ハシシとnicecreamによる新世代ヒップホップクルー
電波少女『パラノイア』インタビュー
電波少女『パラノイア』インタビュー
2016/05/09
ラップ担当のハシシとダンスパフォーマンス担当のnicecreamによるヒップホップクルー「電波少女(でんぱがーる)」。彼らはインターネット動画投稿サイトから火がつき、そのメロディアスかつキャッチーな楽曲で勢いを加速している、今注目の2人組だ。ここでは、5月11日にリリースされるNEW EP『パラノイア』の話を中心に、彼らが目指す世界観や音楽について聞いてみた。リリック作り、曲作り、レコーディングをマルチにこなすハシシと、それを支えるnicecream。ぜひともチェックしておきたい次世代アーティストだ!
取材:東 徹夜
『パラノイヤ』ってつぶやいたら、“ナイス君、ヤではなくてパラノイアだよ”って言われた(笑)。
──今回のアルバムは、どのようなコンセプトで作られたのですか?
ハシシ:どちらかというと、作りながらコンセプトを固めていったというか。作って行く途中で何曲かボツにした曲もあったのですが、最終的には、反骨精神とか自分の内面的な部分を歌ったものが残ることが多かったと思います。けど、ちょっといいづらいこととか、自分の中で間違っているのはわかっているけど言いたいこともあって。だから、“被害妄想”という保険をかけて、タイトルを『パラノイア』にしました。
──というと、始めからアルバムのタイトルは『パラノイア』だったということですか?
ハシシ:いえ、7曲中3曲くらいできた時に思い付きました。ちょうど「EPのタイトルどうしよう〜?」って思っていたときに浮かんできたんです。
──そのタイトルを相談されたときにnicecreamさんはどのように思われましたか?
nicecream:あ、えーと。僕は発売の告知で初めて知りました(笑)。
ハシシ:告知された日に、タイトルはこうなりましたって聞いたんだよね。
nicecream:そう。それで、僕は『パラノイヤ』ってつぶやいていたら、マネージャーさんから“ナイス君、ヤではなくてパラノイアだよ”って言われて(笑)。意味を考える暇とかも特になくて。それでリリースって感じです(笑)。
──では、ハシシさん。始めの方に制作した3曲というのは具体的には?
ハシシ:まず、一番最初にできたのは5曲目の「Mis(ter)understand」です。この曲は仮タイトルが「勘違い」で、ちょっと陽気な感じとか、勘違いしている自分の自信みたいなものを表現しています。
──普段、曲作りはどのような流れで行なうのですか?
ハシシ:基本的には自分とメルハウスという制作チームで作るんですが、5曲目に関しては、まず始めに自分がノリたいビートやイメージを伝えて、それを膨らませていった感じです。具体的に言うと、僕が伝えた内容をもとにリズムや上モノがメルハウスから届くんですね。そこへ自分でメロディーや歌詞などを加えていきます。それを繰り返して行きます。
──5曲目の「Mis(ter)understand」の中で、特に力を入れた部分と言えば?
ハシシ:やっぱり、リリックですね。ちゃんと意味を理解して欲しかったので、前後の言葉などにも気をつけて。リリックとしては「君にガバガバなSNSから」とか「届かない空めがけ 両手(←つばさ笑)を広げろ」とかが目立つかもしれないですが、自分としては3番の歌詞の複雑な感情を汲み取って欲しくて。ふざけてるけど、軽く絶望しているというか。そのために作られた1番、2番の歌詞だったりもします。なので、この部分をわかってほしいというか、わかってくれた人とは友達になれそうかなって(笑)。
──歌詞は時間をかけて書く方ですか? それともサッと書いちゃうのですか?
ハシシ:テーマが決まるとすぐに書ける方だと思います。モヤモヤした状態だと遅いですけど。
──nicecreamさんは、5曲目にはどんな印象を持たれていますか?
nicecream:ライブでやることが決まったときに初めて聴いたんですけど、今までの曲と比べるとキャッチーさやポップさが強めで。さっきの「ガバガバなSNSから」とかは面白い言い回しだなと思いましたね。
──なるほど。では、5曲目の次に作られた曲というのは?
ハシシ:次は「COMPLEX」だったと思います。3曲目の「RY」も同じ頃だったかな。
──「RY」はフィーチャリングがJinmenusagiさんですよね。Jinmenusagiさんとの付き合いは長いのですか?
ハシシ:そうですね。もともと、ネットのコミュニティーで知り合ったんですが、今回のアルバムで呼ぶとしたらウサギくんと4曲目で参加してもらったニハシくんかなぁと思って。
──「RY」では、Jinmenusagiさんとはどのようなやり取りを? 例えば、歌詞などは?
ハシシ:基本的にそれぞれが歌う箇所を担当してます。サビに関しては自分が書いています。ウサギくんやニハシくんとは普段から遊ぶので、その延長線上という感じなのですが、AメロやBメロにあたるバースやサビのフックを渡して、それをもとに共作していきます。
──歌詞をお互いに書いて行くわけですよね?
ハシシ:そうです。なので空気を読み合うという感じですね。先に書いた方に合わせたり、行き過ぎてないよなって確認したり。もちろん、脳みそが2つ以上あるので、多少はズレも出て来たり。でもその辺は諦めてます(笑)。というのも、文化的にそこまで作り込むってこともないんですよね。
関連する記事
2019/03/28
2019/02/22
2018/09/01
2018/06/03
2017/09/20
2017/02/01
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01