも大画面に映るライブの迫力に、客席からは大きな拍手が巻き起こっていた。『Cheddar Flavor』のリリース情報が解禁されると、思わず「え? 明日?」と驚く人も。終演後に何人かのお客さんと話をすることができたが、「COMINATCHA!! TOUR」に行った人、行く予定だった人、初めてWANIMAのライブを観たという人。友達どうしやカップルから親子連れまで、さまざまな人がこの日を心待ちにしていたことが伝わってきたし、ステージからKENTAが放っていたメッセージがリアルタイムで届いていることもちゃんとわかった。物理的な距離はあるけれど、その意味ではこれもまたたしかに「ライブ」だったのだ。
【LIVE VIEWING @横浜F.A.D】 text by矢島大地
9月22日(火・祝)、WANIMAが無観客配信ライヴ『COMINATCHA!! TOUR FINAL ライヴビューイング』をZOZO MARINE STADIUMにて行った。この模様は全国286ヵ所の映画館と12ヵ所のライヴハウスでも中継された。大声禁止・マスク着用・着席が徹底されている中でも、特にライヴハウスでは「久々にここ(ライヴハウス)に来られて嬉しい」という声を聞くことができた。WANIMAがバンド初期から出演し、彼らのホームのひとつとなっている横浜F.A.Dでは、開演前からこのライヴハウス特有のズッシリとした爆音と、ライヴハウスという空間を人と共有することの喜びが充満していた。ライヴハウスの音響でライヴ配信を楽しむ体験は多くの人にとって初のことだっただろう。しかし違和感を覚えるどころか、壁や床がビリビリと鳴るほどの巨大な音に包まれながら観るライヴには驚くほどの没入感があり、観客それぞれが「歌ってはいけない」というガイドラインを守りながらも、表情、握った拳、体の小刻みな揺れ……それぞれの興奮と高揚を隠さなかった。
序盤のMCでは映画館・ライヴハウスとをつないだ映像がバックスクリーンに映し出されたりと、相互のコミュニケーションを感じさせる一幕も盛り込まれていた。「繋がっている」。彼らの変わらぬメッセージが、何もかもが急激に変わってしまった世界を繋ぐための最もシンプルな答えを提示していくようなライヴである。何より3人自身が今ここで音を鳴らしていることを全力で楽しんでいる姿こそが、ライヴハウスの観客の高揚に繋がっていった。肩も組めないし、WANIMAのライヴで毎度巻き起こっていた大合唱もない。それでも湧き上がってくる熱を各々が感じ合いながら、WANIMAを見守るようにして爆音を楽しんでいる個々の表情が何よりも感動的だった。
本編ラストの“GET DOWN”が演奏されたのち、スタジアム後方に巨大な花火が上がる。約90分のライヴもこれにて大団円……と思いきや突如放映された緊急告知映像。「2nd MINI ALBUM Release」の文字を見て、F.A.D内に歓喜の声。しかし次に映し出された「2020.09.23 In Stores」を目の当たりにして、驚きと歓喜の入り混じった異様などよめきが起こった。つまり前日の21時に告知、翌日発売というサプライズリリース。
楽しみや未来が一旦ぶった切られてしまった今に対して「少しでもワクワクすることを」というWANIMAの想い、WANIMAチームの気持ちがここには表れている。
「普段は大丈夫とか頑張れって言わない。みんなが大丈夫じゃないのも知ってるから。だけど今日だけは、大丈夫って言いたい。大丈夫やから。生きていれば大丈夫やから」--。
これまでとは違う言葉と、これまでとは違うライヴ。しかし変わらずに自分たちの今を生きていく姿勢だけを共有していれば、またきっと逢える。そんな気持ちだけで駆け抜けたWANIMAに、ライヴハウスのスタッフからも観客からも拍手が鳴り止まなかった。
■(※)世界初の映像技術について
新たなライブ体験を企画開発するプロジェクトチーム『soundiv.』(読み:サウンディヴ)がオーストラリアに本社を置くBlackmagic Designの技術協力を得て、『WANIMAのライブ感』を最大限に活かせる映像システムをこのライブで使用することを目的に、新たに開発した。以下の独自技術を組み合わせた映像表現が『世界初』となる。
『surroundiv. システム』
ステージを360度、多数のカメラで取り囲み撮影。今までは、収録した素材を連続再生する事で実現していた「バレットタイム撮影」をスイッチングコントロールをプログラムで制御する事で時間を止めずリアルタイムで撮影可能にした技術。
『360 degreesiv. システム』
VRカメラ「Insta360 pro2」を使用しビューイングエリアをプログラムで制御。人間の動きでは不可能な、ダイナミックなカメラワークを実現。
[soundiv.]ついて
●企画:有限会社ワムハウス/creative studio*wamhouse co.,ltd.
●開発:フューブライト・コミュニケーションズ株式会社、クリエイティブオルカ株式会社
●技術協力:ブラックマジックデザイン株式会社
【WANIMA「COMINATCHA!! TOUR FINAL LIVE VIEWING ZOZO MARINE STADIUM」公演概要】
日程:2020年9月22日(火・祝)
開演時間:19:00
会場(映画館):47都道府県286劇場
※会場(映画館/ライブハウス)は新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに従った席数となります。
※会場(映画館/ライブハウス)毎の開場時間・券種・注意事項などは特設HPをご確認下さい。
配信:PIA LIVE STREAM
セットリスト
SE:COMINATCHA!!のテーマ
1.JOY
2.Hey lady
3.つづくもの
4.Japanese Pride
5.BIG UP
6.夏のどこかへ
7.GONG
8.Mom
9.Milk
10.渚の泡沫
11.いいから
12.ともに
13.りんどう
14.宝物
15.GET DOWN
EN1 Cheddar Flavor
EN2春を待って
関連する記事
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01