ルーツミュージック3部作最終章
佐藤広大「DOWNTOWN」インタビュー
佐藤広大「DOWNTOWN」インタビュー
2017/10/18
佐藤:「Baby Baby Baby feat. SWAY」もそうなんですけど、ギターはTAKU Tanakaさんに弾いてもらっていますし。割とセッションする感じですね。皆さん音楽的な偏差値が非常に高くて、こういうことがやりたいねってなったらすぐに形にできるんです。スタジオにはProToolsがあって、シンセやギターがあって。まずはラフなビートを仕上げて、それを持ち帰ってRa-Uさんがブラッシュアップしていくという流れです。
──最初のラフなビートというのは、どんなものだったのですか?
TAKU Tanaka:最初のビートはRa-Uと一緒に仮でロックっぽい音色で作って、そのビートをずっとループさせながら、それっぽいギターフレーズをRa-Uとギターを交互で弾いて雰囲気を確かめながら作りました。ビートはソフトサンプラーで打ち込んだんですけど、80年代のビートはリバーブ感が決定的に違うんですよね。なので、そういった音の質感を意識しながら。
佐藤:この曲は、とにかくリバーブ感が絶妙なんですよね。
TAKU Tanaka:ディレイとかね。
佐藤:聴く人が聴くと「あぁ〜、懐かしい」ってなると思います。ミックスのときもエンジニアのD.O.Iさんがいい感じに仕上げてくれて、すごく早かったですね。
TAKU Tanaka:30分くらいで終わって、後の3時間くらい世間話みたいな(笑)。
佐藤:(笑)。僕も何も言うことないくらい完璧で。我々から「こういうリバーブ感でお願いします」って頼むと、それを上回ってくる提案がどんどん出てきて。「これはどうですか、あれはどうですか」って、お釣りが出てくるくらい色々と対応していただきました。
TAKU Tanaka:D.O.Iさんのところには、本当に80年代当時のプレーとリバーブとか、そういった機材が置いてあるんですよ。
──ところで、佐藤さんはこの「DOWNTOWN」の歌詞はスッと書けたのですか?
佐藤:意外と早かったですね。想定としては、ニューヨークとか摩天楼といった80年代を象徴する都会に迷い込んだ女性がいて、でも、なかなか夢が叶わずにちょっと下を向きかけているというか、そんな女の子を後押しするような応援ソングなんですけど、その想定がしっかりしていたし。ちなみに、オマージュという側面で言えば、“しらけるぜ ” とかはBOØWYの氷室さんもよく使っているんですよね。日本のロックをリスペクトしたいという想いも歌詞には入っています。
──作詞は同時進行で進めていく感じなのですか?
TAKU Tanaka:最初にラフなビートを作ったタイミングで、ある程度コード進行や仮のメロディーと同時に歌詞も仮の物を作るんですよ。やっぱりメロとのはまりの問題があるので。で、それを広大がブラッシュアップしていく感じです。
佐藤:最初に作ったもので使えるものはそのまま残して、後は加えたり変更したりしながらですね。あえて時間がかかった部分というと、歌詞作りというよりは曲の展開についてですね。特に僕は「Ohh 今 秘密のドア開けたら 輝くネオン〜」のブリッジの部分をこだわりを持って残したいと思って。
TAKU Tanaka:今の時代、あまり長い曲は好まれないところもあると思ってて、あえて尺を短くコンパクトにしていくケースも多くて。このブリッジを削ったバージョンなんかも作っていたんですよ。でも、広大がやっぱり入れたいって言ったんですよね。
佐藤:都会というのは、星も見えない街じゃないですか。この曲はネガティブな歌詞が大半を占めてるんですけど、このブリッジの部分はものすごくポジティブなんですよね。「皆さん、空を見上げることを忘れているよ」っていうメッセージは僕の中ですごく大きくて。僕自身も今年の夏、花火大会とかでライブをやらせてもらったんですけど、花火を見上げるときくらいしか空って見ないですよね。でも、花火を見ながらでも空を見上げることってすごく大事だなって思ったんです。あらためて自分の小ささとか世界の壮大さがわかるし。だから、悩んでいる人こそ空を見上げたらいいなと。だから、僕にとってはこのブリッジでのメッセージはすごく伝えたかったことなんです。
──このブリッジでは世界観も変わりますよね。
TAKU Tanaka:そうですね。
佐藤:歌詞でもサウンドでも、ここで世界観が変わりますね。わりと僕は他の曲でもブリッジを入れたがるタイプなんです。このブリッジではHideさんの歌い回しをちょっと意識してたりします。
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