目には涙。
アルスマグナ、二度目の武道館を『私立九瓏ノ主学園 平成28年度 全国生徒決起集会』で華々しく飾る!
アルスマグナ、二度目の武道館を『私立九瓏ノ主学園 平成28年度 全国生徒決起集会』で華々しく飾る!
2017/03/29
カメラマン:NAITO
たびたび訪れる冬の寒さと、はちきれそうなほど蕾を膨らます桜の開花とがせめぎ合う季節、3月28日。2.5次元コスプレダンスユニット、アルスマグナが昨年1月3日以来、二度目の日本武道館を行なった。タイトルに『私立九瓏ノ主学園 平成28年度 全国生徒決起集会』を掲げているとおり、彼らが日常を送っている私立九瓏ノ主学園にまつわる関係者が続々と出演する、アルスワールドの総決算イベントだ。
ライブは目覚まし時計のアラームが鳴るところからスタート。九瓏ケント先生、泉奏、榊原タツキ、朴ウィトが登校準備をし、それぞれの朝が始まる。……神主アキラは布団と一緒にパジャマ姿で姿を現す。そう、寝坊したのだ。これまであまり見かけることがなかった4人の女教師や学生たちのダンスで登校シーンが表現されると、神生アキラがようやく学校に到着。当然、朝礼は始まっており、そ〜っと列の中に入るや否や、先頭にいた泉奏に膝カックン! 追いかける泉、逃げ回るアキラ。オープニングから大賑わい! すると、いきなりアルスマグナの代名詞でもある高速ダンスを「ボカロメドレー」で見せつけ、プラス、榊原タツキ×九瓏ケント、榊原タツキ×泉奏が唇を近づける悩殺パフォーマンスなどで、武道館の熱気を一気に押し上げた。そして、この日は九瓏ケントの母である九瓏愛学園長が登壇して「あなたらしく輝いてください」と、生徒たちにメッセージを贈った。
ステージは早くもソロコーナーへ。遅刻してしょんぼりしている神生アキラのところへアルスロイド(神生アキラのボーカロイド)がやってきて、リズム×ラップ×早口対決が始まる。もちろんアルスロイドはバーチャルキャラクターのため、ステージ上のアキラはすぐ横にアルスロイドがいるかのように振る舞う。それをスクリーン上で見ると、2人が違和感なくやりとりしている、というわけだ。これぞ2.5次元コラボ。会場から圧倒的な歓声を浴びたのは、泉奏とその兄、泉弦(アコースティック・インストゥルメンタル・ユニット「TSUKEMEN」リーダーのTAIRIKU)」が姿を現したとき。アルスマグナに席を置く泉奏に「ダンスを辞めろ。さもなくば、お前が作ったこの曲で覚悟を見せてみろ」と厳しく告げる泉弦。弦がバイオリンを手にとったのは、昨年上演されたアルスマグナの舞台『鏡の中のAuftakt』で泉奏がピアノで弾いていたオリジナル曲「Blue Rose」だ。
兄のバイオリン演奏を背に覚悟のダンスを踊ってみせる奏。彼に応戦すべくアルスメンバーが加わると、奏のダンスは激しさを増していく。そんな彼を見て、とうとう弦は「自分の居場所を見つけたんだな」と、奏を認めた。シリアスな雰囲気はガラッと変わり、今度はスペシャル海外アーティスト・ゲストとして韓国のスーパースター(という設定)のパクドルが、弟のHEROを連れて武道館に駆けつけ、「Perfect Match feat.HERO」のポップかつ生き生きとしたパフォーマンスと、ひょうきんなMCでオーディエンスの目を惹きつけていた。華やかさでいえば榊原家の演出も負けていない。カラフルなメイドたちを引き連れて「夢路香りて宴と為す」のメルヘンな世界が展開されていくと、曲中でタツキがぬいぐるみのコンスタンティンに魔法をかけた。するとウサギだった彼は少年の姿に! あまりにも可愛らしい宴の風景に癒やされていると、客席のLEDライトがすべて消えて辺りは暗闇に。場面は九瓏家に移り、九瓏ケントに従事する執事8人との重々しいパフォーマンス「NAzNA(なずな)」が始まった。暗がりに炊かれた炎の中で踊る九瓏ケントの表情はどこか狂気に満ちている気がした。
こんな重厚感に満ちた空気感を継承すべく、今度はアルスマグナ5人一緒にステージに姿を見せ、鬼気迫る迫力の殺陣を披露して「ミロク乃ハナ」のプロローグを演出。声を出せぬまま観客は息を呑んで舞台を見ている。さらに曲中では桜吹雪が舞い、身震いがするほど美しい和の世界に観る者すべてを引き込み、心を揺らした。
百花繚乱なステージを見せるアルスマグナを応援すべく、ビッグなゲストがステージに上がった。アニソン歌手としてお馴染みのきただにひろしが、喜多渓ヒロヤ(ダニー)としてTVアニメ『ONE PIECE』主題歌の「ウィーゴー!」を、アルスマグナと競演したのだ! あまりの盛り上がりに九瓏ケントは思わず「よし決めた。先生は海賊王になる(笑)!」。観客も一緒になって興奮を歓声に表している。そしてもう一つサプライズが。この武道館公演の翌日発売のニューシングル「絆ストーリー」を本邦初披露したのだ。新しい生活を迎える人を応援する優しいメッセージが、力強くて心弾むポップチューンに乗って運ばれてきて、あぁ、春はもうすぐそこなんだなと感じさせる。
アルスメイトを含む全校生徒参加型の「ボクはつづく」「High Five〜Type A.R.S.〜」、アンコールの「サンバDEわっしょい!」「スターメイト」まで約2時間。その間、夏から全国ツアーが、秋には体育祭も開催されることが発表されるなど、一瞬も目と耳を離す隙がない、大充実のライブだった。こんなステージを創り上げるには、並大抵の精神力ではこなせないだろう。しかも二度目とはいえ、日本武道館だ。「たちゅき(タツキ)、先生、アキラ、ウィタっち、泉。みんないっぱい頑張って練習してたね。おで(俺)、見てたよ。武道館に連れて来てくれてアリガトだど!」というコンスタンティンの言葉があまりにも感動的で、目に涙を溜めながら言葉を紡ぐメンバーもいた。
「みんな、ありがとう〜!! こうして二度目の武道館に立てていることが、本当に夢のようです。みなさんの声援や笑顔が新しいことに挑戦する僕らの背中を押してくださっています。これからのアルスマグナが前に進むには、みんなが横にいないとダメです。絶対に離れないでくださいね!」(榊原タツキ)
「昨年ここで初めてライブをして、たくさんのメイトさんがいて、僕らは感動して涙しました。そして今日、またここに来られたことを本当に嬉しく思います。約、この1年間。つらかったことや苦しかったこと、楽しかったこと、いろいろなことがありました。でも、その1年間を経てみなさんに今日、思いきり楽しんでもらうために想いを詰めて、時を刻むように、このステージにぶつけました」(朴ウィト)
「ダンス部に入って、アルスマグナに入って、僕の人生は180度変わりました。“幸せだな”と感じたときは、いつもメンバーやメイトのみなさんの存在があります。俺の周りにはたくさんの喜びをくれる人たちがたくさんいて、俺が俺でいられるのはメンバーやメイトのみなさんがいるからだなと改めて感じました。今日は生きていてよかったな、って思いました。感謝の気持ちを込めてこれからもメンバーと、メイトのみなさんと過ごしていくつもりでいますので、末永くよろしくお願いします」(泉奏)
「これで終わりかもしれないけど、これが新たなスタートです。今日みんなと過ごしたこの時間は、みんなにとって、そしてアルスマグナにとって大きな一歩になる、大きなスタートダッシュを切れる、本当に最高の1日だなと思いました! どこにいようと、アルスマグナと出会って、同じ時間を過ごした瞬間に生まれた輪は絶対に切れません。みんなでどんどん、どんどん大きい輪を作って、世界的に大きくなっちゃって、最終的には世界征服しましょう!」(神生アキラ)
「昨日の夜からドキドキして、今日の朝から緊張して、これ以上ないぐらい緊張したけど、みんなに会ったらそんなの吹き飛んだ。本当に楽しかった。来てくれてありがとう。もうすぐ4月だね。新しいことを始めるにはとても良い季節だと思います。一歩を踏み出すとき、その一歩を大きく踏み出してほしい。そして、そのまま二歩、三歩と続けていってほしい。たまに立ち止まるのはかまわない。俺たちはずっと応援しています。共にこれからも歩んでいこう」(九瓏ケント)
レポート:恒川めぐみ
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