iPhoneやタブレットで高音質なマイクレコーディングをしたい人必見!
【徹底レビュー】Shure MOTIVシリーズ「MV88」&「MV51」活用テク
【徹底レビュー】Shure MOTIVシリーズ「MV88」&「MV51」活用テク
2016/03/31
Shureの「MOTIVシリーズ」は、iOS端末やパソコンと組み合わせて、手軽に高音質なレコーディングが行なえるマイクロホンです。ここでは、そんな中から「MV88」と「MV51」の2機種をピックアップ。それぞれの特徴を詳しくレポートしてみたいと思います。なお、記事の後半にはエンジニアの間瀬氏に、録音時のセッティングについてもアドバイスを頂きました。そちらも参考にしながらレコーディングを行なってみてください!
文:平沢栄司/写真:小貝和夫
曲のアイディアをスケッチしたり、即興や弾き語りに最適な「MV88」
「MV88」は、iOS端末のLightningコネクターに接続するタイプのステレオ・マイクです。無料のレコーディングアプリ「ShurePlus MOTIV」をインストールすれば、iOS端末を高性能なデジタル・レコーダー(24bit/48kHzリニアPCM対応)として活用でき、録音操作などもアプリから直接タッチ操作で行なえます。
マイクはミッドサイド構成の2つのマイクロホンカプセル(※詳しくは右の欄外を参照)を採用し、位相の整ったクリアなステレオ・サウンドが特徴です。なお、「ShurePlus MOTIV」の設定画面では、広角のステレオからモノラルまで指向特性が選択できる他、左右チャンネルの入れ換えなども行なえます。バンド、ソロ楽器の演奏、ボーカル録音はもちろん、小さなMV88はiPhoneと一緒に持ち歩いても邪魔にならないので、出先で思い付いた曲のアイディアをスケッチしたり、即興や弾き語りの演奏を空気感込みで録音したいといった場面でも活躍するでしょう。
無料アプリ「ShurePlus MOTIV」を活用すると、「MV88」での録音操作やマイクゲインの調整、指向性のタイプや広さなどを設定することができます
さらに、「MV88」は、マイクの首の角度を最大90度まで変更できる他、マイクの首を回して回転させることも可能です。様々なシチュエーションに合わせたマイキングが行なえます。
マイクの首のは90度まで動かせる
マイクの首を回すことも可能だ
各パートの演奏や歌声をガッツリとレコーディングしたい人向けの「MOTIV MV51」
「MV51」は、高品位なコンデンサ・マイクとオーディオ・インターフェイスを一体化した製品で、iOS端末やパソコンとケーブル接続することでスタジオ品質のマイク録り環境が得られます。このMV51は、iPadに「GARAGE BAND」など音楽アプリを組み合わせて各パートの演奏や歌声をガッツリとレコーディングするような製作の用途に適しているでしょう。金属製の筐体は適度な重量感で安定感があり背面にはキックスタンドが付いているため、ギターなどを録るときは机の上に置いて使えるので便利です。
また、スタンド先端を外せばマイクスタンドに固定できるので、ボーカル録りでは通常のマイクと同じようなセッティングも可能です。本体にタッチ式の操作パネルが用意され、手元でマイクの録音レベルやモニター用のヘッドホンのレベルがワンタッチで調整できる点も見逃せません。こちらもMV88と同様にDSPを内蔵し、スピーチ、歌声、アコースティック楽器、バンド、フラットの5つのプリセットモードを選ぶだけで、各対象に最適化されたサウンドで収録することができます。
「MV51」は写真のようにマイクスタンドにつなぐこともできる。ボーカルレコーディング用のマイクとして、口元に近づけることも簡単だ
「MV51」における音量調整は、無料アプリ「ShurePlus MOTIV」でも可能だが、「MV51」本体から直接設定することもできる
●エンジニアが解説! MOTIVシリーズを上手に活用する方法
解説:間瀬哲史
MOTIV MV88 編
──歌とギターを一発録りするときのポイントは?
間瀬:部屋の空気感も一緒に録るなら少し離れたところに置いた方がいいですね。あとは設置場所の高さやマイクの角度で、口元とギターのどちらを狙うか調整します。ステレオ幅の設定を広げ過ぎると存在感のない音になるので、90度くらいで設定すると歌もギターもいい感じのアンビ感で録れると思います。理想はiPhoneをホルダーに取り付けて、マイクスタンドを使って上から狙うといいと思います。これだと、歌がメインでギターがちょっと後ろってバランスになります。この場合、30cmくらい離れたところから鼻のあたりを狙ってください。
──ギターのみ、ボーカルのみを録る場合は?
間瀬:ギター単独ならば、ステレオ幅を90度よりも狭くした方がいいと思います。それで、低音を重視するならホールの方を、そうでなければもう少し指板寄りを狙うといいでしょう。歌だけを録るなら、モノラルに切り換えた方が芯がある声で録れます。あと、オプションのウィンドウスクリーンを使えばフカレとか気にせずにいけますから、口元近くに設置しても大丈夫です。
ギター単独でのマイクセッティングの例。こちらはホールよりの設定だ
オプションのウィンドウスクリーンを使えば口元近くのレコーディングや野外での録音も行なえる
MOTIV MV51編
──ギターを録るときのセッティングは?
間瀬:MV51は、キックスタンドがあるからセッティングしやすいですね。ギターから少し離して机の上に置いたら、マイクがホールの方を向くように角度を調整してください。このくらいの距離があれば、厳密に角度を合わせなくても大丈夫です。
──ボーカルを録るときのセッティングは?
間瀬:歌を録るときはマイクスタンドを使った方がいいですね。普通のマイクと同じように扱うことができます。ギターのときよりもマイクとの距離は近めで、口元の近くを狙ってください。
MV51はキックスタンドを使って自立させることが可能
ボーカル録音には通常のマイクスタンドに接続するのがおすすめだ
【注目アプリ紹介】90秒で自分の歌や演奏をアピールできる「nana」
音楽コミュニティアプリ「nana」は、スマホひとつで、いつでも、どこでも、誰とでも「音楽を奏で合える」サービスで、カラオケ/合唱/バンドセッションといった音遊びが手軽に楽しめます。2012年11月にリリースされ、現在の登録ユーザー数は180万人を超え、毎日5万曲以上が投稿されている大人気アプリです。このページで紹介したMOTIVシリーズ「MV88」や「MV51」を利用して、自分の歌や演奏をアップしてみてはいかがでしょうか!?
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