2月から北米ツアー開始
CHAI、東名阪対バンツアー<冬のCHAIまつり 2022>完遂!ツアー・ファイナルの速報ライブレポート
CHAI、東名阪対バンツアー<冬のCHAIまつり 2022>完遂!ツアー・ファイナルの速報ライブレポート
2022/01/19
写真::Yoshio Nakaiso
昨年5月にリリースした3rd アルバム『WINK』をUS名門インディーレーベル<Sub Pop>からリリースし、12月にソニーミュージック洋楽レーベルとの契約を発表するなど、グローバルなステージでの活躍が加速中の“N.E.O.-ニュー・エキサイト・オンナ”バンド=CHAI。1月12日にNHKよるドラ『恋せぬふたり』のために書き下ろした主題歌「まるごと」をリリースし、2月2日にはZAZEN BOYS、STUTS、Busy Pなど世界各国のアーティストとのコラボ・リミックスEP『WINK TOGETHER』をリリース予定と、精力的に新作を発表し続けている彼女たちが、東名阪対バンツアー”冬のCHAIまつり“を敢行した。
初日の梅田クアトロ公演には注目度急上昇中の4人組“エキゾチックロックバンド”=NEEを、名古屋クアトロ公演には新星シンガーソングライター/トラックメイカー=Momを迎えての公演が大盛況のうちに終了し、1/17(月)には東京Spotify O-EASTにて、ゲストにシンガー・ソングライター=iriを迎えたツアー・ファイナルが行われた。同公演の速報ライブレポートが到着。
以下ライブレポート
CHAIの東名阪ツアー「冬のCHAIまつり 2022」。最終日の東京Spotify O-EASTではゲストにiriが登場。生ドラムと生ベースを入れたバンド編成によるR&Bと、持ち前のクールな歌声で、客席を最初から虜にしていた。 iriがバンド編成ならCHAIもバンド編成。そう書くと、メンバーが固定の位置にスタンバイし、ひとつの楽器を黙々と演奏する様子を思い浮かべる人は多いと思う。ビートルズで言うならジョンとポールがそれぞれ顔で、ジョージとリンゴが縁の下の力持ち。そんな役割分担も含めてバンドだという概念は、今なお強いはずだから。
新作『WINK』以降のCHAIはそのあたりが相当自由である。始まりの「NO MORE CAKE」はドラムの前にユナ、それ以外の3人はフロントで動き回る3MCスタイル。2曲目の「ACTION」ではユナも前列に加わり、4人はダンスグルーブさながらのキレある動きを見せる。中盤の「Nobody Knows We Are Fun」はR&Bに寄せた音と吐息がなんともエロティック。さらに後半の「PING PONG!feat. YMCK」になるとマナ・カナが歌唱とダンス担当、後ろのDJブースでユナとユウキがキッチュな電子音を鳴らしているのだ。
小気味いいほど自在なフォーメーション。それでも4人が「バンド」に見えているのが一番の驚きだった。曲が格好よければ、気持ちよく踊れるなら、それに合わせて個々のやることを変えるのが当然。冒頭に書いた「バンド」の概念が、そもそも彼女たちには希薄なのかもしれない。役割分担を先に決めちゃうと自分のポジションやキャラまで縛られちゃうよ? と言わんばかりの笑顔。曲ごとの同期や移動が忙しくなったのは事実だが、ピリピリした緊張はまったくなかった。いや、4人とも、羨ましいくらい楽しそうだ。これは間違いなく、理想のバンドの条件のひとつである。
アンコールでは2月から北米ツアーに行くことも発表された。刺激を食らい、そのぶんだけ大きくなって、またCHAIは変化するだろう。視覚・聴覚的にも完成度の高いエンタメではあったが、最終形だとはまったく思わない。これができるならもっと可能性が増えていく。そんな予感しかないステージだった。
(文=石井恵梨子)
いよいよ2月4日からは13公演にわたる北米ヘッドライン・ツアーをスタートさせ、2月17日からはMitskiの北米ツアー16公演のサポート・アクトとしての出演も決定しているCHAI。2022年も彼女たちの動向から目が離せない。
<プロフィール>
●マナ(Key・Vo)、カナ(Gt・Vo)、ユウキ(Ba・Vo)、ユナ(Dr・Vo)によるバンド
●2015 年1st EP『ほったらかシリーズ』を発表。収録曲「ぎゃらんぶー」が『Spotify』のUK チャートTOP50 にランクイン
●2016年には2nd EP『ほめごろシリーズ』をリリースし、iTunes Alternative ランキングでTOP10 を記録。収録曲「sayonara complex」のMV を公開すると、各所から絶賛&称賛の嵐となり、数々の著名アーティストも大プッシュ
●2017年にはFUJI ROCK FESTIVAL “ROOKIE A GO-GO” に登場し、前代未聞の超満員で観られない人が続出。21 世紀衝撃度No.1 アーティストとして注目を集める
●2017年10月に1stアルバム「PINK」をリリース、iTunes Alternative ランキング2 位にランクイン、第10回CD ショップ大賞2018 入賞など、各所より高い評価を得る
●2018年にアメリカ、イギリスの名門インディーレーベルからデビュー。同年にはFUJI ROCK FESTIVAL含む約40本のフェスに出演
●2019年リリースの2nd AL「PUNK」はPitchforkを中心に数多くの海外音楽サイトで軒並み高い評価を得る。同年8月にはSUMMER SONIC FESTIVALに初出演
●2020年10月、USインディー名門レーベル<SUB POP>との契約を発表
●2021年5月、3rdアルバム『WINK』を発表。コロナ禍でこれまでとは全く異なる方法での制作に挑み、サウンド的にも新たな境地を開拓した作品として、国内外で高い評価を得る
●2021年8月、FUJI ROCK FESTIVALへ出演
●これまでスーパーオーガニズム、マック・デ・マルコを含む数多くの世界的に話題のバンドのサポートアクトとして抜擢される一方、自身も4度のワールドツアーも成功に収める。Primavera Sound Festival、Pitchfork Festival、SXSWなどの大型海外フェスへも多数出演
●2022年2月、コラボレーションEP『WINK TOGETHER』リリース決定
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