8/10 恵比寿 LIQUIDROOM
千聖&ZIGGY、2マンライブ『ジキルとMAD RIDER』“究 ~千聖 > Crack6~”」レポート
千聖&ZIGGY、2マンライブ『ジキルとMAD RIDER』“究 ~千聖 > Crack6~”」レポート
2018/08/14
偉大なるロックンロール・マジック、ここにあり。この夜、我々の目前で繰り広げられた華やかなる競演は、そのことを実感させる豪華にして充実した内容を呈していた。
今年6月に、千聖ソロワークとソロプロジェクト・Crack6によるスプリットシングル『ジキルの空/MAD RIDER』を発表した千聖が、来たる8月25日まで続く[千聖/Crack6 ワンマンTOUR 2018 『ジキルとMAD RIDER』“究 ~千聖 > Crack6~”]の一環として、このたび恵比寿LIQUID ROOMにて行ったのは、なんとZIGGYとの2マンライヴ。
なんでも、千聖とZIGGYの森重樹一氏はかねてよりプライベートでの親交があったばかりか、千聖主催のイヴェントに森重氏がゲスト参加をしたり、前述のスプリットシングル『ジキルの空/MAD RIDER』においては、カップリング曲「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」の作詞を森重氏が手掛けているなど、近年とても良いミュージシャンシップにてつながれている関係性であるのだとか。
とはいえ、世代も違えばたどってきた道程もそれぞれに違う千聖とZIGGYが、果たしてひとつのステージ上でいかなるパフォーマンス対決を織りなしてくれるのか。この日、この場に集まったオーディエンスたちにとってはそこが最大の焦点であったに違いない。
そんな中、今宵の一手をまず先に打つこととなったのは、意外にも30年以上のキャリアを持つZIGGYの方だった。しかも、1曲目として選ばれていたのは1988年に寝具リリースされたのち、翌89年に某トレンディドラマの主題歌として起用されヒットチューンとなった、あの「GROLIA」だ。しかも、矢継ぎ早にこのあと演奏されたのはこれまた名曲の「I'M GETTIN' BLUE」。いきなりのキラーチューン連発は、場内に詰めかけていた音楽ファン、ロックファンからすれば完全なる垂涎ものでしかなく、場内のテンションがここで一気にフルボルテージへと達したことは言うまでもないだろう。
「Yeah!ついにこの日が来たぜ!!いやー、ここはいい会場なんだよ。俺は去年、マイケル・モンローさんをここに観に来ましたし。そして、今日は千聖くんとの2マンということでね。楽しくやらせてもらおうと思ってますので、宜しくお願いします!!」
この激しい猛暑の中にあっても、あくまでヒョウ柄ジャケットを粋に着こなす森重氏の徹底したロックンロール・スピリッツは、今宵もやはり健在だ。なお、この最初のMCでは先日ZIGGYが次なるフルアルバムのレコーディングを完了させ、その作品が10月24日にリリースされるとインフォメーションされたことも、ここに付記しておきたい。ちなみに、アルバムタイトルは『ROCK SHOW』と決まったそうで、これは1970年代後半から1988年にかけて刊行されていたロック雑誌名からとったものであるとのこと。
「このご時世にフルアルバムを作れるなんて、とてもありがたいことです。俺、実は今月で55歳になるんですけどね(笑)。そんな僕が中学生の頃に読んでいたのが、「ROCK SHOW」という雑誌だったんです。そこに載っていた、たくさんのロックミュージシャンたちに憧れていた僕は、記事の切り抜きを下敷きの中に入れて何時も学校に通ってました(笑)。今回はその頃のことをイメージしながら作ったんですけど、「こんなZIGGYは聴いたことがない」というくらいに本当にイイものが出来たので、どうぞ秋までもう少し楽しみにしててください!!」
ということで、ここでは『ROCK SHOW』からの新曲「この夜の向こうへ」がいちはやく披露される嬉しい一幕も。そのうえ、まさにこの季節にピッタリな「翳りゆく夏に」や、「STAY GOLD」では森重氏が12弦エレアコギターを奏でながら歌ってみせる場面があったほか、軽快なピアノロック的なアプローチでの「La Vie en Rose」、さらには観衆とのかけあいでおおいに盛り上がった「WHISKY,R&R AND WOMEN」などなど、ZIGGYはロックンロールの醍醐味をぎゅっと集約させたようなステージングを、見せつけてくれることとあいなった。
本人も明言していたとおり、この夏でアラフィフを経ていよいよアラ還に突入しつつあるという森重氏だが、そのたっぷりとした声量と色気のあるヴォーカリゼイションは彼が20代・30代の頃と遜色がないどころか、むしろ深みと説得力をより増している印象を受けたほど。趣味で続けているという自転車で1日に何十キロも走ったり、なんならこの日も暑い中を会場までしっかりと漕いできたというだけあって、身体のフォルムも相変わらずシャープなまま。枯れることなく、緩むこともなく、いつもまでもワイルド・サイドを歩き続けるロックンロール・レジェンドの姿が、そこには在ったのだ。
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