デビュー24年目

小柳ゆき、「カミナヅキの音楽会」と題して東京・大阪の2カ所でライブを開催!

小柳ゆき、「カミナヅキの音楽会」と題して東京・大阪の2カ所でライブを開催!

2023/10/24

デビュー24年目の小柳ゆき、圧巻の歌唱力を見せつけた「カミナヅキの音楽会」

 

デビュー24年目の小柳ゆき、圧巻の歌唱力を見せつけた「カミナヅキの音楽会」

 

デビュー24年目の小柳ゆき、圧巻の歌唱力を見せつけた「カミナヅキの音楽会」

 

デビュー24年目の小柳ゆき、圧巻の歌唱力を見せつけた「カミナヅキの音楽会」

 

小柳ゆきが「カミナヅキの音楽会」と題して東京・大阪の2カ所でライブを開催した。
 
2カ所目の東京公演は10月21日(土)大手町の日経ホール。「神無月」とは旧暦の10月をさす和風月名だ。日本各地の八百万(やおよろず)の神が、この月に出雲に集まり、各地の神様が留守になるなど諸説あるが、「神の月」ということで神様を祀る月、つまり祭りの月であり、祭りには音楽が付き物。その月にコンサートを催すのは何か特別な意味を感じさせてくれる。2019年に事務所を独立させ新しい音楽人生を歩み出して5年が経とうとする小柳ゆき。彼女がファンと共に音楽を楽しむ喜びを神様に感謝する意味も込められているようだ。
 
ロビーには、定番のTシャツなどに加え、タイトルからインスパイアされたカミナヅキウッドスプーン、カミナヅキ木箸など職人が手作りで作った「和」のテイストに溢れた限定グッズが並べられ、開演前から会場の雰囲気を盛り上げている。
 
満員の会場の照明が落ちると、荘厳な和楽器と秋の虫の音のSEがスタート。暗闇の中からバックライトに照らされて、まるで巫女のように登場した小柳ゆきが歌い出すのは「GIFT~新たなる歴史(キオク)~」。世界を舞台に活躍する和楽器ユニット「AUN J クラシック・オーケストラ」の曲に小柳ゆきが歌詞を付け、2021年に発表した楽曲だ。先祖代々受け継いできている文化や思いを、また次の世代にしっかり繋いで行きたいという願いが込められた曲だ。赤、橙、緑と展開する照明の中、ステージ上に並べられた秋をテーマにしたススキなどのフラワーアレンジメントが浮かび上がる。幻想的な音と照明が、八十万の神の世の深い森の中に迷い込んだような錯覚に誘い出してくれる。
 
続いてピアノのイントロに導かれて披露されたのは、オリコン1位を獲得した2000年発表のアルバム「EXPANTION」から「Legend of my love」。そのまま続いて、同じく2000年の5thシングル「be alive」。これもオリコン最高位1位で誰もが知る名曲だが、今日の舞台演出の中ではまた新鮮に響く。
 
バンド編成は、ベース&バンマス 鳥越啓介、ドラムス 髭白 健、キーボード 扇谷研人、キーボード&マニュピレート 佐久間 薫の4名。充実したバンドの演奏と小柳の圧倒的な歌唱力にグイと手を引かれ、いきなり音のシャワーの中に身を浸す感覚だ。小柳の衣装はまるで古代の神話に出てくるような緑と金色を基調にしたドレス。両手を広げると蝶のように広がる袖下が美しい。
 
「今日のこの時間、この場所を選んでくださってありがとうございます。個人的な話ですが、最近は神話とか古代の話にとても惹かれています。神無月はお祭りの月。毎年この季節にライブをやってきましたが、今回は敢えてこういうタイトルをつけてみました。このライブでいろんな感情をたくさん爆発させて、お祭り騒ぎができたらいいなと思います。このテンションで最後まで突っ走りましょう」と小柳は語った。
 
そして、「この季節にぴったりの曲です。夏の思い出と共に2曲続けて聴いてください」と2007年のアルバム「Type」から「溝」と2002年のアルバム「buddy」から「君がいた夏」を披露した。
 
MCを挟んで披露したのは、今年のデビュー記念日の9月15日に配信スタートした新曲「BREAK THROUGH」。ここまでの秋の物悲しい雰囲気から一変して、闇を切り裂くドラマチックな展開のナンバー。小柳ゆき本人が作詞・作曲を担当し、バンマスでありベースの鳥越啓介と練り上げて作った曲だ。「壁、突破するけど、お前らついてこれっか?」と敢えてお茶目な強引さで客席を煽り、演奏はスタートした。困難な現実に正面から対峙し一歩を踏み出していくという強い意志が込められた歌詞が、オレンジ色が激しく点滅する照明の中、力強いビートとダイナミックなオーケストレーションで迫り来る。
 
続くのは、2022年のカバーアルバム「RARE TASTY」からTVアニメ「呪術廻戦」の主題歌でEveが歌った「廻廻奇譚」。イントロの激しいピアノに先導され爆発する激しい16ビート。マシンガンのような圧倒的なボーカルに打たれる快感はここだけのものだ。
 
そして、水色と白の照明が爽やかに煌めく中、2007年のアルバム「SUNRISE」から「One in a million」がスタート。演奏される楽曲の世界観はまるでジェットコースターに乗っているように展開する。「鮮やかな 奇跡起こす 自信がある 信じてみない?」という小柳ゆきの誘いに観客の両手のウエーブが答えるように揺れる。
 
続いて雰囲気はガラッと変わり、テーブルライト1個だけの夜の部屋のような照明の中、ステージの縁に腰掛けた小柳。自身も幼い頃からこの曲を聴くといつも漠然とした怖さの中で不思議な感覚になったという谷山浩子のカバー「まっくら森の歌」。深く響くウッドベースの旋律が暗闇の中でトーチのように小柳のボーカルを先導する。1985年が初出のNHK「みんなのうた」の人気曲だ。
 
静かに立ち上がった小柳が披露したのは、2001年に発表された10thシングル「remain~心の鍵」。ここからステージはドラマチックに覚醒してノンストップのラストスパートに一気に突入。「ついてこいよ!」と煽った小柳が歌い始めたのは2001年の8thシングル曲「DEEP DEEP」。激しいサンバのリズムでステージの温度は急上昇する。そして続く2000年の4thシングル曲「愛情」で一気に客席は総立ちに。しなやかな筋肉を備えた美しい野獣のような小柳のボーカルに、客席で無数のサイリウムと掌が嵐のように揺れた。
 
そして本編の最後はなんと美空ひばりの「お祭りマンボ」。会場の熱はさらに上がって「ワッショイ、ワッショイ」の大合唱。荘厳な神の国から始まったコンサートが最後は皆んなのお祭りに拡大していく様が見事だ。
 
アンコールの拍手でステージに再び登場した小柳は、「ネットによってたくさんの情報に触れることが多くなりました。いいこともありますが、よくない情報にも触れてしまいます。そういった中で自分を防衛していくことも大切になってくると思います。大切な人と一緒に過ごすことが一層必要になってきています。今この時間もとっても大切なものです。一緒に歌ってください」と客席に語りかけた。歌い始めたのは、2008年のシングル「we can go anywhere」のカップリング「天球儀」。「大切な時の中を 君と行こう」という歌詞の中に、目の前のファンと未来に向けて手を取り合って行こうという強いメッセージを感じた。
 
そして最後は、記念すべき1999年のデビュー曲「あなたのキスを数えましょう~You were mine~」。約四半世紀たってもさらに進化する小柳ゆきの歌声。会場全体が感動の中に静かに身を浸し、ステージの幕が降りた。本人が去ったステージ上からはオープニングの時と同じ秋の虫の音が静かに聞こえていた。
 
約120分、太古の神の代から昭和そしてデビュー年の1999年、更に現在まで、小柳ゆきが操縦するタイムマシーンに乗って一緒に時間旅行をしたような充足感が会場を満たしていた。
 
今年は、12月23日(土)に東京・イイノホールで開催される「Xmas Live at Candle Night 2023」など、まだまだライブが予定されている。
 
来年はいよいよデビュー25周年。更に羽を広げて歌い続ける小柳ゆきの活躍が楽しみだ。
 
 
■10/21 東京公演セットリスト
M1 GIFT~新たなる歴史(キオク)~
M2 Legend of my love
M3 be alive
M4 溝
M5 君がいた夏
M6 BREAK THROUGH  
M7 廻廻奇譚  
M8 One in a million
M9 まっくら森の歌
M10 remain~心の鍵
M11 DEEP DEEP
M12 愛情
M13 お祭りマンボ
ENCORE
M14  天球儀
M15 あなたのキスを数えましょう~You were mine~
 
写真:矢部志保

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