タイトルに込められた想いは、あなたが確かめてください。
OKAMOTO'S『NO MORE MUSIC』インタビュー
OKAMOTO'S『NO MORE MUSIC』インタビュー
2017/08/02
──この曲の歌詞からは、ニューヨークがすごく冷たいイメージに感じたのですが。
ショウ:実際はその頃のことは覚えているような、いないような感覚なんです。親から聞いた断片的なことや、自分で感じた断片的なものしかなくて。なので、冷たくする気も温かくする気もなかったんです。結果としてそういう温度感になったというか。
──曲に関して言うと、シンセの音色が印象的ですよね。これは何を使われたのですか?
レイジ:実は、それはハマくんのベースなんです。曲の中ではパイオニアの新しいAS-1というシンセも使っていますが、それはハマくんのフレーズをさらに下から支える目的で足していて、曲の途中から「ファ、ホ、ホ、ホ、ファ、ホ、ホ、ホ」と鳴っているのがAS-1です。
──そうだったんですね。あのシンセみたいなフレーズはどうやって鳴らしているのですか?
ハマ:あれは、ボスのベースシンセのエフェクターです。デモの段階でもそういった音が鳴っていたので、家にあるシールドやエフェクターの入っている段ボール箱をひっくり返してみて。そしたらたまたま見つかって。「こんなの買ったっけ?」という感じでした。そこから、無限大とも言えるプリセットの中からデモに入っている音に近づけていきました。そう言った意味では、ベースシンセのエフェクターは初めてきちんと使いましたね。
──まさかベースで鳴らしているとは思いませんでした。
ハマ:あれはベースなんですよ。ライヴでは楽な感じでロッキングチェアに座りながら演奏したいと思っています(笑)。
──では、6曲目の表題曲「NO MORE MUSIC」についてお聞きします。直訳すると “もう音楽なんて要らない” という過激なタイトルですよね。
ショウ:もともとはアルバムのタイトルになるほどフィーチャーするつもりはありませんでした。というのも、アルバムを作る過程でたくさんの曲を作ったり考えていますが、それが実際にアルバムに収録されるかどうかもわからない。たとえアルバムに入ったとしても、実際にそれが街を歩いている人たちの耳に届くかどうかもわからないし、少なくとも街を歩いている大半の人が聴いているのは俺たちの曲ではないなと。そんな卑屈な気持ちになっているタイミングで、たまたま曲に付けた仮タイトルが「NO MORE MUSIC」でした。なので、すごい決意を持って付けたタイトルではなく、純粋にこんなに音楽が溢れている時代に、“まだ音楽を作る意味ってあるの!?”って。でも俺はまた曲を書いている現実があって。だから、結局は「音楽作るしかない」ということの裏返しというか。それをレイジが後々アルバムができた時に拾ってくれて。「NO MORE MUSIC」というワードはインパクトもあるし、全体を象徴するものになっているかもしれないと。それでアルバムのタイトルになっていきました。
──楽曲をアレンジする上でこだわったポイントなどは?
ハマ:ポップスとダンスミュージックの融合というか、イメージ的にはABBAのような曲にしたいというテーマはありました。ベースの観点でいえば、いわゆるロックバンドの8ビートを弾き続けるという手法は当てはまらないので、個人的にも新しい挑戦で。音がいたり、いなかったりっていう演奏面でのチャレンジがありました。歌詞のメッセージは強いんですけど、楽曲としては軽やかな感じに仕上がったので、そのギャップは気に入っています。
ショウ:あまり重い曲として受け取って欲しくはなくて。でも、ハッとしてほしいという気持ちもどこかしらにありつつ。
──ショウさんは、歌詞の中で「みんな今何を聴いているんだ?」と書かれていますが、メンバーの皆さんは最近はどんな音楽を聴いているのですか?
コウキ:昨日、シャッグス(The Shaggs)というのを聴いていました。キング・オブ・スカムと言って、本当にクソみたいなバンドなんです。ジャクソン5のように楽器をやったことのない娘たちにお父さんが「やれ!」と言ってやらせて。で、当時1,000枚くらい出したらしいのですが、900枚は世に出回らなかったらしくて。でもその後、カート・コバーンがすごく気にいったみたいで。
ハマ:それでわかった。
コウキ:フランク・ザッパも「ビートルズよりも有名だ」といったことを言ったようで、後から価値が出てきたらしいです。そんなのを聴いています。
この記事の画像一覧
(全0枚) 大きなサイズで見る。
リンクエリア
- 関連記事
関連する記事
2019/06/28
2019/01/08
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01