ルーツミュージック3部作最終章
佐藤広大「DOWNTOWN」インタビュー
佐藤広大「DOWNTOWN」インタビュー
2017/10/18
アーバンサウンドと80年代のファンクを織り交ぜた第1弾の「MONEY IN THE BANK」、DOBERMAN INFINITYのSWAYをフィーチャーした第2弾の「Baby Baby Baby feat. SWAY」に続き、佐藤広大ルーツミュージックシリーズ3部作の最終章「DOWNTOWN」が本日10月18日にリリースされた。ここでは、この3部作の制作に深く関わっているサウンドプロデューサーのTAKU Tanakaさんにも同席していただき、トラック作りや作詞、レコーディングでのエピソードなどをじっくりと聞いた。ファン必見!
取材:東 徹夜(編集長)
──まずは、3部作の第2弾でSWAYさんとのコラボが実現したいきさつから教えていただけますか。
佐藤:彼とは10代の頃から北海道で同じクルー、チームとして活動してきて、もう10年以上の付き合いになるんです。実はインディーズの頃にも彼とはコラボレーションを2回していて、2人で食事に行く時とかも「またメジャーのステージで一緒にやりたいね」なんて話も出てたんです。そんなことが頭にある中で、今回の「Baby Baby Baby feat. SWAY」という、結構Gファンクテイストの曲が出来上がった時に彼のラップが素直に頭に浮かんできて。この曲がSWAYと一緒にやるタイミングなんじゃないかなと。で、声をかけました。
──第1弾の「MONEY IN THE BANK」は、海外作家の方によるトラックが元になっていたと思いますが、「Baby Baby Baby feat. SWAY」も同じように?
佐藤:いえ、「スノーグローブ」を作った作家陣と一から作りました。僕のルーツミュージックを表現する3部作ということで、元々プロデューサーにも僕が西海岸ヒップホップが大好きなことを話していたので、「じゃ、作ろうか」みたいな感じで。「MONEY IN THE BANK」でもトークボックスは使っていましたが、「Baby Baby Baby feat. SWAY」ではもっと使いたいということを伝えて。確か最初はシンセベースかなんかで音を作り始めて。土台となる部分から手をつけていきました。
──ベースの音色はどのように決めていったのですか?
佐藤:海外のGファンクのベースラインなんかをオマージュして、音を重ねたり。でも、かなり遊び感覚でやってましたね。
──歌詞は同時進行で作られたのですか?
佐藤:ある程度のトラックの骨組みができたら、次に「パーティーチューン」とか、「時代のカムバックをエンジョイしよう」といったテーマを決めて。それで歌詞を書き始めました。
──「Baby Baby Baby」というタイトルはどのタイミングで出てきたのですか?
佐藤:結構最初の段階ですね。リリックを書き始めた仮歌の段階で「Baby Baby Baby」というのはすでに浮かんでて。色々と別の歌詞もはめようとやってみたんですけど、やっぱり一番これがしっくりきたんです。で、この「Baby Baby Baby」を核にどのようにアプローチしていくかを考えて、単純にレディーに対するのではなく、この曲を楽しんでくれる人はもちろん、その当時の楽曲に対する時代へのリスペクトも含んだベイビーにしようと思って。
──SWAYさんとのコラボの中で、彼の方から出てきたアイディアなどもあるのですか?
佐藤:今回は、積極的に我々の方から注文させてもらいました。昔、僕らがクラブで活動していた頃に鳴っていた音楽とか、その頃の気持ちを思い出してリリックを書いて欲しいと。あと、もちろんSWAYの本来の良さは失わないようにですけど、ラップのフローも西海岸のものを意識して欲しいと伝えました。
──ところで、この「Baby Baby Baby feat. SWAY」はYouTubeでも話題を呼んでいますよね。
佐藤:そうですね。コウメ太夫さんのキレキレのダンスが見られます。今回は沢山のダンサーの皆さんにご出演いただきました。さらに、マイケルジャクソンのムーンウォーク大会の芸人部門世界2位という実績を持つコウメ太夫さんにも出演していただけたので。みなさんの迫力あるダンスが、曲にばっちりはまりましたね。
──さて、そんな第2弾の「Baby Baby Baby feat. SWAY」に続いて、3部作の第3弾となる「DOWNTOWN」がリリースされるわけですが、こちらの曲はどのようにして生まれたのでしょうか?
佐藤:「MONEY IN THE BANK」で80年代のファンクをオマージュして、「Baby Baby Baby feat. SWAY」で西海岸のヒップホップをやり、その後どうしようかと考えたんですけど、そもそも僕はロックも大好きなんですね。特にデヴィッド・ボウイやプリンスといった80年代が好きで、僕自体85年生まれですし、80年代にはこだわりたいと思って。正直言って、「Baby Baby Baby feat. SWAY」の後になかなか同じような世界観を作るのも難しかったし。たぶん、第3弾でGファンクをやっても「Baby Baby Baby feat. SWAY」は越せないだろうと。だから、まったく違うバラードにしようかとも思ったんですけど、ここはいい意味で期待を裏切りたいなと思ってチャレンジしました。
──「DOWNTOWN」はプリンスに代表されるミネアポリスサウンドが特徴ですが、制作はどのように?
佐藤:ちょうどその頃にプリンスの「レッツ・ゴー・クレイジー」をよく聴いていたんですが、なんかBOØWYの要素もあるなと思って。それで制作チームと「日本のロックもオマージュしようか」ってなったんです。で、そのまま「じぁ、ビートはカルチャー・クラブしよう」とかいって進んでいきましたね。歌詞に関しても、例えば “モニカ” や “マリア”、“ジュリエット”など、まさに80年代を代表する対女性のワードを決め込んでいます。
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