10周年を記念したライブツアー

ナオト・インティライミ、10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR 2021のツアーファイナル公演を12月10日(金)のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催!

ナオト・インティライミ、10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR 2021のツアーファイナル公演を12月10日(金)のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催!

2021/12/12

ナオト・インティライミ

写真:森好弘

ナオト・インティライミ

 

ナオト・インティライミ

 

ナオト・インティライミ

 

ナオト・インティライミ

 

ナオト・インティライミ

 

ナオト・インティライミがデビュー10周年を記念したライブツアー10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR 2021のツアーファイナル公演を12月10日(金)のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催した。

突然会場内の照明が薄暗くなりバンドメンバーやナオト・インティライミが各々のポジションについたのがぼんやりと見えた後、ふと訪れた静寂。するとアカペラの歌声が聞こえてきて、ナオトの姿がピンスポットを浴びて浮かび上がった。そしてバンドの演奏が合流してイントロが晴れやかにスタート。コロナ禍で昨年のツアーが延期となり2年ぶりのツアーとなった、今年、ファンのみなさまに会えた喜びを伝える、オープニングを飾ったのは「君に逢いたかった」。たくさんの人々の手拍子も加わったサウンドを楽しみながら歌い、ステージ上で全身を伸び伸びと揺らすナオトの姿を見ると、“風に舞う花びらみたいだな”という、言葉にするのが少々照れくさい表現が浮かぶのをいつも抑えきれない。しかし、それくらい瑞々しい生命の喜びを全身に漲らせて歌うアーティストであるという点に関して、異論のあるファンはおそらくいないはずだ。こうしてライブ会場に足を運ぶことができた喜びを心底噛み締めさせられたオープニングであった。

「LIFE」と「Dreammaker」も披露された後に迎えた最初のM C。2年ぶりの全国ツアー、10周年アニバーサリーツアー、ツアーファイナル公演――スペシャルな要素が3つも揃っていることを明るく喜んだナオトは、全観客がマスクをしているという思いやりに感謝。そして「もっと思いやりを会場中に充満させる魔法を使っていいですか? 両隣の方と目を見合わせながら一礼してみましょう」というユニークな提案をした。その言葉に素直に従い、両隣の人と目を合わせて一礼してみると、たしかに心が穏やかになり、会場内のムードが一際ほのぼのとしたものとなった気がする。そんな場面も経て、多彩な曲たちがさらに届けられていった。9月にリリースされた10周年記念ベストアルバム『The Best -10th Anniversary-』に収録されている新曲「たいせつな」。温かなメッセージが胸に沁みた「未来へ」。ナオトがステージに運び込まれたピアノを弾きながら歌った「Start To Rain」と「今のキミを忘れない」。「11年間の感謝の想いをこめてこの歌をお届けします」という言葉が添えられた「タカラモノ 〜この声がなくなるまで〜(※サブタイトルは8掛けでお願いします。)」……などなど、彼の音楽を聴きながら過ごした日々がよみがえる場面の連続であった。“10周年”ということにはなっているが、彼が“ナオト・インティライミ”としてメジャーデビューしたのは2010年であり、正確に言うならば今年は11周年。活動が思うようにできない情勢を受けてアニバーサリーイヤーが延期された結果、こうなったわけだが、この11年間の濃密さを実感させられた。

バンドメンバーによるインストナンバーとして届けられた「声をきかせて」を経て突入した後半は、ナオトが2度目のデビューした際の曲「イタレリツクセリ」からスタート。この曲の演奏に加わったのは津軽三味線 小山流三代目 小山豊。16年来の盟友の津軽三味線の音色と共に歌う姿が本当に嬉しそうだった。「マスクなんて取っ払っていつかまた大声で歌おうな? その時は必ずやって来るから。いつか大声で歌おう!」という言葉に強く頷きながら聴いた「いつかきっと」も名場面として思い出される。観客たちが掲げた腕が元気いっぱいに揺れる様がマスクの向こう側にある笑顔や心の中の大合唱をまざまざと感じさせてくれた「カーニバる?」も最高に楽しかった。そして本編は今年の9月に配信された新曲「Tokyo Summer」で締め括られた。

アンコールでまず届けられた「あらら れれれ るるりら」。トラックが流れる中、バンドメンバーたちがナオトと一緒に踊り、キメポーズと共に終わるシュールさを目の当たりにして、観客たちが必死になって笑い声を抑えているのが周囲のムードから伝わって来た。そしてその直後に素晴らしいひと時が我々を待ち構えていたのだ。「また1つ夢が叶いました。先日から映画館で公開されておりますディズニーの最新映画『ミラベルと魔法だらけの家』の日本版エンドソングを歌わせていただいております! ライブで初めてちょこっとだけ披露してもよろしいでしょうか?」と言ってから、手にしたミニギターを弾きながら歌ってくれたのは、リン=マニュエル・ミランダが手がけた楽曲でナオトが日本語詞を担当した「マリーポーサ 〜羽ばたく未来へ〜」。温かなエネルギーに満ちたこの曲を、早速ライブで聴かせてくれたのは実に粋なプレゼントであった。歌い終えた後、「続きは劇場で(笑)。そして声優にも初挑戦させていただきました。ちょっと出ているだけだから探すのが難しいかも。ヒントがあります。私がやらせていただいているキャラクター、ティライミ帽子かぶってる」という耳寄り情報を教えてくれたことも、このレポートを通じて皆さんにお伝えしておこう。劇場で『ミラベルと魔法だらけの家』を観た際は、ナオトのトレードマークとなっている帽子をかぶっているキャラクターを探してみてはいかがだろうか。そして日本版エンドソングにじっくりと耳を傾けたら、家族を守りたい一心で主人公・ミラベルが奮闘する美しい物語が改めて愛おしく感じられるはずだ。

来年の4月から6月にかけて、バンドとダンサーを率いて全国ホールツアーを行うことを発表した後、ナオトは改めて想いを伝えてくれた。「20年前、何も起こらなかった最初のデビューから始まって、3回目のデビュー。だから尚更、この11年間で起こったことがいかに奇跡的で、ありがたく、幸せなことなのか本当に身に染みています。この11年間、この規模で好きな歌を歌い続けさせてくれてどうもありがとう」。そんなMCの後に聴いた「こころことば」は、ナオトと観客たち間でたくさんの感謝の気持ちが交わされているのを感じずにはいられない曲だった。そして「離れている間も僕はあなたのことをこう想ってるよ。そんな気持ちを次の曲に託してお届けしようと思っています。このお守りをどうか受け取って、心のポケットにそっとしまって帰路について欲しいです。きつくて負けそうな時はポケットからそっと取り出してこの曲を耳に当てて欲しい。今からの光景を思い出して欲しい」という言葉を経て、ラストに披露された「花びら」。優しい言葉でじっくりと包んでくれたこの曲の余韻を噛み締めながら迎えた終演は、とても爽やかだった。新旧の曲たちをじっくりと体感させてくれたこのライブは、観客たちの明日からの生活を支える素敵な力になっていくのだろう。

文 : 田中大
 

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