オーディオライター岩井 喬がお届けする連載コラム

岩井 喬 “今、注目のオーディオアイテム”パイオニアDJ「HRM-7」

岩井 喬 “今、注目のオーディオアイテム”パイオニアDJ「HRM-7」

2016/06/30


ギターやピアノの弾き語り、レコーディングなど、様々な用途や目的に応じてチョイスしたいオーディオ製品。このコーナーでは、今知っておきたい注目のアイテムを、各種オーディオ製品の監修やレビュー を行なう岩井 喬(イワイタカシ)さんに聞いてみた。ヘッドホンやイヤホン選びで失敗したくない人は、ぜひともチェックしてほしい!
 

「岩井先生、DTMのモニター用に複数のヘッドホンを揃えたいと思ってます。オススメなモデルをいくつか教えてください!」

岩井:本格的ですね! では、数回に分けて著名ブランドの手ごろなモニターヘッドホンをご紹介していきましょう。今回はパイオニアDJブランドから発売されている「HRM-7」を取り上げます。
 

■「HRM-7」

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価格:オープンプライス
市場予想価格:税込¥19,000前後

岩井:“パイオニア”のブランドを冠したヘッドホンの中でも“パイオニアDJ”のラインナップはDJやスタジオモニタリングを想定した音作りを行っています。「HRM-7」はスタジオモニターとしての性格を持ったモデルで、ヘッドバンドはモニターヘッドホンとしては少数派のフリーアジャスト方式を採用。予め調整する手間も省けるクイックな装着性が使い勝手の良さに繋がっています。この機構によるところも大きいのですが、折り畳みには対応しておらず、完全に屋内で使うことを想定した大柄なボディであることが他とは違う個性といえるでしょう。

新開発のΦ40mm・HDドライバーユニットを搭載してマスターやハイレゾ音源への対応も万全です。ハウジングは外側にアルミ材を配して不要共振を抑え、中高域のクリアなサウンドに結びつける3層制振構造を取り入れたほか、低域のレスポンス向上と高い遮音性を実現するバスレフ・デュアルチャンバーを導入。また広がりある音場形成に効果のある高反発素材と快適な装着性を実現する低反発素材を組み合わせた、ハイブリッドクッションを採用するベロア素材イヤーパッドによって、肌触りも良く、密閉型ながら自然な広がりを持つ空間性も実現しています。

なお、このイヤーパッドは交換用にもう1組同梱されるうえ、着脱式のケーブルもカールコードタイプとストレートタイプの2種類が同梱されているのがツールとして嬉しいポイントですね。高域にかけてハリ出しの良い明瞭なサウンドで、艶やかさを抑えたニュートラル基調のバランスが特長。低域はダンピング良く引き締めた控えめな量感で、音像はスマートかつフォーカス良く定位。質感はドライな表現ですが、空間の広がりや余韻の表現など、素直に音場を描くのでリヴァーブ調整の際も頼りがいがありそうです。ピアノやスネアなど、高音系アタックはやや硬質ですが、密度感も自然で聴きやすいバランスを持っているので、オーディオリスニング用としても十分活用できるでしょう。

 

■パイオニアDJ「HRM-7」のサウンド傾向

【SPEC】
・形式:密閉型ダイナミックステレオヘッドホン
・再生周波数帯域: 5~40 kHz
・インピーダンス:45 Ω
・出力音圧レベル:97 dB
・最大入力:2,000 mW(JEITA)
・ドライバー:φ40 mmダイナミック型
・イヤーバッド:ベロア素材、着脱式
・接続コード(2本)
片出し1.2 mカールコード(伸長時3.0 m) OFCリッツ線
片出し3.0 mストレートコードOFCリッツ線
・プラグ:φ3.5 mm ステレオミニプラグ
・質量:330 g (コード含まず)
・付属品
φ6.3 mmステレオ標準プラグアダプター
(金メッキ、ネジ式)、交換用ベロアイヤーパッド

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