北欧フィンランドで制作を行なった、“爽やかで切ない” 6thシングル
塩ノ谷早耶香「SMILEY DAYS」インタビュー
塩ノ谷早耶香「SMILEY DAYS」インタビュー
2016/06/20
友達と話してる時に、バラードを歌うようにしっとりとは喋らないじゃないですか(笑)。
──では、作詞で最も苦労したポイントはどこですか?
塩ノ谷:これまで私が作詞を担当した曲はバラードが多くて、歌詞の内容も綺麗な感じというか、幻想的で、ちょっと抽象的な、それこそカップリングの「奇跡」に近い雰囲気のものが多かったんです。だけど、今回は “素直な笑顔” つまり素の自分を表現するということで、ホントに友達と喋っているかのような言葉づかいの歌詞に挑戦したんです。だから、その言葉たちを歌詞としてまとめるのにすごく苦労しました。
──これまでの作詞とは大きくギャップがあったのですね。
塩ノ谷:そうなんですよ(笑)。これまでの曲の歌詞も、確かに自分自身から出てきた言葉ではあるんですが、それは音楽に向き合う “アーティストとしての塩ノ谷早耶香” というフィルターを通して出てきた自分だったと思うんです。だから、“日常の塩ノ谷早耶香” を歌詞に投影するっていうのは本当に難しかったですね。
──ボーカルもこれまで以上に明るいトーンで歌われているように感じますが、これは意図的なものなのでしょうか?
塩ノ谷:それはかなり意識しました。やっぱり友達と話してる時に、バラードを歌うようにしっとりとは喋らないじゃないですか(笑)。
──作詞も歌い方も、素の自分を出したということですが、そうしようと思ったきっかけはあるのですか?
塩ノ谷:私はデビュー前から「誰かのそばに寄り添える歌が歌いたい」っていう目標があるんですよ。今まではそのために歌詞に込めるテーマやメッセージを真剣に考えて、考え抜いたことを歌にして表現してきたつもりなんです。だけど、今回はそういった部分もありつつ、素の自分を表現することで、聴いて下さる方に「塩ノ谷早耶香っていう人間が存在している」ってことをより強く感じてもらいたいと思っているんです。だから、きっかけというよりは、同じ目標を、また新たなアプローチで実現しようとしているという感じですね。
この土地で私が感じた “切なさ” をフィーチャーした曲になっています。
──では、2曲目の「I WISH」について伺います。こちらはイギリスのシンガーソングライター Gabrielle(ガブリエル)のカバー曲ですが、この曲を選んだのはなぜですか?

塩ノ谷:元々、私は幼稚園の頃から高校を卒業して上京するまでジャズダンスをやっていたんですよ。その影響で音楽、特に洋楽を “踊れるか踊れないか” っていう判断基準だけで聴いていたんです。でも、上京してシンガーになろうとしていた時期に、「音楽をもっと聴いて、自分が好きな音楽がどんなものなのかを見極めた方がいい」ってアドバイスをいただいて、それから初めて “歌う” ことを意識しながら洋楽を聴きはじめたんです。
──ダンサーとしてではなくシンガーとして音楽を聴きはじめたのですね。
塩ノ谷:はい。そうしてまずお気に入りとして見つけたのがJeff Bernat(ジェフ・バーナット)っていうR&Bシンガーで、その人が好きだっていう話をしていたら「じゃあ90年代のR&Bを聴いてみたら?」って薦められて、色々聴いてみたんです。その中で私が「歌いたい!」って強く思ったのがこの「I WISH」だったんです。
──そう思った理由は何だったのでしょうか?
塩ノ谷:私、英語はそこまで得意ではないんですけど、この曲は聴いただけで、歌詞や音楽が伝えようとしているメッセージが理解できたんです。そうした体験は初めてだったのですごく印象に残っていて、今回カバーさせていただきました。
──続いて、3曲目の「奇跡」ですが、この曲にはどんな想いを込められたのでしょうか?
塩ノ谷:せっかくフィンランドで作るということで、この土地で私が感じた “切なさ” をフィーチャーした曲になっています。ただ、単なる “切なさ” だけではなく、その裏に“優しさ” や “暖かさ” が感じ取れる曲になるよう作っていきました。
──この曲を一緒に作ったチームメンバーはどなたですか?
塩ノ谷:フィンランドの作曲家Mikko Tamminen(ミッコ・タンミネン)さんがトラックメーカーで、韓国のシンガー/作曲家のAndrew Choi(アンドリュー・チョ)さんが私と一緒にトップライナーをやってくれました。
──作曲はどのような流れで行なわれたのでしょうか?
塩ノ谷:「奇跡」は「SMILEY DAYS」とはまた違った流れで作ったんです。まず私が2人に “切なさ” というテーマを伝えた後に、Andrewさんが元になったメロディを提案してくれて、そこに私が「こう歌いたい」っていう意見を言いながら最終的なメロディを形作っていきました。そうして完成したメロディに合わせてMikkoさんにバックトラックを作ってもらうっていう流れでしたね。
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