吹田市出身のロックバンドがそのステージに立つ

SHE'S、2月22日に10th Anniversary「From 19」を吹田市のメイシアターで開催!

SHE'S、2月22日に10th Anniversary「From 19」を吹田市のメイシアターで開催!

2021/02/25

SHE'S
SHE'S
SHE'S
SHE'S
SHE'S

 

SHE'S

吹田市内の中学校や高校の芸術鑑賞会などが行われることが多いメイシアター。文化に触れる入り口のような場所だ。2021年2月22日、吹田市出身のロックバンドがそのステージに立った。

1曲目『Voice』から木村雅人(Dr.)のドラムに合わせて強く響く手拍子。彼らのテーマカラーでもある水色の照明に照らされながら、コロナ禍で歓声が出せないもどかしい思いを抱えるファンに”君の声が聞こえるように”と優しく歌い上げた。

対照的に赤と白の照明、光るレーザーの中で披露されたのが『Unforgive』。「大阪SHE’Sです、よろしく」いつもの井上竜馬(Vo./Key.)の言葉にさらにエンジンがかかる。『Higher』では服部栞汰(Gt)が得意とする泣きのギターソロ。ステージの前方に出て、お客さんと目線を合わせるように、それでいて高らかに演奏する。

「ただいま」とMCの口火を切る服部。「いつも大阪でライブするときは”ただいま”と言ってきたけれど、今日が一番”ただいま”に相応しい」と話す。それもそのはず。メンバー全員が吹田出身の彼らは成人式などでも度々メイシアターに訪れてきた他、服部と広瀬臣吾(Ba)は中学時代の合唱コンクールでこのステージに立っているのだ。重ねるように井上が「小学二年生のピアノの発表会で来てるから先輩やわ」と笑いを誘う。続いて木村もメイシアターでライブしている映像を見たことがドラムを始めたきっかけだったと語る。
彼らにとって地元ということだけでなく、それだけ意味のある思い入れの深い場所なのだ。

新旧織り交ぜながら披露されるライブは10周年のキックオフに相応しい。これまでの曲はもちろんだが、昨年リリースした最新アルバム『Tragicomedy』の楽曲たちが、新しい彼らの輪郭を作っていた。黄色のスポットライトに木村が照らし出され、ピンクの光を浴びる広瀬。人間の表裏を描いた『Ugly』に似合う、感情のように変わる照明も楽曲を引き立たせていた。

「めっちゃ楽しいです」こぼすように井上は言いながらステージ後方に移動する。今回初めて取り入れた、グランドピアノだ。「発表会を思い出すなあ」回想しているのか、微笑を浮かべている。ふわりと鍵盤に手を置いて、鳴り始めた音色は心に染み入るように優しい。『Tonight』『Long Goodbye』の2曲をグランドピアノで披露した。

定位置に戻り演奏されたのが『Your Song』だ。昨年はイベントが中止になったり、自身のツアーファイナルであるなんばHatch公演を無観客に変えたり、彼らにとってもファンにとっても心苦しい選択の連続だったと思う。そんな中、くじけそうな心を支え、道を照らしてくれたのがこの曲だった。「好きな歌を口ずさんでいこう」その詩は合言葉のようにホールに響き渡っていた。

お客さんを前にして初披露されたのが新曲『追い風』。初披露にも関わらず曲が始まると手拍子も始まる。期待の高さが感じられる。ロゴのフラッグが現れて青く光を放ち、後半に向けての気持ちを高めていく。

最近のライブでは定番曲である『Dance With Me』では、演奏前に「男子!」「女子!」と呼び掛けるコールアンドレスポンスがある。お客さんが応えられない中、服部が手元のサンプラーで歓声のSEをタイミングよく流す。歩みを止めずに配信ライブを続けてきた彼らがあみ出したお家芸とも言えるだろう。井上の軽快なステップに比例するように心が躍る。「バン!」銀テープが飛び虹色の照明に照らされて、会場はさらなる多幸感に包まれていく。

そして再びグランドピアノへ。「久しく実家に帰ってない。忙しいだけじゃなくコロナで帰省することができなかった」と話し始める井上。「帰る場所があるから東京に出て挑戦することができているんだと、今日改めて実感している。だからこそ、同じようにあなたにとってSHE’Sがあたたかい存在、帰ってこられる場所でありたい」と話した。

ラストに演奏されたのは、地元吹田でこの歌をうたおうと決めていたという「Home」だった。夕日のような赤い照明に照らされて、優しくグランドピアノを弾き語る。哀愁を感じさせながらも、単なる懐古というものではなく、自分の現在地を確かめて前進する姿に見えた。「最後に一緒に歌おうぜ」その言葉に呼応するように客席から手が高く上がる。聞こえるはずのないシンガロングが鳴り響いた瞬間だった。

ここで生配信は終了となっていたが、会場に足を運んだファンたちには続きがあった。あたたかい拍手に迎えられたアンコール。一足早く新緑を感じるグリーンの照明。『Blowing in the wind』は10周年の新しい旅を始める彼らとファンに寄り添う、心地いい風を吹かせた。

井上は「メンバーとピリピリした時もあった。けど今は支えられている。スタッフにも。だから自分たちだけの10周年じゃない。ここからどこまで行くかわからないけれど、どんな形であれ、音楽を続けていきたい。たくさんの人に支えてもらいながら、でも自立して歩んでいきます」と十年間の感謝を述べた。「最後は歌に込めて」と披露された『Curtain Call』。

この曲はこれまでもSHE’Sのセットリストの最後の曲として披露されてきた楽曲だ。服部が力強く且つ伸びやかにギターソロを披露した後、曲の終盤で井上はマイクを通さずに歌い上げた。演奏もなく、ただ彼の声だけが響き渡る。

”何度もこの日々に憂い足は止まって”
“何度もその度に救われてきたから”
“何度でも何度でも声を枯らし叫ぶよ”
“あなたが光なんだ”

これまでもこれからも変わらないスタイルで彼らは進んでいくのだろう。SHE'S 10th Anniversaryキックオフ公演は彼らの宣言的なライブだった。2021年のSHE’Sが楽しみで仕方ない。

ライター:FM802 DJ樋口大喜

【セットリスト】
    •    Voice
    •    Unforgive
    •    Un-science
    •    Higher
    •    Night Owl
    •    Clock
    •    Ugly
    •    Tonight
    •    Long Goodbye
    •    Your Song
    •    Letter
    •    追い風
    •    Dance With Me
    •    Home

Enc1.Blowing in the Wind
Enc2.Curtain Call

 

この記事の画像一覧

(全6枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

インタビュー

インタビューの記事一覧はコチラ

関連する記事

インタビュー

インタビューの記事一覧はコチラ
PAGE TOP