自宅だと、とことん気に入るまでできますし。曲のレコーディングはベッドの上でやってます。

──この曲は歌詞で言うとどの辺りから手を付けたのですか？

ハシシ：サビの「One day,I need,I want you」の辺りからですね。そして、頭から順番に作って行きました。ただ、この曲に関しては歌詞の母音とかの縛りは外して。ギタリストの人とも相談しながら、メロディーに合わせて書きました。

──なるほど。では、曲が出来た後のレコーディングはどのように行なったのですか？

ハシシ：自宅で録ります。

──それは、デモではなく、本チャンという意味ですか？

ハシシ：はい。ベッドの上で録ります。

──すごいですね。それは驚きです。

ハシシ：タバコ吸いながら録ってます（笑）。

──どこかのスタジオで録っているとばかり思ってました。

ハシシ：それも前にやったんですけど、俺の場合、下手になるんですよ。緊張したり、さらけ出せないというか。自宅だと、とことん気に入るまでできますし。俺の録り方ってかなり特殊で、ボーカロイドに近いというか、2拍ごとにパンチインしていくこともありますし。ひどいときは、裏声を一音だけ録ったりもします。

──DAWソフトは何を使われているのですか？

ハシシ：Cubaseです。で、Cubaseのサンプルエディターでピッチを変えたり、補正なども行なっています。

──ちなみに、マイクは何を使われているのですか？

ハシシ：Baby Bottleです。

──録音したものは最終的にミックスまでされるのですか？

ハシシ：いいえ。ミックスの手前までを自分が担当して、最終的なミックスはエンジニアさんにお願いしています。

──わかりました。いずれにしても、ベッドの上で録っているとは驚きでした。では、その他のアルバム収録曲「拝啓」と「追伸」について教えてください。

ハシシ：1曲目の「拝啓」と最後7曲目の「追伸」が、アルバムの中ではイントロとアウトロという位置付けで、最初はちょっと声が入っている程度でもいいかなと思っていたんです。というのも今回のEPはもともとは5曲の予定だったんで。でも、僕は作品を作るときにどうしてもストーリー感を出すためにイントロとアウトロが欲しくなる傾向があって。そんなことをスタッフの人にも話していたら、EPの告知では7曲入りってなってて。よく考えてみたら「俺は5曲プラスアルファの7曲だと思っているけど、それを知らない人は7曲のつもりで実質5曲しか入ってなかったら…」。なので、みんなをガッカリさせないためにも、急いで歌詞を書いて仕上げました。

──個人的には1曲目の「拝啓」は、電波少女を象徴するようなタッチの曲だなと思いましたが。

ハシシ：はい。テーマソングっぽい感じですかね。

──そうですね。では、あらためて今回のアルバムの聴き所を教えてください。

nicecream：もちろん、全曲なんですが、さっき言ったように「被害妄想（パラノイア）」の中に共感する部分がいっぱいあると思いますし、ヒップホップとはいえ、他にはない抑揚だったりわかりやすいメロディーもありますから。なので、ヒップホップ好き以外というか、色んな人に聴いてもらいたいですね。

──5月22日にはclubasiaでリリースパーティーも予定されていますよね。

ハシシ：バンドあり、ちょっと毛並みの違うラップありという3組の出演なので、うまく融合できればいいなと思っています。来た人たちがどのアーティストのファンであっても全部が楽しめるようにしたいですね。というか、俺らが主催なので、他の人たちはやる気ないと思うんで（笑）、俺らは頑張ります！

──最後に、これだけは言っておきたいということがあればどうぞ。

ハシシ：色んな意味で、色んな人に楽しんでもらえる作品作りを目指しています。「あぁ〜、こういう人たちもいるんだな」って思ってもらえるような存在になりたいですね。

nicecream：名前も電波少女で、見た目もこんなんですけど、中身のいっぱい詰まった音楽を作りたいと思ってます。食わず嫌いせずにぜひ聴いてみてください。