自身の音楽的なルーツを詰め込んだファンキーチューン!
佐藤広大「MONEY IN THE BANK」インタビュー
佐藤広大「MONEY IN THE BANK」インタビュー
2017/06/19
──では、今度は曲調についてお聞きします。まず印象的なのはTALK BOX(トークボックス)という楽器を使っている点ですよね。
佐藤:はい。僕は昔から西海岸のヒップホップをよく聴いていたんですけど、曲中でトークボックスが出てくることが多いんですよ。なので、いつか自分の楽曲でもトークボックスを使いたいなと、そんな目論見が前からあったんです。最近はブルーノマーズの「24K Magic」でも大胆に使われていますが、やっぱりこの音が入ると80〜90年代の雰囲気が一気に出ると思います。
──そもそも、トークボックスとはどんな楽器なのですか?
佐藤:そうですね。基本的にはボーカルエフェクターなんですけど、セッティングとしては、まず鍵盤にトークボックスを繋ぎます。で、鍵盤を弾くとトークボックスのホースから音が “ミィン、ミィン、ミィン ” と出てくるので、それを口にくわえて音を変化させるんですよ。だから、トークボックスって、別に喋っているわけじゃないんですよね。口の開け方だけで発音する楽器という感じでしょうか。
──なるほど。あと、ファンクな印象を与えているといえば、やはりギターですかね?
佐藤:はい。BPMの感じとギターのカッティングでしょうね。ミッドテンポでギターのカッティングが入ることで80年代のファンク感が生まれていると思います。
──今回、レコーディングに関してはいかがでしたか?
佐藤:デビューシングルの時よりも、わりと本来の自分の歌い方に近かったと思います。「スノーグローブ」は真っ直ぐ、そしてノスタルジックに歌わなければいけないということで、そこに苦戦したんです。もちろん、それによって新たなものをつかむことができた点ではすごく良かったんですけどね。
──では、今回はかなりスムーズに?
佐藤:はい。淡々と。2時間ぐらいで終わったかな。でも、冒頭の “塗り固めた” って部分のリズムをどうするか悩みました。やっぱり歌い出しですし、普通に歌ったらダメだなと思って。
──その他、楽曲の世界観を伝えるために意識した点というと?
佐藤:ラップの部分ですかね。この物語の人物像が浮き彫りになると思ったし、時系列で見ると、Aメロ、Bメロ、サビまでは意外とこの主人公はミステリアスで慎重な印象なんですよ。それがラップの部分で “あれ、この人オラオラ系というか、実は男らしい人” って一気に垣間見れるというか。女性のハートをゲットするという意味では、この男は確信に迫っているわけですよね。そう言った意味でもすごく重要なところだ思っています。あと、今回はノイマンのマイクで録ったんですけど、Bメロではオートチューンを使ってあえてケロらせたり。少しロボットちっくなこともしています。同じ歌詞の部分をコピペして、2回目の方だけ少し音量を抑えて違うように聴こえさせたり、実はそんなこともしているんですよ。
──本当にサウンド面は色々な試みをされていますね。
佐藤:僕は80年代生まれですけど、その後の時代のフレーバーをうまく取り入れつつ “2017年の今こうなりました” って感じになっていると思います。
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