伝統花火と世界を股にかけて活躍する日本最高峰のクリエイター集団が融合!
未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND(スターアイランド)」の音響監督/ 3Dサウンドデザイナー
瀬戸勝之氏に直撃インタビュー
未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND(スターアイランド)」の音響監督/ 3Dサウンドデザイナー瀬戸勝之氏に直撃インタビュー
2018/05/30
STAR ISLAND とは?
未来型エンターテインメント「STAR ISLAND」は、東京タワーやレインボーブリッジを一望できるお台場の浜辺で、日本の伝統的な花火と世界を股にかけて活躍する日本最高峰のクリエイター集団が融合して描き出すエンターテインメントショー。
初開催の2017年には、観客を包み込む合計230台のスピーカーによる3Dサウンドや幻想的なライティング、ウォーター&ファイヤーパフォーマーなど総勢100名を超えるパフォーマーの熱演に加えて、隅田川花火大会や東京湾大華火祭も手がける花火職人「丸玉屋小勝煙火店」が手がけた10,000発の花火で、15,000人の観客を魅了し話題となった。
5月26日に開催された「STAR ISLAND 2018」は、“One”をテーマに、地球誕生から人類の行く末までの壮大なストーリーを描いたパフォーマンスを披露。LEDスーツを着用したウォーターパフォーマーらの圧巻のパフォーマンスも堪能した。さらに2017年よりもステージを2台増設したことで、より臨場感溢れる会場が創り上げられた。来場者は、昨年に引き続き今年も15,000人が訪れ、新感覚のエンターテインメントに酔いしれた。
花火だけでない全く新しいロケーションエンターテイメント「STAR ISLAND」は、数百のスピーカーから放たれる立体音響3Dサウンドが担っている。このサウンドを一挙に手がけたのは、音響監督であり3Dサウンドデザイナーの瀬戸勝之氏だ。ここでは屋内外問わずサラウンドサウンドの可能性を追求している立体音響の第一人者でもある瀬戸氏に今回のサウンドについてこだわりのポイントを聞いた。
未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND(スターアイランド)」の音響監督/ 3Dサウンドデザイナー瀬戸勝之氏に直撃インタビュー
イベント本番直前にもかかわらず、快く取材に応じてくれた瀬戸勝之氏(音響監督/3Dサウンドデザイナー)
Profile
映画館でのサラウンドサウンドという認識を超え、5.1chサラウンドシステムを音響空間として独自に考案し、映像抜きでのサラウンドサウンドの可能性を追求し続けてきたサウンドクリエイター。2002年、5.1chサラウンドに特化したプライベートスタジオ「studio SpaceLab」を立ち上げ360度の音声再生領域を生かしながら、立体的かつ臨場感とパワーにあふれる「3Dサウンド」による音の空間演出を手掛ける。2017年5月27日に東京お台場にて開催された、 最先端ミュージック花火、未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」にてサウンドデザインと音響監督を務める。会場となったお台場海浜公園内に、合計230ch以上のスピーカーを設置し、BGMサウンドをプロデュース。野外では世界初となる3Dサウンドとミュージック花火のコラボレーションを実現させる。2018年5月26日、昨年に引き続き「STAR ISLAND 2018」の音響をプロデュース。
システムの概要について
___広大な砂浜が広がる空間全体に音を届けるためのセッティングとはどういったシステムなんですか?
瀬戸:野外という場所がらどうしても音が抜けてしまいます。それでもやはりクラブサウンドにような感じにしたいという思いはあったんです。例えば、スピーカー1台では足らないという箇所には、スピーカーを2台設置して一つのチャンネルにするなどの工夫をしていたり、音に関してですが、今回は昨年よりもスピーカーの数を多くして音質面でもクオリティを高くしています。
___スピーカーの配置が難しそうですね。
瀬戸:通常サラウンドは、5.1chというとSub Lowは一発なんですけと、この5.1chに対して、ここの浜辺ではSub Lowを4発入れています。前後に2発づつという感じです。どうしても屋外だと箱鳴りが無いので、クラブサウンドのような膨らんだ低音を作りにくいんですよ。他には、波打ち際と砂浜と歩道の間、さらに歩道後ろの林にもスピーカーを点在させているんですよ。何故かと言うと、お台場の砂浜はL字の形状になっているのですが、多くのスピーカーを一カ所に固めて、ピンスポットで音圧を稼ぐのではなく、広い空間全体に音を届けるためのセッティングを行なっているということです。
___昨年の経験も生かされていると......
瀬戸:そうですね。昨年は、初めての開催ということもあって、すべてエビデンスが自分の考えだったんですね。花火が打ち上がるであろう距離と湿気でレイテンシーを考えるわけですが、花火が打ち上がった音の抜けというのは、湿気などで変わるんですよ。例えば湿気が多いと音が丸くなるというか、「バリバリバリ」っていう花火の音が丸くなると遅く聴こえるんですよ。
___湿気まで考慮したレイテンシーを計算するのは大変ですね。
瀬戸:クラッシックのようなゆったりとした音楽だと比較的簡単なんですけど、ダンスミュージックだとリズムにドラムのハイハット(高域)やキック(低域)やスネア(中高域)が入っています。この高域、低域、中高域は、一般的な部屋の中だとほぼ同時に聴こえますが、屋外では高域になればなるほど音は速くなるので、ズレて聴こえるということが起こるわけです。そうなると非常に気持ちが悪いので、きちんと計算して整える必要があるんです。
___会場では、様々な花火の観方ができるように、プレミアムペアシート、ベッドシート、ディナーシート、スターシートなど6つのシートが用意されていますが、エリアごとにサウンドの違いはあるのですか?
瀬戸:コンテンツは、すべて24ビット/48kHzで鳴らしています。一部の少し高級なエリアになると24ビット/96kHzで鳴らして、さらにイルカの超音波なども入れていてプレミアム感を演出しています。ただ、基本的にはどのエリアにいても平等に3Dサウンドが体感できることを目指しています。
___本番が楽しみですね。本番直前にも関わらず、インタビューに応えて頂きありがとうございました。
花火が打ち上がると、打ち上げのタイミングに音楽がシンクロする。波打ち際で炎や水を操るパフォーマンスが行なわれるとパフォーマンスに合わせて音楽が融合。音楽のビートと花火の爆発のタイミングがピッタリ合う。まさに神業!
会場内では豪華なDJによるスペシャルサウンドも披露された
<STAR AREA>
Yumi kobayashi a.k.a Yummy
Licaxxx
NAOKI SERIZAWA(LiLiTH)
<LIMITED AREA>
NAOKI SERIZAWA(LiLiTH)
SHUYA OKINO(kyoto jazz massive )
SHINICHI OSAWA (mondo grosso)
SHUYA OKINO & SHINICHI OSAWA
Special B2B Session
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