アプリ操作にも対応した高音質&ハイパワーなポータブルPAシステム
コルグ「KONNECT」徹底レビュー
コルグ「KONNECT」徹底レビュー
2018/10/17
コルグ「KONNECT」は、優れた音質と操作を兼ね備えたオール・イン・ワンタイプのポータブルPAシステムです。軽量かつコンパクトでありながら180Wもの大出力を実現し、マイク、ラインといった各入出力レベルは本体背面だけではなく、専用アプリ「KONNECT App」からも設定可能。ここでは、このユニークで使い勝手の良い「KONNECT」の魅力をじっくりと紹介していきましょう。
文:くぼつよし、編集部 撮影:小貝和夫 撮影場所:Live bar ZAZ
モデル協力(L to R):関谷凌佑、土田拓樹、津田怜渚、中村海斗、土井綺吏斗
◉2系統のマイク/ラインインとステレオインを装備
本機はボストンバッグほどのサイズで、流線型がとても美しい黒塗りのボディに、3発のステレオスピーカーを搭載しています。背面にはミキサーを搭載しており、マイク/ラインインが2系統と、ステレオインを装備。さらに、スマホに入っている音楽をBluetooth経由(チャンネル3/4を使用)で鳴らすことも可能です。
◉様々なシーンで最適な音を鳴らせる「VOICINGノブ」
まずは、マイクをつないでボイスチェックをしてみましたが、クリアでヌケのいい音質です。50名程度を収容できるライブ会場と野外で使用してみたところ、奥の方までしっかり声が届く音圧感と、高い明瞭感が得られました。よく響く、低音が強い会場だったのですが、通常のミキサーだとEQ調整に時間がかかるところ、本機は「VOICINGノブ」というワンノブEQ(シーンに応じたEQのプリセット)が用意されており、プリセットを選ぶだけで目的のサウンドに近づきます。
プリセットには男性・女性の「MALE VOCAL」「FEMALE VOCAL」、ギター演奏のための「ELECTRIC GUITAR」「ACOUSTIC GUITAR」といった5タイプを内蔵していますが、専用アプリ「KONNECT App」を使えば「BASS GUITAR」や「KEYBOARD」など、さらに豊富な17タイプから選択可能になります。
▲背面のミキサー部分に搭載された「VOICINGノブ」では、5タイプの楽器やボーカルのEQテンプレートの選択と微調整が1つのノブで行なえる
◉スマホからの遠隔操作に対応
「KONNECT」は専用アプリ「KONNECT App(※)」を事前にインストールすることで、スマホやタブレットから機能をさらに拡張することができます。前述したように「VOICINGノブ」によるEQプリセットやエフェクトの追加、それらの詳細なパラメーター・コントロール、ソロやミュートの設定に加え、ミキシングしたセッティングをシーンとして3つまで保存できるのもポイントです。例えば、リハーサルでいくつかの設定を保存しておけば、会場の雰囲気に応じて本番で瞬時に設定を切り替えて使用することも可能です。
※ iOS 8.1およびAndroid 5.0以降に対応
◉ハウリングを防止する「フィードバック・サプレッサー」
KONNECTにはフィードバックを抑えて、ハウリングを防止する「フィードバック・サプレッサー」(チャンネル1/2)が装備されている点も見逃せません。今回、演奏するプレイヤーの人数に応じて様々な位置にスピーカーを置いてみたのですが、この「フィードバック・サプレッサー」を有効にすることで、不快な「キィーン」というハウリングを簡単に防止することができました。
▲KONNECTをPAスピーカーとプレイヤーのモニター兼用で使う場合、プレイヤーの背面もしくは近くにKONNECTを配置するケースが多い。しかし、マイクとスピーカーの位置によってはハウリングが起きる可能性もある。こういった際に威力を発揮するのが「フィードバック・サプレッサー」だ
▲本体背面にある「フィードバック・サプレッサー」で機能のオン/オフが可能
◉高品位なエフェクトで聴こえ方をさらに良くする
演奏する曲にもよりますが、エフェクトを上手に使うとそれだけでライブ全体のクオリティがグンっと上がって聴こえます。KONNECTにはマスター・リバーブが装備されており、ノブ一つでリバーブのタイプとレベルを調整できるのですが、「KONNECT App」使用時にはチャンネルごとのリバーブ設定も行なえます。しかも、コンプレッサー、コーラス、ディレイの3種類のエフェクトも各チャンネルに追加することができます。
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(試奏後の感想)
今回、様々な場面でKONNECTを試してみましたが、低音の鳴り方はスピーカーサイズを超えた印象で、フルパワーで鳴らしても共振ノイズがなく、色々なジャンルに対応できました。別売りのスピーカースタンド「ST-S80」に取り付ければ、PAシステムはこれだけあれば十分かなと感じたほどです。また、本文でもふれましたが、再生するオーディオソースはケーブルでのライン入力に加え、Bluetooth経由でスマホにも対応していて、「センター・キャンセル」機能を有効にするとボーカルやギターの音のみを小さくすることも可能です。自分の好きな楽曲をバックに演奏する手もありでしょう。このように、本機はライブステージはもちろん、学園祭や飲食店でのイベントなど、どこでも便利に安心して使えるPAシステムだと感じました。オススメです!
▲「センター・キャンセル」はチャンネル3/4に対してオン/オフを設定できる。機能をオンにすると、ボーカルやギターの音が小さくなり、弾き語りやソロ・パフォーマーのカラオケ用途や、BGMとして楽曲の存在感を抑えたいときに便利だ
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