2日間にわたる大盛況のライブをレポート!
TFG、1年7か月ぶりの有観客ライブ『TFG SPECIAL LIVE 2021 - SMASH+(スマッシュプラス) -』を開催!
TFG、1年7か月ぶりの有観客ライブ『TFG SPECIAL LIVE 2021 - SMASH+(スマッシュプラス) -』を開催!
2021/07/12
photo:宮坂浩見
さらにLIVE前には抽選で選ばれたファンに公開リハーサル、公演後にはお見送り会を実施。ソーシャルディスタンスを保ちながら以前のようにハイタッチとはいかないまでも、久しぶりにファンと触れ合うことができた。また、7月10日(土)の2公演は、ZAIKOにてオンライン配信を実施。アーカイブは7月13日(火)21時まで購入可能となっており、スケジュールが合わなかったり、また遠方で来られなかったPARFAN(パルファン)は是非この機会に配信チケットを購入し新生TFGの新たなチャレンジとなったLIVEを味わってほしい。
ライブレポート
2.5次元舞台などを中心に活躍する俳優たちによって、2019年7月にデビューしたTFG。その経験を活かし、これまでの公演では朗読劇やファンの要望に応えての企画などが盛り込まれていたが、今回のライブは歌とダンスの純粋なパフォーマンスのみで構成。前川優希、佐藤信長、坂垣怜次、堀田怜央、桜庭大翔という5人組の新体制となって初のステージで、生ライブでは初公開となるナンバーも多数盛り込み、さらなる音楽への追求を果たしていこうとする姿勢を見せた。
舞台が蒼い光に照らされ、重厚なSEがダンサブルに展開すると、黒いスーツに身を包んだ5人が登場し、噴き出すスモークを合図に始まったのは「Dance with Me」。熱に浮かされるような甘く、刺激的なムードをまき散らす5人はセクシーに振り切れて、これまでのカラフルなパブリックイメージを覆すオープニングに、客席も食い入るようにステージを見つめる。一転、「Let’s Stay Home」の元気なユニゾン歌唱でTFGという“HOME”に帰還したPARFANたちを歓迎しつつ、大黒摩季の提供によるラテン曲「¡Hola! ¡Hola! ¡Hola!」では、赤い照明が似合う情熱的なステージングで客席を悩殺。結成から2年を経て、生まれ変わったTFGを、ここぞとばかりに見せつける。
PARFANたちを前に「この感じ久々!」と喜びを爆発させ、1年7ヶ月ぶりに帰ってきた会場に「ただいま!」と挨拶すると、お馴染みの自己紹介ではそれぞれのメンバーカラーに合わせて、客席のペンライトが次々に色を変える場面も。また、五感をテーマにしたTFGには担当フレグランスがあることを改めて説明し、前川は爽快なハーブ、佐藤は甘いフローラル、坂垣はオレンジ+イランイラン、堀田は柑橘系、桜庭は「カブトムシの好きそうな樹液」と、それぞれの香りを具体的に説明。しかし、桜庭の“好きになってしまったんだよ”という呟きを皮切りに、今年2月発売の2ndアルバム『vacaTion』収録の「fallin」が始まると、場内の空気が一変する。彼のラップに絡むように4人が踊る様はフォーマルなビジュアルとも相まって、何とも大人びた香りを醸し出す。
調合によって香りが変わるフレグランスのように、組み合わせ次第でさまざまな表情を見せるーーそれもTFGの魅力かもしれない。直立のままミラーボールの光を浴びて尽きせぬ恋心を謳う「彼方のリナリア」、スタンドマイクを並べて、かけがえのない一瞬一瞬をドラマティックなアクションと共に慈しむ「瞬間」と『vacaTion』収録曲では、ブレのない歌声が客席へと真っ直ぐに突き刺さり、感動的な時間を創りだす。「アルバムは旅がテーマ。こうして生で披露して、みんなを旅に連れて行こうという気持ちが、また高まった」という堀田の言葉も嬉しい。さらに、歌とダンスの2組に分かれてのユニットパートも、2日間3公演の大きな見どころだった。佐藤と堀田が公演替わりで「虹」(Aqua Timez)、「花に亡霊」(ヨルシカ)、「まちがいさがし」(米津玄師ver.)をハーモニー豊かにカバーすれば、他の3人は力強くアグレッシブなダンストラックを展開。桜庭はクランプ、坂垣はハウス&ヒップホップ、前川はジャズ寄りと各メンバーが公演ごとにソロパートを務め、その隙の無いパフォーマンスからは、アーティストとしての意識の高まりと、それに伴う明らかな成長を感じ取ることができた。
テンションアップした場内の空気をクラップの湧く「ニコイチ」でさらに盛り上げ、同時にラフなスタイルに衣装替えしてからは、お馴染みのフレンドリーな一面が全開に。ユニットパートに関しても「5人より2人のほうが緊張する」「メッチャ練習した!」と赤裸々すぎる感想を漏らし、リズミカルでキュートな「恋の変換点」、切ないウィンターシングル「神さま お願い」、一斉に大きく手を振る「PA! PA! PA! Party Love!」と、新旧取り交ぜたメニューで客席との一体感を演出。デビュー曲「My dear Summer」では客席で揺れるペンライトの動きもピタリと揃い、「Celebration」でも5人が振るタオルに合わせてペンライトも回る。いつものように歓声を送ることができないぶん、拍手とペンライトの光で気持ちを届けたい――その色とりどりの輝きからは、そんなPARFANたちの想いが垣間見えた。
高まる手拍子に応えてのアンコール、まずは公演Tシャツに着替えて「シンセイカツ」を温かく贈ると、デビュー2周年を祝うケーキがサプライズで登場。「HAPPY BIRTHDAY」の曲が流れても、自分たちのことだとなかなか気づかない彼らの天然っぷりも愛らしいが、その後、PARFANたちに向けられた言葉は誠実そのものだった。「久々の有観客でその間にメンバーも変わって、本当に人が来てくれるか不安だった」と告白した佐藤は、「こうしてたくさんの人が観てくれて本当に嬉しく思います。2年間やってきて、ちょっとは自分自身成長できたんじゃないかな。これからもTFGと役者としての活動を互いに活かしながら相乗効果で、みんなで成長できるように頑張っていきたい」と笑顔に。前川は「TFGじゃなかったら見れなかった景色、会えなかった人、感じなかったことが山のようにある。新しい一瞬一瞬を大切に、皆様とこれからの道を歩んでいけたらなと思っております」と一礼する。体制の変化に伴い、卒業した2人のパートが改めて5人に割り振られたことに触れた堀田は、「2人の想いも背負って届けられたことが嬉しくて、ホントに胸が温かいです」と語り、桜庭も「TFGは最初から最後まで、何一つ変わってない。彼らがいて、今のメンバーがいて、今のTFGがあって、この2周年に繋がっている。皆様がいて、僕らは初めてステージに立つことができる」と力を込めた。
そして「2周年を迎えた素敵な日に、有観客ライブができたことを嬉しく思ってます。TFGを通して役者としてもスキルアップできて、素敵な環境にいさせてもらえてるんだなぁってしみじみ思います」という坂垣の挨拶から、「一緒にペンライトを振りましょう」とライブを締めくくったのは「My Man, My People」。今公演から登場したニューバージョンのペンライトを5人も取り出して、PARFANたちと一緒に振りながら互いの気持ちを確かめ合う様は、本当に美しかった。PARFANたちとの別れを惜しむように、最終公演ではさらにダブルアンコールで「My dear Summer」も披露され、ペンライトがきらめく客席に「本当に今日の景色忘れません! 本当にありがとう!」と堀田も絶叫。全力を出し尽くし、達成感に満ちて深々と一礼する5人の姿は、今後のたゆまぬ進化をPARFANたちに約束するかのようだった。
文:清水素子
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