Die(DIR EN GREY)と樫山 圭(MOON CHILD)によるユニット
DECAYS『Baby who wanders』インタビュー
DECAYS『Baby who wanders』インタビュー
2016/12/31
樫山:基本、二人が持っているメロディのイメージが “耳触りの良いもの” だったので。Dieくんが書いているDIR EN GREYの曲も基本はヘヴィなイメージですけど、サビになったら耳触り良いじゃないですか。だから、そういったキャッチーな部分は残そうという話をしましたね。
──二人がDECAYSをやる前から抱いていたものですね。
Die:そう。“暗黒世界には入らない” と。
樫山:そこにまず「 “オシャレなディスコ” を入れてみたいな」と案を出して。いわゆる “クラブ” ではなく、 “オシャレなディスコ” を。
──90年代が感じられるもの、ということですか?
Die:そうそう、踊れる感じですね。
樫山:「手を上げて自由に楽しめ! イェーイ!」みたいな。頭使わんでええよと。
Die:ホンマに悪い意味じゃなく、それぐらいの軽さで良いなと思って。その上で何か感じられるものがあれば。自分がDIR EN GREYでやってきたこととは違うもので出していきたい、という思いがありました。
──個人的に、キャッチーで口ずさみたくなるメロディが特徴の楽曲で構成されている印象を受けました。
樫山:そこはだいぶ意識しました。特にサビにはメッチャこだわっていて、試行錯誤しながら何パターンも考えました。
Die:あと、言葉もね。
樫山:世の中に伝えたいメッセージは特にないんですけど(笑)。とにかく言葉遊びが出来て楽しければ良いかな。
──言葉遊びというお話が出ましたが、タイトルの『Baby who wanders』は直訳すると “さまよう赤ん坊” ですね。
樫山:“さまよう~” がええなと考えていたら、Dieくんが「生まれている感じなんで『Baby who wanders』が良いんじゃないですか?」って。
Die:自分達を “Baby” に例えたんです。 “Baby” って言うたら、誰でも知っている言葉だし。
──これは二人で決められたのですか?
樫山:はい、基本的にタイトルや曲順などは二人で決めました。
──曲順はどのように?
Die:本当ギリギリで。俺が切った紙に曲名を書いて並べて、樫山さんと「いや、これは違うな。これとこれを並べ替えて」みたいにしながら決めました。
樫山:スタジオでメッチャアナログなことやってたな(笑)。
──その時点ではこの13曲で決まっていたのですか?
樫山:楽曲は早い段階からこの13曲にしようと。
Die:そうですね、曲があまり多すぎてもな、という考えがあったので。
──曲順を決める上で一番悩んだ部分は?
Die:1~3曲目はサラッと決まったんですけど、中盤あたりとキャッチーで抜けている11曲目の「Rana」あたりは悩みました。あと13曲目の「綺麗な指」をどこに置くのかも結構考えました。
樫山:あと、中がメインで歌う楽曲が続かないようにもしました。どうしても重くなってしまうというか、このアルバムが急に暗くなっていしまう印象を受けたので。
Die:ホンマに曲順って大事やなと思いました。中の歌って魂があってパンチ力があるから、2曲続くと中村 中のアルバムじゃないか、と錯覚する恐れがあって。それは俺らの表現したいイメージではなかったので、そこをいかにバランス良くするかを心掛けました。それと、音域の持っていき方を最終的な仕上がりを下にせず、上のキラキラした感じを出すことを重視しました。
──音源を聴いて、Dieさんと中さんの声が近いという印象を受けました。
樫山:そうでしょ? ホント近いんですよ。
Die:自分も聴いていて「あれ? どっちやろ?」って(笑)。
樫山:小林君の時もそうで。Dieくんは横にいる人にスッと寄せていける才能があるんです。他のシンガーだったとしても同じことが起きるでしょうね。
──ギタリストとして長年活躍されてきたDieさんの新たな発見でしたね。
Die:僕はボーカルに関する知識がないわけで、逆に考えることがないというか。これはレコーディング最中に気付いたことなんですけど、当然ピッチやリズム、感情を込めて歌うとか歌いまわしとか色々あるんですけど、例えそれをビシッと当てはめたところで、自分自身が鳴っていないと中身が何もない気がして。感情を込めるって言っても、「何の感情なのそれ?」って。なので歌のディレクションは樫山さんやエンジニアに任せっきりで。「二人が良いと思ったものを切り取ってください。」と。何も考えず、意識せず。
樫山:考えすぎると難しなるよな。それに中の場合がすべてを理解した上で歌うタイプやから。だから逆に二人のバランスが上手く取れました。
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