あの名曲が奥田民生プロデュースで再登場!
スキマスイッチ「全力少年 produced by 奥田民生」インタビュー
スキマスイッチ「全力少年 produced by 奥田民生」インタビュー
2016/11/30
──テイク選びには大橋さんも参加されたのでしょうか?
大橋:いえ、自分の歌は自分で選ばないようにしているんです。だから宮島さんとシンタくんに任せましたね。
──それはなぜですか?
大橋:やっぱり曲を聴く人は第三者なので、本人が選ぶよりは誰かに選んでもらったほうがリスナーに近い目線で選べると思うからです。
──なるほど。今回「全力少年」を歌い直すということでどんなことを意識しましたか?
大橋:もちろん “できあがったオケにどうアプローチするか?” ということも考えましたが、何より民生さんからもらったデモの時点で “民生ワールド” が全開だったから、今回は民生さんの歌い方に引っ張られてるという部分があると思います。なので僕の中で「全力少年」を “こんな風に変えよう” という意識はなかったですね。それよりは “どうやってオケに歌を溶け込ませるか?” ということに集中しました。
常田:そう、デモがすごかったよね。
──どんなデモでしたか?
大橋:かなり詰められたものが送られてきて、仮歌は民生さんが歌われていました。メールで送られてきたんですが、“これのちゃんとしたやつを作ります” っていう言葉が添えられていたんですよ。その時点でも充分ちゃんとしてるのに(笑)。
──常田さんはオルガンを演奏されていますがどんなやりとりがありましたか?
常田:民生さんからはまず “一回当ててみようか?” って言われて、今回エレピで参加されている斎藤有太さんと一緒に通しで弾いてみて。それから演奏についての話と、オルガンの入りや音の高さ、音作りについても指示してもらいましたね。
──現場でオルガンのフレーズが変わっていったりしたのでしょうか?
常田:元々デモにはオルガンが入っていなくて、有太さんが担当したエレピのパートもギターで入っていたんですよ。
──ではオルガンのパートは現場で作っていったのですか?
常田:そうなんです。現場に行ったらエレピとオルガンが置いてあって “シンタはオルガン弾いて~” って言われて。今考えると、デモにはなかったけれども民生さんの頭の中ではエレピとオルガンが鳴っていたんだろうなと思いますね。
──動画を見るとドラムやギターなど様々な楽器を奥田さんが演奏されていますね。これは現場で自然に決まったことですか?
常田:これはデモをもらった時点で民生さんから “僕がやります” と言われていました。デモをもらう前は民生さん本人が色んな楽器をやるのか、それともツアーバンドの方たちがそれぞれを担当するのか “どっちだろうね?” って二人で話していたんですが、結果として今回の形になったことで “produced by 奥田民生” という意味合いが強まったので本当にやってもらって良かったなと思いますね。
──いつもはご自身でプロデュースまで行なわれていますが、今回のレコーディングでどんな刺激を受けられましたか?
常田:やっぱり細かいところまでしっかり詰めていくところですね。僕らもそういう気持ちでやってるつもりでしたけど、まだまだ足らないと感じたし、最後まで集中を切らさずに追求していこうとあらためて思いました。楽曲に対しても、僕ら二人がお互いに対してもそうありたいですね。
──今回、10年以上を経ての再レコーディングですがお二人にとって「全力少年」とはどんな曲ですか?
大橋:やっぱりスキマスイッチの名前を知ってもらう上ではとても重要な曲だと思います。リスナーの皆さんはスキマスイッチと言えば「奏(かなで)」か「全力少年」を代表曲として覚えてくれているでしょうし、ライブでも「全力少年」はほぼすべての公演でセットリストに入りますからね。だから自分たちが生み出した曲とはいえ、僕ら自身がこの曲に助けられている部分が多いです。
──常田さんはどうですか?
常田:この曲はライブの時、イントロが鳴っただけで一際大きな歓声が上がるんですよ。でも、それだけに僕ら自身は勝手にこの曲に対して “壁” を感じて、意識し過ぎる時期もあったんです。演奏することに義務感のようなものも少し感じたりして。
──ヒット曲ゆえのジレンマですね。
常田:さすがに今はそういうこともないですけど(笑)。やっぱり夏フェスとかで観に行ったアーティストが知ってる曲をやってくれない時は “なんでだよ~?” って思っちゃう気持ちはわかりますからね。そういう意味では僕らに “誰もが知ってくれている曲” があるということはすごく嬉しいことだし、これからもしっかりと届けていきたいなと思います。それに、こういった形でスポットがもう一度当たるというのは制作者冥利に尽きますね。
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