スタンドアローン型のパフォーマンス&音楽制作システム
Native Instruments「MASCHINE+」をTuneGate編集部がいち早くレビュー!
Native Instruments「MASCHINE+」をTuneGate編集部がいち早くレビュー!
2020/10/01
コンピュータとハードウェアを組み合わせた最先端のグルーヴ制作システム「MASCHINE」。この「MASCHINE」シリーズの最新モデル「MASCHINE+(マシーンプラス)」がNative Instrumentsより本日発売となりました。クアッドコアCPU、4GBデュアルチャンネルDDR3Lメモリーを搭載した本機は、スタンドアローンで動作するというまさにPCやMacに匹敵するコンピュータのようなもので、同社の人気シンセ「MASSIVE」や「FM8」が標準装備されている点も見逃せません。ここでは、そんな「MASCHINE+」の特徴をいち早くレビューしてみたいと思います。
写真:小貝和夫
![MK3とMASCHINE+のサイズの比較](/userfiles/images/NM_01_%E6%AF%94%E8%BC%83.jpg)
まずは気になる「MASCHINE+」の外観からご覧ください。写真左が「MASCHINE+」、右が「MASCHINE MK3」です。公式サイトにも出ていますが、「MASCHINE MK3」に比べて「MASCHINE+」の方が重量は0.3kg重いのですが、見た目はほとんど変わりません。それよりも、パソコン1台分の機能が集約しているにも関わらず、これだけコンパクトに「MASCHINE+」が製品化されていることに驚かされます。
また、「MASCHINE+」の筐体に強固なアルマイト加工のアルミが用いられていることもポイントです。今まで以上に持ち運びや、ライブパフォーマンスでの使用を意識して頑丈さを強化していることがうかがえます。
◉スタンドアローンモードですぐに使える!
![MASCHINE+の起動](/userfiles/images/NM_02_%E7%AB%8B%E3%81%A1%E4%B8%8A%E3%81%91%E3%82%99.jpg)
![パフォーマンス](/userfiles/images/NM_09-1%EF%BC%88%E7%A7%BB%E5%8B%95%E3%83%8F%E3%82%9A%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B9%EF%BC%89V3.jpg)
さて、今回の「MASCHINE+」の売りは何といってもスタンドアローンで動作することでしょう。従来のようにパソコンの電源を付けて、DAWソフトやMASCHINEソフトウェアの起動を待つ必要がありません。「MASCHINE+」の電源を入れたら、すぐに本体で曲作りのスケッチやパフォーマンスが可能です。
◉パフォーマンス時にも安心な電源のロック機能
![パフォーマンス画面](/userfiles/images/NM_03-1.jpg)
![電源のロック機能](/userfiles/images/NM_03-2.jpg)
「MASCHINE+」の電源ケーブルは、右に回すことで抜け落ちないようにロックがかかる仕組みになっています。出演者ごとに機材のセッティングを変えるようなライブステージでは意外と電源周りのトラブルも多いので、この機能はありがたいです。
![9つのインストを付属](/userfiles/images/NM_04-1.jpg)
「MASCHINE+」には、マルチサンプル音源、パターン、プロジェクト、スライスされたループ素材などを含む8GBのライブラリおよび5種類のドラムプラグインを収録した「MASCHINE Factory Library」と、同社の人気シンセ9つ(FM8、MASSIVE、MONARK、PRISMなど)が標準搭載されています(トータル24GB相当)。ヒップホップやR&B、エレクトロはもちろん、「MASCHINE+」を手にしたすべてのクリエイター/パフォーマーにとって、これらのNI定番シンセを即戦力ツールとして活かせる恩恵は大きいと思います。
![付属の音源「MASSIVE」や「FM8」をハードウェアシンセのように扱うこともできる](/userfiles/images/NM_04-2-1.jpg)
![マルチティンバー的な使い方も可能](/userfiles/images/NM_04-2-2.jpg)
また本体左下の「A」〜「H」のグループボタンにあらかじめシンセやドラムキットの音色を割り当てておけば(例えば、「A」=「MASSIVE」、「B」=「FM8」、「C」=ドラムキット)、「MASCHINE+」をマルチティンバー音源のように扱うことも可能です。DAWソフトなどでも同様の環境は作れるかもしれませんが、パフォーマンスで素早く音色をチェンジすることを考えると、ハードウェアである「MASCHINE+」に軍配が上がります。
![背面のUSB A端子(MIDIキーボードを使える)](/userfiles/images/NM_05.jpg)
写真は背面のUSB A端子に、MIDIキーボード(同社の「Komplete Kontrol M32」)をつないで演奏してみたところ。このように鍵盤を使って音源をパフォーマンスすることもできます。
◉35種類のエフェクトを装備
![エフェクター](/userfiles/images/NM_09_%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC1.jpg)
![エフェクト](/userfiles/images/NM_09-2%EF%BC%88%E7%A7%BB%E5%8B%95%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%EF%BC%89.jpg)
パフォーマンスや曲作りには35種類のエフェクトを利用することができます。その中には同社が単体製品としても発売しているリバーブの「RAUM」やフェイザーの「PHASIS」も含まれており、いずれもサウンドメイクの力強い味方になってくれること間違いなしです。
![エクスパンションが使える](/userfiles/images/NM_06-1.jpg)
![Wi-Fi(Wi-Fiの画面)](/userfiles/images/NM_06-2.jpg)
「MASCHINE+」はWi-Fiに対応しています。このWi-Fiを使ってスマホなどからNative Instrumentsのユーザー画面にログインし、本体の初期設定やExpansionの製品アクティベーションが行なえます(設定やインストールにはNative IDが必要です)。
![Wi-Fi(Ableton Linkを使うと、テンポを同期させることができる)](/userfiles/images/NM_06-3.jpg)
◉サンプリング、編集、カスタムキット作成が思いのままに!
![サンプリング](/userfiles/images/NM_07-1.jpg)
![端子類の写真(サンプリングが行える)](/userfiles/images/NM_07-2.jpg)
![オーディオインターフェイス](/userfiles/images/NM_07-3.jpg)
「MASCHINE+」はオーディオインターフェイスにも対応しています。コンデンサーマイクからサンプリングしたい人や、「MASCHINE+」のサウンドをパラで出力したい人は別途オーディオインターフェイスを活用するといいでしょう。
◉アレンジを加えたい際に役立つ新機能「CLIPS」
![Clips](/userfiles/images/clip%20%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%92%E3%82%9A%E3%83%BC.jpg)
「MASCHINE+」では、思いついたアイディアを様々な角度から具現化できる新機能「CLIPS」も装備されました。シーンの間にトランジションを入れたり、パターンのバリエーションを追加したり、MIDIを直接レコーディング、必要な場所にオーディオを自由に加えることが可能です。
◉SDカードでデータの保存、オーディオファイルの読み込みなどが行なえる
![SDカード(スロット)](/userfiles/images/NM_08.jpg)
「MASCHINE+」でサンプリングしたデータやプロジェクトのデータは、SDカードにバックアップすることができます。また、SDカード経由でオーディオデータをインポートすることも可能です。ちなみに、購入時には64GBのSDカードが付属されています。
![コントローラーモードでも使用できる](/userfiles/images/NM_10.jpg)
コンピュータをUSBでつなげば、従来のようにコントローラーモードとして「MASCHINE+」を利用することもできます。つまり、MASCHINEソフトウェアを「MASCHINE+」でフィジカルに操作することが可能です。「MASCHINE+」で作ったアイディアは簡単にコンピュータに転送できるので、「MASCHINE+」でスケッチしたデモをもとに、最終的にMASCHINEソフトウェアで楽曲を完成させるという手法もオススメです。
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