音場特性カスタムサービス「WiZMUSIC(ウィズミュージック)」
WiZMUSICの心臓部となるヘッドホン「HA-WM90」を試す!
WiZMUSICの心臓部となるヘッドホン「HA-WM90」を試す!
2017/09/13
リアルで活き活きとしたサウンド、ヘッドホン単体としても魅力的
いやはや、その活き活きとした鳴りっぷりに、一聴で夢中になってしまった。音のキレが良く、しかも抑揚表現がとてもダイナミック。いっぽうで、無駄な付帯音は全くといっていいほど感じられず、歪みの押さえ込みも優秀。細かい演奏のニュアンスやホールの空間的な広がり感を、あまさず拾い上げて伝えてくれるのだ。この、奔放さと繊細さを併せ持つ、性格でありながらとても“気持ちいい”サウンドが、この「HA-WM90」の魅力と言っていいだろう。
WiZMUSICの心臓部とも言えるヘッドホンユニットの 「HA-WM90」。プレミアムパッケージ「WiZMUSIC90」だけでなく、スタンダードパッケージ「WiZMUSIC30」でも採用されている点にも注目だ
おかげで、アコースティック楽器などはとてもリアルで、聴き応えのある演奏を楽しませてくれる。ヴァイオリンはいつもより艶の乗った印象的な旋律を聴かせてくれるし、チェロはエネルギー感に溢れた低域の響きと明瞭な主旋律が交わり、堂々とした深みのある鳴りを披露する。ピアノの響きは主旋律重視ながらも高域の倍音のノリが素直なので、弾みのあるタッチの、活き活きとした演奏を聴かせてくれる。3重奏4重奏あたりのクラシックや、ジャスなどとは抜群の相性といえる。
いっぽうで、洋楽ロックやポップスを聴いても楽しい。女性ヴォーカルはほんの気持ちだけハスキーでリアルな歌声を目の前の至近距離で堂々と歌い上げてくれるし、ギターの響きもエフェクターの種類まで感じ取られそうな、音色が多彩でエネルギッシュなサウンドを聴かせてくれる。何よりも、ベースやバスドラムのキレの良さが溜まらない。バックが生演奏のハードロックなどを聴くと、グルーブ感の高さについつい聴き込んでしまう。特にライブ盤のアルバムがオススメだ。アース・ウインド & ファイヤーもTOTOもデュランデュランも全て良かった。
もちろん、Jポップも悪くない。ミックス&マスタリングの向き不向きはあるが、総じてヴォーカルがリアルに感じられ、わざわざ生ドラムを使いグルーブ感にこだわった演奏などは、思わず体が動き出してしまうほど、ノリの良さが存分に伝わってくる。 このように、「HA-WM90」は、「WiZMUSIC」の効果を確実に実現するべく基礎体力が高く、とてもストレートな表現のヘッドホンとして作り上げられているが、同時に、リアルで活き活きとしたサウンドを奏でてくれる、単体でも魅力的な製品となっている。この「HA-WM90」そのものが「WiZMUSIC」パッケージのもうひとつの魅力、と断言していいだろう。
野村ケンジ=プロフィール
ヘッドホンなどのレビューを中心に幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても様々な関わりを持ち、アニソンレーベルのスーパーバイザーなども務めている。TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」のアドバイザーとしてレギュラー出演するなど、近年は活躍の場をさらに広めている。
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