「ビクタースタジオ」のリスニングルーム「EX Room」の “音場” が持ち出せる新発想のヘッドホン
あのビクタースタジオの音場が眼前に現れる! 魔法のヘッドホン「WiZMUSIC90」体験レポート
あのビクタースタジオの音場が眼前に現れる! 魔法のヘッドホン「WiZMUSIC90」体験レポート
2017/07/14
1927年に創業され、音楽やオーディオ、映像分野で様々な革新を実現してきた「ビクター(現、JVCケンウッド)」。そのビクターが創業90周年にあたり、革新の歴史に新たなページを加える商品として WiZMUSIC を世に送り出した。ヘッドホンリスニングの宿命といわれていた頭内定位を解決し、ヘッドホンで聴いた時でも生演奏やスピーカーで音楽を楽しむ時のように音が眼前にパースペクティブに展開する。ここでは、栄光の「ビクター」ブランドを冠して登場した WiZMUSIC の革新性と魅力を徹底し、実際に体験したレポートをお届けしよう。
取材/文:野村ケンジ
オートクチュール的な発想から誕生した
画期的な音楽再生パッケージ WiZMUSIC90
ビクターブランド再始動の先駆けとなった「WiZMUSIC」(ウィズミュージック)は、そのマテリアルはもとより、システム、プランニングなど、全てにおいて画期的な製品となっている。なかでもプレミアムパッケージ「WiZMUSIC90」は、極上のサウンドを持つ高級ヘッドホンというだけでなく、ビクタースタジオを知り、ビクタースタジオの音を自分のものにすることができるという、既存のオーディオ製品とは一線を画すスペシャルな存在となっているのだ。
まずは、「WiZMUSIC」そのものについて紹介していこう。実はこの「WiZMUSIC」、単なる製品名ではなく、パッケージプランの名称ともいえるもので、頭外定位音場処理を実現する「EXOFIELD(エクソフィールド)」技術の測定サービスと、それを実現する専用ヘッドホン&ヘッドホンアンプ&アプリがセットパッケージとなったもの。しかも、専門のスタッフが自らユーザーひとりひとりの音響特性を計測し、そのデータを独自のデジタルシステムに反映。まるでスピーカーを聴いているかのような、ヘッドホンを聴いているとは思えない音場感を提供してくれるのだ。
◉「EXOFIELD」技術のイメージ
ヘッドホンでありながらスピーカーで
聴くように音楽が眼前に展開する
頭外定位、バーチャルヘッドホンをアピールするものはこれまでにも多々ある。しかしながら、それらの製品は汎用的なデータを利用することもあってか、「なんとなく前の方にサウンドステージがあるような気がする」程度の効果しか得られないことが多い。人によっては、音場感が崩れてしまい、かえって聴きにくくなったりする場合もある。それに対して「WiZMUSIC」は、専門のスタッフが全ユーザーのデータ測定をひとりひとり丁寧に計測し、 その数値を独自のデジタル音場調整システムに反映させるため、ユーザーそれぞれにあった前方定位音場を得ることができる。ヘッドホンでありながら、スピーカーのような音場が楽しめるという、画期的なシステムとなっているのだ。
そんな素晴らしい音場を、いつでもどこでも気軽に楽しめるのも「WiZMUSIC」ならではのアドバンテージといえる。専用ヘッドホンを完璧に鳴らしきってくれる同社製ポータブルヘッドホンアンプが付属し、さらにiPhone、androidスマートフォン用のアプリが用意されているので、使い慣れているスマートフォンから音楽再生をすることができ、室内だけでなく屋外でもこのサウンドを楽しむことができるのだ。
自然で美しい音楽の響きを醸し出すため、楽器にも使われている無垢のメープル材のモノコックハウジングに直接ドライバーユニットを固定
また、セットとなる専用ヘッドホン「HA-WM90」そのものの造り込みも素晴らしい。ハウジング部には、北アメリカの冷えた水底に約160年間沈んでいた希少なヴィンテージウッド「アクアティンバー」(無垢メイプル材)を採用し、これに新開発ドライバーユニットをダイレクトマウントしている。これによって、不要な振動や共鳴を低減し、振動板が再生する音をストレートに表現することで、「WiZMUSIC」ならではの正確な音場表現を再現するとともに、「アクアティンバー」ならではの自然で美しい響きのサウンドを堪能することができる。
モノとサービスが組み合わされた
WiZMUSIC90だけのプレミアムパッケージ
さらに、ビクタースタジオとのコラボレーションによって誕生したプレミアムパッケージ「WiZMUSIC90」では、唯一無二といっていい魅力的なプランが盛り込まれている。それは、ビクタースタジオ「EX Room」のサウンドそのものを持ち帰る事ができ、自宅などで存分に楽しめる、ということだ。なんと、「WiZMUSIC90」オーナーが実際にビクタースタジオ「EX Room」を訪問し、そちらで測定を行い、実際に設置されているスタジオのスピーカーの音と聴き比べて、それと同じ音に仕上げてくれるというのだ。なんという、ゴージャスなサービスだろう。しかも、オーナー本人以外にも家族など3人、合計で最大4人分の測定を行ってくれるというのだからありがたい。
加えて、ビクタースタジオの見学体験(約60分)も特典として提供。「ビクタースタジオの歴史を紹介するとともに、数々のアーティストが楽曲づくりや音源収録を行ったスタジオ内や専用機材などを案内」してくれるという。実際、どんな場所でどんな機材を使って愛聴盤のサウンドが作り上げられているのか、自分の目と耳で存分に知り得るのは嬉しい限り。こんな機会は滅多にないし、次があるとは限らない。いまここにあるビクタースタジオの様子を、リアルに体験しておく絶好の機会といえる。
さらに、付属するヘッドホンアンプも素晴らしい。スタンダードパッケージ「WiZMUSIC30」付属の「SU-AX7」も鳴りっぷりの良さなど評価の高い製品だが、「WiZMUSIC90」では、フルバランス構成のアナログ回路を搭載した最上級モデル「SU-AX01」とバランス接続ケーブル(1.8m)がセットで付属。ヘッドホンの持つポテンシャルと「EXOFILED」で測定した音場を最大限に引出した、最良のサウンドを存分に楽しむことができるようになっている。
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