すぐにセッティングができる
簡易PAシステム導入ガイド
簡易PAシステム導入ガイド
2017/07/18
教室や野外、ライブハウスなどで演奏をする際に必ず必要となるのが「PAシステム」です。PAという言葉を聞くと、プロのコンサート会場で見るような、巨大なスピーカーやミキサーを想像して、複雑そうなイメージを抱いてしまうかもしれません。しかし近年は、音響の知識や経験がなくても簡単に使用できる、高音質かつリーズナブルな製品が登場しています。本特集を参考に、自分の目的に合うPAシステムを導入してみてください。
雑誌では、より詳しい情報を掲載しております。
詳しくは、http://www.sounddesigner.jp/をご覧ください。
設置するだけでどんな場所でもステージに早変わり!
システムの内訳は、音を拾う「マイク」、入力された信号を適正なレベルに増幅しつつ、各パートの音量バランスを取る「ミキサー」、スピーカーから音を鳴らすために信号レベルを大きく増幅する「パワーアンプ」、そして実際に音を鳴らす「スピーカー」という、4つのアイテムで構成されています。
一般的なPAシステムでは、できるだけ幅広い用途に合わせてシステムが拡張/変更できるように、それらのアイテムがそれぞれ独立しています。対して「簡易PAシステム」では、入力数を必要最小限にし、さらにパワーアンプをミキサーに内蔵させたり、スピーカーに搭載させるなど、接続や設置を簡素化して小型化させたうえで、運搬もしやすいようにしています。製品によっては、各機器を合体させて可搬性や収納性を上げたり、あらかじめミキサーからスピーカーまでが一体化して接続を最小限に留めているものもあります。また、以前はマイクやマイクケーブルは別売りでしたが、最近では付属している製品もあります。
簡易PAシステムでは、生音が大きい楽器や、アンプを使用する楽器はPAシステムから音を鳴らさないのが基本です。例えばドラムや、アンプに接続したエレキギターやベースは、小規模な会場ならPAを使わなくても十分な音量が得られるので、ボーカルやアコギなどの生楽器や、シンセやエレピなどの電子楽器だけをPAシステムから鳴らすと、全体のバランスが取りやすくなります。
また、スピーカーへの出力端子以外に出力端子が付いていれば、演奏者用のモニターを設置したり、スピーカーを増設して、音量を大きくすることもできます。
「簡易PAシステム」は、音量や音質のバランスを取るミキサー部分と、音を鳴らすスピーカーが1つになっているため、初心者でも簡単に操作が行なえる
簡易PAシステムを選ぶ時は「入力数」を必ずチェックすること!
簡易PAシステムの製品カタログに記載されている「入力数」は、「マイクを接続できる端子の数」だけではなく、楽器や音楽プレーヤーなどを接続する端子の数が含まれていることがあるので注意しましょう。
また、変換プラグなどを使用して無理に音楽プレーヤー用の端子にマイクを接続しても、音が出なかったり音量が大きくならないことや、ノイズが乗ったりすることがあります。接続する楽器の種類・数と、ミキサーの入力端子数が合致するかを考慮して製品を選びましょう。
演奏形態や使用する楽器を考慮して、必要な入出力端子の数やタイプ(形状)をチェックしよう。また、ストリートパフォーマンスなど、野外でのパフォーマンスを考えている場合は、バッテリー駆動にも対応したモデルを選ぶのがオススメだ
コンボ端子(写真左)は、主にマイクやギターの接続に使い、フォーン端子(写真右)はハードのアンプシミュレーターやキーボード、電子ドラムなどをつなぐ場合に使う
RCA端子は、主にオーディオプレーヤーを接続する際に使用する。また、最近はスマートフォンやパソコンとワイヤレスで接続が可能なBluetoothに対応したモデルもある
弾き語りや小規模なソロパフォーマンスに最適な「オールインワン・タイプ」
大人が1人で手軽に運搬できる小規模タイプの簡易PAシステムは、ライブを行なうのに必要な機器がすべて内部で接続されている「オールインワン」タイプのものが主流です。電源さえ確保できれば、マイクや楽器などを接続するだけで、すぐにライブができる環境を作れます。また、充電式のバッテリーを搭載しているモデルもあります。
さらに、本体や専用ケースにキャスターやハンドルが付いているものもあり、そのフットワークの良さを活かせば、ストリートライブから学園祭の教室ライブまで、様々な状況で使用できます。ギターとボーカルや、電子ピアノなどでの弾き語り、DJプレイはもちろん、スマートフォンやタブレットなどの外部再生機器で音楽を再生しながらのパフォーマンスなど、様々な形態でのライブに対応できます。各ソースや全体の音量/音質を演奏者が手元で調整できるのも、オールインワンタイプの利点と言えます。
サブウーファーやパワードミキサーなど、PAシステムに必要となる機能が1台に収められている。また、持ち手やキャスターが付いているモデルも登場していたりと、可搬性に優れているのも大きなポイントだ(写真はJBL「EON ONE」)
小規模タイプの簡易PAシステムは、コントロール部分も非常にシンプルで、使いやすいものが多い
バンド編成などの大人数で演奏が可能な「スピーカー独立タイプ」
本格的な簡易PAシステムは、スピーカーが独立しているため、設置が自由に行なえます。出力もオールイン・ワンタイプより大きいので、弾き語りやソロ/グループパフォーマンスはもちろん、生ドラムやエレキギター/ベースを加えたバンド形態でのライブにも対応できます。また、スピーカーがステレオで2系統用意されているものがほとんどなので、ステレオソースの定位をそのまま再生したり、パンニングで音を広げるなど、より自由なサウンドメイキングが可能です。
入力数/出力数共に余裕のあるモデルが多いので、多数の楽器を同時に接続できる他、パワードスピーカーやサブウーファーを追加するなど、拡張性が高いのも本格タイプの特徴です。教室などでの小規模なライブはもちろん、ジャズなどドラムの音量がさほど大きくないジャンルであれば、広めのカフェや小ホールでの演奏にも対応できます。
ミキサーとスピーカーが分かれている製品を導入すれば、演奏形態や環境に合わせて、より自由にセッティングが行なえる。入出力端子数に余裕があり、出力も大きいタイプのものが多いので、学園祭やイベントでの、生楽器を交えたバンド演奏などにピッタリだ(写真はJBL「EON208P」)
サウンド・デザイナー8月号(最新号)をチェック!
【巻頭アーティスト】
Nakajin(SEKAI NO OWARI)
【第1特集】
カッコいい曲が作れるアイディア満載!
コードを「じゃら〜ん♪」と弾くだけの作曲術
【ノウハウ特集】
人気クリエイターとヤマハの開発チームがテクニックを公開
『VOCALOID 夢眠ネム』をリアルに歌わせる調教術
【注目製品特集】
ギタリストとエンジニアがタッグでチェック
ギターが気持ちよく鳴るモニタースピーカー6選
音楽制作向きのモデルを試聴
DTMの世界にイヤホン時代到来!
【登場アーティスト】
清水翔太
Chara
沖井礼二(TWEEDEES)
HARCO
asobius
NoisyCell
関連する記事
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
2017/07/18
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01