オリジナル・メンバーで完全復活
クーラ・シェイカー、7年ぶりとなる来日公演ツアーが2月13日(月)の東京公演を皮切りにスタート!
クーラ・シェイカー、7年ぶりとなる来日公演ツアーが2月13日(月)の東京公演を皮切りにスタート!
2023/02/15
写真:古溪 一道
昨年のサマーソニック2022で圧倒的ライヴ・パフォーマンスを披露したのも記憶に新しいUKロック・レジェンド=クーラ・シェイカーが単独としては7年ぶりとなる来日公演ツアーを2月13日(月)の東京公演を皮切りにスタートさせた。最新アルバム『ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス』を引っ提げての本ツアーでは、バンドのオリジナル・メンバーであり、かつてはオアシスのサポート・メンバーも務めたキーボーディストのジェイ・ダーリントンが再びメンバーとしてカムバックを果たし、ファンにとっては歓喜のサプライズとなった。実に24年ぶりにオリジナル体制で臨んだ昨晩の東京公演は、新旧の楽曲を織り交ぜた素晴らしいライヴとなり、大盛況の内に幕を閉じた。そんな熱狂冷めやらぬ本公演のライヴ・レポートをお届けする。
昨年のサマーソニックで圧巻のステージを見せてくれたクーラ・シェイカーが約半年ぶりに再来日! ソールドアウトとなった初日の恵比寿ガーデンホール公演を観た。 昨年は6年ぶりにニュー・アルバム『1st Congregational Church of Eternal Love and Free Hugs』(2022)をリリースし、現役バンドとしての着実な歩みをまた一歩進めた彼ら。しかも年末にはキーボードのジェイ・ダーリントンが復帰し、今回はクリスピアン・ミルズ(Vo&G)、アロンザ・べヴァン(G)、ポール・ウィンターハート(Dr)、ジェイ(Key)とデビュー・アルバム『K』(1996)時点でのオリジナル・メンバーが揃ったメモリアルな来日だ。
つまり、現在のクーラ・シェイカーはバンドの原点回帰と現在進行形が理想的なかたちで絡み合った状態にあり、それは必殺のオープニング“Hey Dude”の時点で明らかだった。懐かしの名曲の埃やくすみを一瞬で払い落とすシャープなギターと、阿吽の呼吸で畳み掛けるリズム隊、まるで最新鋭のエンジンを搭載したスポーツカーでヴィンテージなグルーヴを乗りこなすようなプレイだ。「今日は日本ツアーの初日、記念すべき2023年の初ライヴだよ」とクリスピアンも言っていたが、確かにクーラ・シェイカーの新たな始まりを強烈に感じさせるショーの幕開けだったのだ。
大聖堂のステンドグラスを思わせる背景のビジュアルは曲によって万華鏡のように変化し、様々なシンボルを浮かび上がらせていく。キリスト教からヒンズー教、仏教、神秘主義、宇宙への探究心……etc.、クーラ・シェイカーのサイケデリック・サウンドの根底を流れる彼らの多面的なスピリチュアリティを象徴するビジュアル・イメージだ。インドの民族衣装クルタを纏い、25年前から全く変わらないフォルムをキープしたクリスピアンの佇まいもまた、彼らのぶっ飛んだ精神性の化身だ。中盤から後半にかけては、しなやかな鞭のようなワウギターとホンキートンクなオルガンが誘うまさにサイケデリックの饗宴で、特に“Into Deep”は文字通りこの日最もディープな瞬間、自分のインナースペースの最深部に到達するような体験となった。
嬉しいことに新曲も多数披露され、彼らが既に『1st Congregational Church of Eternal Love and Free Hugs』の次のフェーズへと向かっていることが伺えた。「日本のファンへの手紙のような曲」と紹介された“Waves”はカラフルでウォーミーなサイケポップで、「東京」や「大阪」が散りばめられた歌詞がクーラ・シェイカーと日本のファンの確かな絆を感じさせるひとときだった。ジョン・レノンの“Gimme Some Truth”やザ・プロディジーの“Narayan”のカバー、ハッピー・マンデーズのインサートなど後半はバラエティ豊かなセットで楽しませてくれる。
そこから“Tattva”のコール&レスポンス、“Hush”の大合唱、そして“Govinda”の陶酔と祝祭へと至るフィナーレも完璧!懐メロの感慨を追い越していく彼らとファンの熱狂が冷めぬ中、早くも次の来日に、クーラ・シェイカーのこれからに期待してしまう幕切れだった。
粉川しの
<セットリスト>
INTRO – HEY DUDE
SOUND OF DRUMS
I’M AGASINT IT
INFINITE SUN
GASLIGHT
TEMPLE OF EVERLASTING LIGHT
GREATUFUL WHEN YOU’RE DEAD
JERRY WAS THERE
GIMME SOME TRUTH
GINGERBRED MAN
BEAUTIFUL DREAMER
INTO THE DEEP
WAVES
TAXES
NARAYANA
303
TATTVA
HUSH
GOKULA
GOVINDA
東京公演セトリ・プレイリスト
https://smji.lnk.to/KulaShakerTokyoSetlist
【来日公演ツアー情報】
■愛知
2023年 2月14日(火) 名古屋クラブクアトロ
OPEN 18:00/ START 19:00
■大阪
2023年 2月15日(水) 梅田クラブクアトロ
OPEN 18:00/ START 19:00
制作・招聘:クリエイティブマンプロダクション
詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/kula-shaker2023/
【リリース情報】
Kula Shaker | クーラ・シェイカー
6thアルバム 『1st Congregational Church Of Eternal Love And Free Hugs | ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス』
<国内盤CD>
発売中(2022年6月15日)
[国内盤特典]
・日本盤のみのボーナス・トラック収録
・クリスピアン(vo,g)による各曲解説付
・高品質Blu-specCD2仕様
●SICX-30142 ●2,750円(税込) ●歌詞・対訳・解説付き
トラックリスト
01. Intro(“Dearly Beloved”)/イントロ(“ディアリー・ビラヴド”)
02. Whatever It Is (I’m Against It)/ホワットエヴァ―・イット・イズ(アイム・アゲンスト・イット)
03. Hometown/ホームタウン
04. Burning Down/バーニング・ダウン
05. Love in Separation/ラヴ・イン・セパレーション
06. Segue(“Let Us Pray”)/セグエ(“レット・アス・プレイ”)
07. Gingerbread Man/ジンジャーブレッド・マン
08. Farewell Beautiful Dreamer/フェアウェル・ビューティフル・ドリーマー
09. Where Have All The Brave Knights Gone?/ホウェア・ハヴ・オール・ザ・ブレイヴ・ナイツ・ゴーン?
10. Segue(“Raining Buckets”)/セグエ(“レイニング・バケッツ”)
11. 108 Ways to Leave Your Narcissist/108・ウェイズ・トゥ・リーヴ・ユア・ナルシスト
12. After The Fall (Part 1)/アフター・ザ・フォール(パート・1)
13. Don’t Forsake Me/ドント・フォーセイク・ミー
14. 303 Revisited/303・リヴィジテッド
15. The Once & Future King/ザ・ワンス・アンド・フューチャー・キング
16. Shattered Bones/シャタード・ボーンズ
17. After The Fall (Parts 2 & 3)/アフター・ザ・フォール(パーツ・2&3)
18. Closing Words(“Windows Of Our Hearts”)/クロージング・ワーズ(“ウィンドウズ・オブ・アワー・ハーツ”)
19. Bumblebee/バンブルビー
20. Coda(“Cinema Club”)/コーダ(“シネマ・クラブ”)
21. Maha Mantra/マハ・マントラ*
*日本盤ボーナス・トラック
<配信アルバム>
配信中
購入/試聴リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/CCELFH
【クーラ・シェイカー: プロフィール】
https://www.sonymusic.co.jp/artist/KulaShaker/profile/
●クーラ・シェイカーはクリスピアン・ミルズ(vo/g), アロンザ・ベヴァン(b), ポール・ウィンターハート(ds), ハリー・ブロードベント(organ/key)の4人から成るイギリス出身のロック・バンド。バンド名は9世紀インド皇帝の名前から。
●1996年、デビュー作『K』がUKチャート1位に輝き、当時「オアシス以来のデビュー・アルバム最速売上」を記録、イギリスでプラチナ(30万枚)、日本でもプラチナ(25万枚)のセールスに。同年、初来日を果たす。
●1999年、2ndアルバム『ペザンツ、ピッグス&アストロノウツ』をリリース直後に一旦解散するも2006年に再結成。同年夏のフジロック・フェスティバル来日時は入場規制がかかるほど熱狂的に迎えられた。
●2007年、8年振りとなる3rdアルバム『ストレンジフォーク』をリリース。夏には再びフジロック07(メインステージ)の出演も果たす。
●2008年、単独ジャパン・ツアーを行い、全公演ソールドアウトと日本での根強い人気を証明した。
●2010年、4thアルバム『ピルグリムス・プログレス』をリリース。フジロック10(メインステージ)にも出演した。
●2016年、衝撃のデビュー作から20年、結成から10年を迎えるという記念すべき年に5thアルバム『K2.0』をリリース。
●2022年、6thアルバム『ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス』をリリース。
【関連リンク】
●ソニー・ミュージックによる公式サイト:
https://www.sonymusic.co.jp/artist/KulaShaker/
●海外公式サイト:
https://www.kulashaker.co.uk/
●クーラ・シェイカー公式フェイスブック:
https://ja-jp.facebook.com/kulashaker
●クーラ・シェイカー公式ツイッター:
https://twitter.com/kulashaker
●クーラ・シェイカー公式インスタグラム:
https://www.instagram.com/kulashakerofficial/?hl=ja
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