──「ママのママのママのママ」は、NHK「みんなのうた」にも取り上げられていますね。

あんにゅ：はい、「みんなのうた」はギターを持ってシンガーソングライターをやり始めたときからの目標のひとつだったので、お話をいただいたときはすごく嬉しかったです。

──この曲にはどんな思いが込められているのでしょうか？

あんにゅ： “どんな曲を作ろうかな？” と考えていた頃に、祖母の何回忌かで写真を整理する機会があったんです。そのときに私が感じたことをそのまま歌詞にしました。

──放送をご覧になっていかがでしたか？

あんにゅ：正座しながら見ていたんですが（笑）、自分の作った曲に映像を付けていただけるのはホントに嬉しいですね。曲がはじまる前の紹介で “ママのママのママのママ” ってアナウンスされた時はもう、鳥肌が立ちました。それに親戚や友達から “見たよ！”ってたくさん連絡がもらえたのも嬉しかったです。

──お二人それぞれが、今回のアルバムで一番気に入っている曲はどれでしょうか？

小幡：いろいろあるんですが、僕は「未来」ですね。リアレンジにあたってライブでのテンポを再現しようと実際のライブの演奏からBPMをはかったり、レコーディングでもセッションミュージシャンの方も多く迎えて、かなり力を入れて今回制作したので。

──インディーズ時代のアレンジと比べてどうですか？

小幡：やっぱり “成長したなぁ” と思います（笑）。バンドは一発録りをさせてもらって、ストリングスアレンジも自分で楽譜を書いて。そういう意味ですごく達成感があったし、自分の音楽人生の中でもこのレコーディングは感動的な出来事でした。

──あんにゅさんはどうでしょう？

あんにゅ：やっぱり私もこのアルバムで一曲選ぶなら「未来」ですね。最初期のデモではすべて私の作詞作曲だったんですが、小幡さんから “サビをもっと前向きな歌詞に変えよう” という提案があり、 “覚悟ならできてるんだ” と歌う曲になったんです。でも、その時点ではまだ私自身に迷いがあって、この曲が伝える “覚悟” を表現しきれていなくて。

──再レコーディングでその“覚悟” もしっかりと込められたと？

あんにゅ：はい、今回はどんと構えて歌えました（笑）。コアラモード．の “今” と “これから” を象徴している仕上がりになったと思います。
 

──お二人がそれぞれに対して、結成当初から比べてどんなところが変わったと思いますか？

あんにゅ：それはたくさんありますね。やっぱり全然違いますよね？

小幡：違いますね。僕があんにゅに対して思うのは、 “無駄な力が入らなくなってきたな” ということかな。レコーディングでは緊張感を保ちつつもリラックスして歌えてたり、ライブ中のMCでは決め込んだ台本を必死で話すこともなく、目の前のお客さんと語りあうように喋れたり。気負いのなさを感じますね。

あんにゅ：そうしないともう、苦しくて（笑）。

──あんにゅさんから見た小幡さんはどうですか？

あんにゅ：小幡さんは今、 “超成長期” だと思っています。

小幡：成長期？（笑）

あんにゅ：この間、初めて私が小幡さんにアレンジをお願いした音源を久しぶりに聴いたんですが、やっぱり全然違うんですよ。アレンジのレベルがものすごく上がってる。それに、小幡さんはレコーディングやライブで一緒に演奏してくださる方への譜面も書いているのですが、それもすごい速さで一日に何枚も仕上げていくんです。結成当時は譜面を書けなかったので、その姿は衝撃的でした。

小幡： “書けなかった” は語弊があるけどね（笑）。

あんにゅ：あと、いろんな人とコミニュケーションをとってきたので、ディレクションするときでも相手の方との接し方がすごく感じが良くなったと思います（笑）。そういう部分ではお互い力が抜けてきたんじゃないかなと。

──では、3月後半からは全国ツアーも始まりますが、最後にこれからの活動の意気込みを聞かせてください。

小幡：『COALAMODE.』という、自分たちの名前を冠したアルバムも出ますし、さらにツアーのタイトルは「THIS IS COALAMODE.!!」ですからね。それに恥じない良いライブにしたいです。そして今年はデビューから3年目ということで、一皮も二皮も剥けたところをお見せするためにもっともっと良い曲を届けて、応援してくださる皆さんに恩返しをしたいと思っています。

あんにゅ：「THIS IS COALAMODE.!!」はこれまでで最大規模のツアーで、ホール公演も入っています。小幡さんが言われるようにタイトル通り “これが今の私達です！” というライブにしたい気持ちと共に、今回はちょっと覇気を出して、 “かっこいいコアラモード．” も見せていきたいと思っています。皆さん、2017年もよろしくお願いします！