スキマスイッチとその楽曲を通じて見えたオーガスタファミリーの絆
『Augusta Camp 2023 〜SUKIMASWITCH 20th Anniversary〜』終了!
『Augusta Camp 2023 〜SUKIMASWITCH 20th Anniversary〜』終了!
2023/09/25
音楽事務所オフィスオーガスタに所属する豪華アーティストが一同に会して贈る『Augusta Camp』。今年は『Augusta Camp 2023〜SUKIMASWITCH 20th Anniversary〜』というタイトルのもと、スキマスイッチのデビュー20周年を祝う思いが全編に込められた公演となった。
会場となった横浜赤レンガパークには、出演アーティストが考案したオリジナルフード&ドリンクを楽しむことのできる「オーガスタ食堂」が開店。コロナの期間を経て、今年から声出しも解禁されるなど、ようやく完全復活となり、活気が満ち溢れていた。
オープニングアクトには、お昼の人気情報バラエティ番組『ヒルナンデス!』からMCの南原清隆率いる「ヒルナンデス!バンド」がスキマスイッチの20周年、そしてオーガスタキャンプ開催を祝福しに駆けつけ、2曲の演奏で会場を盛り上げてくれた。
開演時刻になり、ステージ正面の大型LEDに、スキマスイッチのライブ名場面が次々映し出されると、楽屋前でスタンバイするスキマスイッチに画面が切り替わる。出演アーティストやスタッフに見送られステージに登場する様子がリアルタイムでオーディエンスに伝えられ、そのまま1曲目「全力少年」を披露し、「オーガスタキャンプ、始まるよ!」と大橋卓弥が宣言していよいよスタート。
全体が3部構成になっていた今年のオーガスタキャンプ。1部は各出演アーティストがスキマスイッチ楽曲のカバーと自身の曲をパフォーマンスするというもの。トップバッターは松室政哉。全国ツアーにオープニングアクトとして帯同したこともある彼がチョイスしたのは「LINE」。次に登場したさかいゆうは「正真正銘スキマとの出会いの曲」という「螺旋」という具合に、スキマスイッチへの愛が詰まった選曲でお祝いムードを高めていく。
元ちとせは最新アルバムからの1曲「暁の鐘」に続いてスキマスイッチの2人をステージに呼び込むと、「無理やり奪い取った曲(笑)」と言って自身の作品としてもリリースしている「雫」を披露した。
長澤知之は楽曲に込められた想いや情景を慈しむように「風がめくるページ」を歌い、COILの岡本定義はスキマスイッチが福耳の4枚目のシングルとして書き下ろした「惑星タイマー」を、そしてドラマーのあらきゆうこは長澤知之をギターに、さらに大橋をドラムに呼び込むと全編英語詞のオリジナル楽曲「Fate」、さらに長澤と2人でスキマスイッチの「君に告げる」をパフォーマンスした。
「カラオケで一番歌うスキマの歌」だという「飲みに来ないか」を披露した浜端ヨウヘイに続いて杏子が登場。「The Black Knight」では総立ちになったオーディエンスとコール&レスポンスを決めると、山崎まさよし(ブルースハープ)と松室政哉(コーラス)を呼び込み「キレイだ」をカバーした。この曲の「歌詞がたまらなく好き」という杏子は、「最高に女冥利に尽きる曲なので、今日ここにいる極上の女子に向けて!」と演奏の前にオーディエンスに呼び掛けて盛り上げた。
1部の最後に登場したのは竹原ピストル。実はスキマスイッチとかつて竹原がメンバーとして活動していた2人組フォークバンド・野狐禅はオフィスオーガスタでの同期にあたる。スキマカバーの「東京」、そして自身の楽曲「Forever Young」と同期だからこその想いに溢れたパフォーマンスだった。
2部はスキマスイッチとのコラボレーション・ステージ。「オーキャンと言えばコラボ」と大橋がステージから言ったように、毎年オーガスタキャンプでは予想もつかないコラボレーションが行われるのが恒例となっている。
まずはCOIL・岡本定義とスキマスイッチで披露したのは、岡本がスキマスイッチをプロデュースし、福耳の結成とCOILデビュー20周年を記念するアルバムに収録された「雨天決行」。続いて大橋がステージを捌け、常田が呼び込んだのは元ちとせ。「やっとこの日がやってまいりました。しんた君が書いてくれた曲だけど今まで一度も一緒にやれる機会がなかった」(元ちとせ)と、2008年にリリースした「蛍星」の、ライブ初セッションが実現した。さらに常田がプロデュースした「カスミソウ」を長澤知之と一緒にパフォーマンス。長澤の圧巻の歌声は、彼と入れ替わりで出てきた大橋が「めちゃくちゃ良かった」と賞賛するほどだった。
山崎まさよし、岡本定義による伝説のユニット「さだまさよし」に大橋卓弥が加わって、岡本命名による「大岡山」が結成された。披露した楽曲はCOILの「ラヴィン・フルーツフル〜恋する果実~」。こちらも贅沢なコラボレーションとなった。
スペシャルゲストのしまじろうと披露したのは、毎週土曜日に放送中のテレビ番組『しまじろうのわお!』のために書き下ろした楽曲「コトバリズム」。会場のちびっ子も大いに盛り上がった。
杏子を中心に山崎まさよし、岡本定義、元ちとせ、秦 基博が揃ってスキマスイッチとコラボしたのは福耳の「八月の夢」。オフィスオーガスタの曲とも言えるこの曲がオーキャン完全復活となったこの日の会場に響き渡った。最後はオールキャストが勢揃いしてスキマスイッチの新曲「アニバースデー」を歌って2部のコラボ・ステージが終了した。
3部は、秦 基博、山崎まさよし、スキマスイッチ、それぞれのステージ。「ひまわりの約束」から始まった秦 基博は3曲目でスキマスイッチを呼び込むと、大橋が秦をタクシーに先に乗せて見送ってくれた時に、窓越しに2人で手を繋いで別れを惜しんだ、というエピソードを披露。「めっちゃロマンチックだな(笑)」と大橋が言えば、「遠距離恋愛のカップルか(笑)」と常田がつっ込む。「というシーンが思い浮かんでこの曲を選曲しました」という秦の前振りで披露されたのは「Revival」。ドラマ『おっさんずラブ』の主題歌だ。これにはスキマスイッチの2人もオーディエンスも「なるほど!」。スキマスイッチの2人を送り出したあとは、3月にリリースしたアルバム『Paint like a Child』から「Life is Art!」と「イカロス」を披露。「ひとつ言い忘れてた。スキマの2人が大好きです!」とステージを後にした。
山崎まさよしのパートには、ゲストギタリスト・佐橋佳幸が全編にわたってオンステージ。。「アドレナリン」「真夜中のBoon Boon」の次にスキマスイッチの楽曲「されど愛しき人生」を一緒に演奏した。「その前にやった「真夜中のBoon Boon」もサラリーマンの歌で、行き詰まってバッティングセンターに行くっていう内容なんだけど、そういう意味ではこの曲(「されど愛しき人生」)と共通していますよね、歌の世界がね」と山崎が言ったのが印象的だった。ラストは新曲でロードソングの「世界の果てまでありがとう」の軽快なグルーヴが会場を駆け抜けた。
今年のオーガスタキャンプのトリを飾るのはもちろんスキマスイッチ。1曲目はデビュー曲「view」。そして「ユリーカ」と続き、3曲目はデビューからの20年のキャリアで初めて外部のプロデューサーである亀田誠治を起用して生まれ変わった「藍 〜僕たちの色彩〜」。そして、ここまで出演したアーティストたちから祝福を受けてきたスキマスイッチからサプライズで、「カバー返し」として、全出演アーティストの楽曲をメドレーで披露「ワダツミの木」(元ちとせ)、「俺のアディダス〜人としての志〜」(竹原ピストル)、「Fat Mama」(山崎まさよし)など全11曲を17分の長尺で魅せた。
「忘れられない1日になりました。素敵な先輩とデビューした頃にはいなかった後輩たち、たくさんの最高のスタッフ、そして何より僕たちの音楽を受け取ってくれた皆さんがいたからこの日があるんだと思います」と大橋が告げ、「奏(かなで)」を横浜の夜空に響かせて、本編が終了した。
アンコールはオールキャストでの「全力少年」、そしてもちろん福耳の「星のかけらを探しに行こう Again」で来年への想いをつないだ。スキマスイッチ楽曲を通じて、オフィスオーガスタとそこに集うアーティスト、そしてファミリーであるファンが紡いできた物語を感じられた2023年のオーガスタキャンプだった。
Text:谷岡正浩
Photo:岩佐篤樹/ATSUKI IWASA/古賀恒雄/TSUNEO KOGA
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