1,000以上もの豊富なプリセット音色を内蔵した新型モデル!
【動画付き】KORG「KROSS 2」徹底レビュー(ライブや曲作りで大活躍の軽量シンセがさらに進化!)
【動画付き】KORG「KROSS 2」徹底レビュー(ライブや曲作りで大活躍の軽量シンセがさらに進化!)
2017/11/30
軽量ボディに多彩なサウンドと演奏や曲作りをサポートする様々な機能を詰め込んだKORGのKROSSがモデルチェンジしました。ファースト・シンセとしてもお薦めの使い勝手の良さを受け継ぎつつ、音色エディット用のノブや16個のパッドとサンプラー機能を追加。外に連れ出せばバンド演奏の相棒として、自宅における曲作りのツールとして、さらに音楽表現の幅が広がった新型KROSSの魅力を紹介しましょう。
文:平沢栄司 撮影:小貝和夫
Point 01:音色の選択やエディットは超カンタン!
KROSSは、高品位なピアノやオルガンなどのベーシックなキーボードから最新のシンセ・サウンド、定番のストリングスやブラス、更にはドラムやベース/ギターに至るまで、バンド演奏から曲作りまで即戦力で使える1000種類以上のプリセット音色を内蔵しています。それらの音色を演奏する通常のPROGモードに加えて、複数の音色を組み合わせた重厚なサウンドを奏でるCOMBIモードも用意。最大発音数は120音と余裕があるので、COMBIモードでも発音数不足による音切れを気にせずにプレイできます。
プリセットの選択はPROG/COMBIモード共通で、ディスプレイ左側のダイヤルでピアノやエレピなどのカテゴリーを選択し、右側のダイヤルやカーソルキーを操作してカテゴリー内の音色バリエーションを切り換えていく。大型のダイヤルなので視認性と操作性は抜群で、欲しい音に素早く/確実にアクセスできるのだ
そして、膨大なプリセットの中から気に入った音色やライブなどで使いたい音色が見つかったならば、フェイバリット機能を活用すると便利です。PROG/COMBIモードを問わず音色を登録しておけば、あとはボタン一発で呼び出せるようになります。
フェイバリット機能では、新設された16個のパッドが音色の登録と呼び出しを行なうボタンとなる。16パッド×8バンク分で128音色まで登録が可能だ。お気に入り音色を登録するバンクとは別に、ライブの演奏曲順に音色を並べたバンクも余裕で用意できる
また、パネル左に主要なパラメーターに素早くアクセスしてエディットができるリアルタイム・コントロール機能が新たに搭載されました。音色の明暗、立ち上がりや余韻のニュアンス、タッチ(ベロシティ)の感度やエフェクターの効果など、曲調や演奏スタイルに合わせて変更したいパラメーターをエディット画面を呼び出すことなくいつでもノブで調整できます。
SELECTボタンで2つのノブと1つのスイッチでエディットするパラメーターのアサインを切り換えながら調整していく。もちろん、演奏しながら操作して刻々と音色を変化させていくことも可能だ
他にも、演奏している途中でピアノにストリングスを重ねて厚みを出したい、左手はベースの音色でプレイしたいと思ったとき、クイック・レイヤー/スプリット機能が重宝します。ボタン一発で演奏モードが切り換わり、現在選択されているプリセット音色を元に、重ねたりスプリットする音色を簡単に選択/追加できます。
LAYER/SPLITボタンを押すと、現在の音に重ねる音色プリセットを選択する画面に切り替わる。ここでは、音色以外にも音量なども設定可能だ。なお、レイヤーからスプリットへの切り替えは、ディスプレイ下のボタンで行なう
Point 02:演奏や曲作りが楽しくなるアルぺジエーター&ドラム・トラックを用意
アルぺジエーターは鍵盤で押さえたコードをアルペジオやシーケンス・パターンとして演奏してくれる機能、ドラム・トラックは700種を超えるプリセットのリズム・パターンから選んでドラムを演奏してくれる機能です。特に、複数の音色を組み合わせるCOMBIモードとの相性が良く、例えば、白玉のコードを押さえるだけで、リズム隊+コードやシーケンスなど複数パートを組み合わせたリッチな伴奏が演奏できます。鍵盤が苦手な人でも気持ちよくプレイできるし、また、曲作りの際に伴奏アレンジとして活用すればアイディアも浮かぶでしょう。
パネル左のアルぺジエーター・ボタン(ARP)やドラムトラック・ボタン(DRUM TRACK)の点灯させると各機能がONになる。COMBIモードのプリセットには、あらかじめONになっている音色もある
アルぺジエーターは、プリセット・パターンや演奏パターンのエディットが、ドラムトラックは、プリセットのリズム・パターンやドラムキットの選択が可能だ
ドラムのパートについては、ステップシーケンサーを利用してオリジナルのパターンを作ることも簡単です。新設の16個のパッドが16分刻みのタイミングで1小節分のリズムを刻むボタンとなり、キックやスネアなどドラムのパーツを切り換えながら、ドラムマシンのようにパターンを打ち込んでいきます。
16分刻みのリズムの中で発音させたいタイミングのパッドをONにしながらリズムを作っていく。また、ディスプレイには、キックやスネアなど各パーツごとに打ち込んだリズムを一覧できる
Point 03:色々な音をサンプリングしてパッドでプレイが可能
新型KROSSには、サンプラー機能が内蔵されました。先程のフェイバリット機能やステップシーケンサー機能でも使った16個のパッドが波形をプレイバックするためのトリガーとなり、同時に4つまでの波形を再生することができます。サンプラー機能を活用すれば、鍵盤で演奏する楽器とは異なるタイプの音色…例えば、オーディオ・フレーズや効果音などのサウンドをキーボード・パートに取り入れたり、パッドを使って即興的にフレーズを再構築するようなプレイも可能になります。
リアパネルのINPUT端子に接続した楽器やマイクからの入力に加えて、KROSS本体の演奏もサンプリングできる。その波形データはスロットに挿入しているSDカードへと保存され、あらかじめパソコンでSDカードにWAVファイルを保存しておけば、パッドにインポートすることも可能だ
サンプリングの操作は、サンプラー機能をアクティブにした後、サンプリングするパッドを選択しRECボタンを押すだけと簡単。このとき、信号が入力されたと同時にサンプリングがスタートするモードを選んでおくと便利だ
サンプリングが終了すると波形編集の画面が開く。ここでは、波形のスタート/エンド・ポイントのエディット、ノーマライズ、ループ再生の指定ができる
Point 04:内蔵シーケンサーを使った本格的な曲作りにも対応
KROSSは、16トラックのシーケンサーを内蔵したワークステーション・タイプのシンセサイザーです。ドラムやベースから上モノのパートまで、トラックに打ち込んで重ねていけば、KROSS 1台で本格的な曲作りが行なえます。また、パッド・サンプラーのプレイをレコーディングしたり、オーディオ・プレイヤー機能を使って歌やギターのパートを打ち込みパートと一緒に録音/再生することも可能。曲作りのツールとしてのポテンシャルも優れています。
16トラックの内蔵シーケンサーは、1〜14トラックが内蔵シンセ音源用、15トラックがオーディオ・プレイヤー用、16トラックがパッド用のトラックになっている。また、各トラックにジャンルに応じた音色があらかじめ設定されたテンプレートやドラムトラック用のリズム・パターンも用意されている。
Point 05:DTMやライブで活躍するKROSSの注目ポイントあれこれ
紹介した機能以外にもKROSSには魅力的なポイントが多数あります。最後に、その中からいくつか紹介しましょう。
パソコンとUSBケーブルで接続することで、DAWソフトからKROSSを演奏したりMIDIキーボードとして打ち込みやソフト音源の演奏に活用できる。更に、USBオーディオ・インターフェイスとしても機能するので、KROSSのサウンドをデジタルのままDAWにレコーディングしたり、DAWのサウンドをKROSSのアウトプットから出力することも可能だ
バンドなど外で演奏する機会が多い人は、わずか3.8kgのボディと単3電池6本で7時間も演奏できる点に注目だ。スタジオやライブハウスへの移動も楽勝だし、ステージやスタジオでは電源の確保に気をつかわずにセッティングできるのもいい
インプット端子にマイクを接続してボコーダーとしても利用できる。例えば、ロボ声で歌ってみたり、1人でデジタルなバックコーラスを加えるなどプレイの幅が広がるだろう
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