ケーブル不要でソフト音源やDAWを直感的にコントロール!!
【解説動画付き】KORG「nanoKEY Studio」&「nanoKONTROL Studio」徹底レビュー
【解説動画付き】KORG「nanoKEY Studio」&「nanoKONTROL Studio」徹底レビュー
2016/06/15
人気のMIDIコントローラKORG nanoシリーズに「nanoKEY Studio」と「nanoKONTROL Studio」の2機種が新登場しました。「薄い/軽い/小さい」というシリーズ共通の特徴を受け継ぎつつ、1台に複数の機能が凝縮され、ノブやスライダー、ボタンの操作性を高めた、まさに “Studio” の名にふさわしいハイ・スペックモデルとなっています。そして、最大の特徴が「Bluetoothによるワイヤレス接続」に対応した点です。邪魔なケーブルから解放され、デスクトップからモバイルまで様々なシチュエーションで快適に使うことができます(USBによる接続も可能)。ここでは、そんな2製品の魅力を、動画を交えながら詳しくご紹介しましょう!
文:平沢栄司
鍵盤+パッド+ノブを1台に凝縮した「nanoKEY Studio」
●注目ポイント1:パッと鳴らして音色チェック、和音の打ち込みにも便利!
パソコンやタブレットを使った音楽制作にキーボードを導入すると、音色を選ぶときにパッと鳴らせるので試聴がスムーズにでき、打ち込みのときには音程の指定や和音の入力が容易なので作業効率がアップします。こういった用途では、本格的なキーボードよりも手元に置いて邪魔にならない「nanoKEY Studio」のような小型軽量かつワイヤレスなモデルが重宝されます。定評のあるボタン式キーボードは想像するよりも弾きやすく、オクターブ切り替えやトランスポーズの機能により、2オクターブ以上の音域にもフレキシブルに対応できます。
「Octave +/-」で±4オクターブのレンジを切り替えたり、「Shift/Tap」を併用すれば上下1オクターブの範囲で半音単位のトランスポーズも可能だ。また、「Sustain」を押している間はキーボードから指を離しても押したままの状態になるので、和音の音を1つずつ重ねながら弾くこともできる
「Pitch/Mod」がONのとき、中央の「タッチ・パッド」は滑らかに音程を上下させる「ピッチベンド(X軸)」やビブラートなどの効果を加える「モジュレーション(Y軸)」として機能する
●注目ポイント2:1本指で即興演奏も可能なタッチ・パッド
「タッチ・パッド」には、ベンド&モジュレーションの「Pitch/Mod」、スケールが演奏できる「Touch Scale」、そして、X軸/Y軸で2つのMIDI情報を同時にコントロールできる「X-Y」の3つのモードが用意されている
キーボード以外の演奏機能が多いのも「nanoKEY Studio」の魅力の1つ。例えば、中央の「タッチ・パッド」には、パッド上で指を滑らすことにより音階(スケール)が演奏できる「タッチ・スケール」機能が用意されています。スケールの選択肢は15種類あり、トランスポーズを併用すれば任意のキーで演奏することが可能です。例えば、ブルース・スケールを選択してリズミカルにパッドの上で指を滑らせれば、ロック・キーボード的なカッコいいソロ・フレーズが奏でられます。
「Shift/Tap」を押しながらトリガー・パッドの「Scale +/-」を押してスケールを選択する。メジャー/マイナーの各種スケール、ブルース・スケールやペンタトニック、琉球風や中華風など15種類があり、選んだスケールは鍵盤のバックライトで確認できる
「Scale Guide」をONにすると、スケールの音に対応した鍵盤のバックライトが点灯する。選択したスケールの音が目視できるので、キーボードを弾く際のスケールのガイドとしても活用できる
●注目ポイント3:鍵盤が苦手な人でも演奏できる機能を用意
右上の「トリガー・パッド」は、指でドラム音源を叩いて鳴らしたり、効果音やフレーズ素材をポン出しするスイッチとして便利に使えます。しかし、それだけでは終わりません。「コード・パッド」に切り替えると、選択しているスケール/キーに応じた和音がパッドで鳴らせるので、鍵盤でメロディやベースを弾きながらパッドでコード(伴奏)を弾くといったことが可能になります。また、「イージー・スケール」機能を使うと、キーボードの黒鍵でパッドと同じ和音、白鍵でスケールに沿ったメロディが演奏できるので、それぞれの鍵盤を1本指で弾くだけで、音を外さずにキーボード・プレイが楽しめます。
タッチの強弱にも対応した8つの「トリガー・パッド」は、指で叩いてドラム音源を鳴らすような用途に向いている。キーボードよりも叩いた時の感触が心地よいのも特徴だ
「Chord Pad」をONにすると、設定しているスケール/キーに沿った和音をパッドで演奏できる。その隣の「Easy Scale」をONにすると、キーボードの黒鍵でパッドと同じ和音が、白鍵盤ではスケール/キーに沿ったフレーズが弾けるようになる
●注目ポイント4:ライブ・パフォーマンスで使いたいアルペジエーター&ノブ
押さえたコードを分散和音で演奏する「アルペジエーター」も内蔵されています。オクターブのレンジが選択できるアップ/ダウンやランダムなどの分散パターンに加えて和音のままリズムを刻むパターンもあるので、打ち込み不要で様々な演奏パターンをリアルタイムで鳴らせます。一方、左上にある8つのノブではMIDIのコントロール情報を送ることができるため、各ノブにフィルターなどのシンセ・パラメーターを割り当てて操作すれば、アルペジエーターで演奏しているパターンの音色を刻々と変化させることも可能です。EDMのトラックやDJプレイで聴くような動きのあるシンセ・サウンドが、ソフト音源でも手軽に再現できます。
「Shift/Tap」と「トリガー・パッド」でアルペジオのタイプやオクターブのレンジ、和音を刻むリズムパターンを選択する。また、「Shift/Tap」を一定間隔で連打することでテンポの設定が可能だ
シンセの音作りやリアルタイムの音色コントロールに便利な8つのノブ。任意のパラメーターが割り当てられるので、DAWのミキサー・コントロールにも応用できる
DAWをリモコン感覚で操作できる「nanoKONTROL Studio」
●注目ポイント1:著名なDAWソフトのコントローラーとしてすぐに使える!
「Cubase」の場合は、「Scene」と「Marker Set」を押しながら電源を入れればいい。あとは、DAW側のコントローラの設定で「Mackie Control」を選択し、MIDI入出力に「nanoKONTROL Studio」を設定すれば準備完了だ
「nanoKONTROL Studio」でまず注目したいのが、電源を投入する際にSceneボタンと一緒に押すボタンによって著名なDAWソフトのミキサー・コントロールに一発で対応できる点です(「Cubase」、「Pro Tools」、「Live」、「GarageBand」、「Logic」、「Digital Performer」、「SONAR」、「Studio One」で使用可能)。1回設定してしまえば、以後はそのDAW用のコントローラーとして機能するので面倒がありません。また、任意のパラメーターを割り当てるモードも用意されているので、未対応のDAWで使用したり、汎用のMIDIコントローラーとしても活用できます。
●注目ポイント2:フェーダーの同時操作やリアルタイムのバランス調整もかんたん
小型のMTRやミキサーのような見た目なので、DAWソフトをハードウェア感覚で直感的に操作できるのが最大の魅力です。また、複数のフェーダーの同時に動かしたり、曲を聞きながら各パートのバランスをリアルタイムで微調整していくなど、マウス操作やタッチ操作では難しいミックスにも対応できます。
パネル左側には、再生/停止などのトランスポート系のボタンとジョグ・ホイールが並ぶ
パネル右側には、8チャンネル分のフェーダー&パン、Mute/Soloなどのボタンが並ぶ
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