パンクロック界のカリスマ、Ken Yokoyamaが共演!
東京スカパラダイスオーケストラ feat. Ken Yokoyama「道なき道、反骨の。」インタビュー
東京スカパラダイスオーケストラ feat. Ken Yokoyama「道なき道、反骨の。」インタビュー
2016/06/10
東京スカパラダイスオーケストラが6月22日にシングル「道なき道、反骨の。」をリリースする。今作は、パンクロック界のカリスマ、Ken Yokoyamaを迎えたコラボ曲で、Ken Yokoyamaが初めて日本語歌詞を歌うということでも注目を集めている。ここでは、メンバーを代表して、作詞を担当したバリトンサックスの谷中(やなか)さん、ドラムの茂木(もてぎ)さん、作曲を担当したベースの川上(かわかみ)さんの3人に、楽曲に込めた想いや制作の裏話、Ken Yokoyamaとのレコーディング・エピソードなどを聞いてみた。スカパラのファンはもちろん、Ken Yokoyamaのファンも必見のインタビューだ!
取材:東 徹夜 撮影:小貝和夫
“反骨”という言葉を、今の若い子にも提唱したいという思いがあった。(by 谷中)
──まず始めに、Ken Yokoyamaさんとのコラボが実現した経緯から教えてください。
谷中:もともと僕自身もHi-STANDARDのファンで、実は今までも色々な場所でお会いしていて。Kenくんに僕が作った詩をメールで送ったりもしてたんですよ。で、そんな関係の中で去年、Ken Yokoyama『Sentimental Trash』というアルバムで、Kenくんから「Roll The Diceという曲でバリトンサックスをフューチャーした曲を作ったんですけど、吹いてもらえますか?」って誘われて、レコーディングに参加したんですね。で、そのレコーディングの後に、「僕がもし日本語で歌うなら谷中さんの詩でスカパラで歌いたいです」ってメールが来たんですよ。次の日、スカパラのメンバーにそんなこと言ってたよって伝えたら、“絶対やってもらいたいね”ってみんな盛り上がって。それで今回の話が決まったんです。
──川上さんや茂木さんは、それまでKen Yokoyamaさんにはどのような印象をお持ちだったのですか?
川上:まさに“道なき道を切り開いて来たパンクヒーロー”ですよね。
茂木:そうだよね。パンクロック界のカリスマだもんね。
川上:最近、フェスとかでも一緒になる機会が多くて。僕もマジマジとステージを見たりしてたんですが、お客さんの盛り上がり方とかもスゴいなと常々思ってました。
茂木:僕もKen Bandのステージをフェスなどでよく見ていたんですけど、本当にカリスマ性がすごくて。Ken Yokoyamaをファンが慕ってるというか、信頼もしてるし。あと、インタビューなどを見てみても、とても発言がストレートで。はっきり自分の考えをまっすぐに述べる人だなと。そんな人と一緒にコラボレーションすることになって、すごい嬉しいけど、その反面、こっちも徹底して何か覚悟を持って望みたいなと思いましたね。
──作詞は谷中さんが担当されていますが、Yokoyamaさんが歌うことも含めて、どういった世界観を表現しようと思われたのですか?
谷中:Kenくんはパンクですよね。で、“パンク”って僕は発明だと思うんですよ。パンクロックの精神は音楽だけじゃなくて、他の洋服を作る人やアート界にも“気付き”を与えていますし。それはすごくシンプルにやりたいことをやり抜くというか。勇気を持って新しいことをやってもいいんだってことなんですよね。昔、僕も大学時代に友達とよく話していたんですけど、“クラシックの楽器を使って面白いことをやってみよう”って始まったジャズにもパンク精神があったわけで。
川上:チャーリー・パーカーとかパンクだもんね。
谷中:そういう発想がなかったところでやり始めたわけですからね。道なき道を切り開いて、みんなに気付きを与えて。それはすごいことだと思うし。で、僕らスカパラも“自分たちならではの道なき道を切り開いてきたな”って思いもあって。なので、こういうタイトルになったんですけどね。
谷中敦(バリトンサックス)
──曲のタイトルには“反骨”という文字もありますよね。
谷中:まぁ、反骨というと、最近の若い子にはあまりピンとこないかもしれないですけど、それを逆に提唱したいなって思いもあったし。というのも、今の時代は選択肢はたくさんあるけど、新しい道を作るという発想は少なくて。道の選び方だったり、その道の歩き方は教えられても、もっと言えば、ちょっとでも道を外れると「お前、道は外れたじゃないか」とか、お互いに牽制し合うようなところもあると思うんです。誰かが敷いた道を歩いていると文句も出るだろうし。でも、自分で作った道を歩いているなら文句も出なくなると思うんですよね。文句なしの自分の道を作ることはすごく大事だし、僕らもキャリアは長いですが、Ken Yokoyamaもキャリアは長いですし、彼の影響力も大きいですからね。そんなことをファンの人たちや後輩のバンドにも伝えたいと思って歌詞を書いたんです。
──川上さんや茂木さんは、谷中さんの歌詞を見たときはどう思われましたか?
川上:今回の曲は映画の主題歌でもあるんですけど、その前に自分たちの歌だなって思いましたね。そして、Ken Yokoyamaを歌った詩だなと。
茂木:谷中さんも、作詞者として“Kenさんがついに日本語の歌詞を歌う”っていうプレッシャーもあったと思うんですけど。めちゃめちゃ真っすぐでね。で、今年の1月のリハーサルだったんですけど、Kenさんが初めて「恨まずに〜」って日本語を歌い出した瞬間のスタジオ内の熱の上がり方、あれは忘れらんないですね。すごいところに立ち会ってるなみたいな(笑)。
谷中:そうそう(笑)。
茂木:まさにお互いの道なき道を切り開いて行く感じでした。
──谷中さんは、具体的には歌詞のどの部分から作られたのですか?
谷中:一番最初の特徴的なキメというか、譜割の“真っ暗なトンネルの中 思いっ切り踏み込んでく”を作ったときに、あとはもう書きたいことや言いたいことを注入しようと思って。頭の中のスイッチが切り変わりましたね。もっと、文字数を詰め込んで、今の若い子のようにラップみたいな感じにすることもできたんですけど、リアルタイムに歌詞を理解して欲しくて。もともと、川上の書いたオリジナルのメロディーというのもあったし、それを活かしつつ。わりと少なめというか、シンプルにやりました。今時の曲にしては逆に珍しいんじゃないかな。
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