LANCE（MC＆VOCAL）

──まず、今作は２枚組のベストアルバムとなっていますが、収録曲はどのようにして決められたのですか？

LANCE：これまでリリースしたシングルをすべて収録しています。それとネットやSNS、ファンからの手紙を参考にしました。別にアンケートを募ったわけではないのですが、自然と「これ聴きたい」や「ライブではこの曲は歌わないんですか」といった声が届いて。結構その意見をもとにピックアップしたりもしました。それと、2枚目の16曲目「まだ止まれない」はライブではずっと歌っていたんですが、これまでリリースするタイミングがなくて今回CDに初めて収録することにしました。シングル曲ばかりなので並べてみるとバランスを取るのが難しかったです。

──メンバー皆さんで考えられたのですか？

LANCE：紙に曲名をバーっと書いて、それをハサミで切って箱に入れて。

MAKKI：まさにドラフト会議です。これは本当にやりました。

LANCE：「では、まず１位から…」って言ってね。

──面白そうですね。

LANCE：その方法でひと通り順番決めた後に「これは無いだろ」ってとこは変えて。

MAKKI：そうなんです。トレードしました（笑）。

──野球に絡めた決め方なのですね。

MAKKI：さすがに33曲の曲順をいきなり決めるのも難しいので。なのでドラフト会議、つまりクジで決めました。

──その中でも一番悩んだという部分はありましたか？

LANCE：それはもう、Disc1の9曲目「湾怒羅不斗 ～不屈の特攻隊長～」ですね。

MAKKI：エッジが効いてるからね（笑）。

LANCE：どの曲の間に入れてもハマらなくて。この曲は前々回のアルバム『ALL FOR ONE』に収録されていて、スマホゲーム「暴走列伝 単車の虎」のイメージソングなんです。他の曲は青春や恋愛をテーマにしているのに、これだけ「不幸に走った」みたいな。

──確かに聴いてみると他の曲とは雰囲気がガラッと変わっていますよね。

LANCE：そうなんですよ。通常のアルバムの場合、色々なこだわりを入れつつバランスを考えながら曲順を決めるんです。今回はほぼシングル曲なので「あぁベストアルバムを出すとこうなるのか」と曲順を決める難しさに気付かされて。最初「え、無理でしょ」ってお手上げ状態でした。

──その中でメンバーそれぞれでこだわった部分は？

RYO：「スゲーこだわった」というよりも、1枚目がアガる曲、2枚目はバラードみたいに偏らないよう心掛けはしました。それぐらいかな。

MAKKI：一番最後の「アンコール」はね。

RYO：そうだ、この曲を最後にするのは決まってました。

MAKKI：それからクジ引き、トレードと（笑）。

──他のアルバムではドラフト会議はされるのですか？

LANCE：さすがにやらないです（笑）。

──先ほど、ファンの方からの声を参考にしたということでしたが、意外だなと感じた曲はありましたか？

LANCE：ビックリしたのが「会いたい夜 feat. Macheri」で。Macheriという女性シンガーとのフューチャリング曲で、結構前にリリースされたアルバムに収録されているんです。シングル曲でもないんですけど、ライブで披露するってなると彼女とのスケジュールも関係してくるので、最近は披露していなくて。ただ、この曲を聴きたいって声が増えていて、調べてみたらネット配信で有名な子が生放送中にこの曲を流してくれていたそうで。そこで「あれは誰の曲なんですか？」と問い合わせが多かったそうなんです。その後、山口でやったインストアライブで、僕ら目的で来たわけではない人が急に立ち止まって、ずっと見てくれていたんです。イベントが終わってもずっと見ていて、正直「何だろうな？」と不思議に思っていたら「“会いたい夜” ってMacheriさんと歌っている曲ですよね？」って。その人に聞いてみたら、その配信で聴いたということを知ったんです。

RYO：僕らの他の曲はまったく知らなかったんですけど（笑）。

MAKKI：僕らの知らないところでこの曲の知名度が上がっていたんです。

LANCE：スゴくうれしかった反面、僕らのプロモーション力よりも、その配信している子の力が強かったという現実は複雑でした（笑）。ただ、今カラオケのランキングで2位なったりと驚かされました。