名門レーベルDef Jam Recordingsからデビュー
SWAY「MANZANA」インタビュー
SWAY「MANZANA」インタビュー
2017/10/27
──続いて、カップリング曲である「Lullaby」はどういう想いで制作したのでしょうか?
SWAY:プロデューサーのSUNNY BOYと一緒にスタジオに入って、ゼロから一緒に作った曲です。いろいろメロディを考えている時に、〈Lullaby〉ってフレーズが聴こえてきて、「なんか〈Lullaby〉って絶妙にダサくてよくない?」という話になったんです(笑)。
──(笑)確かに最近はあんまり耳にしない言葉ですよね。
SWAY:そうそう、昭和的な響きですよね。だったら〈Lullaby〉ってフレーズを使いながら、かっこいい曲が作れたらこっちのもんだと思ったんです。
──作詞はSALU氏が手がけていますが、どんな世界観に仕上がったと感じていますか?
SWAY:例えば彼女とずっと一緒にいると、相手のクセや声が自分の癒しになったり、話さなくても意思が伝わったりするじゃないですか。そういう安心感や優しさみたいなものが、自分にとっての子守歌だっていう楽曲です。その子守唄が聴こえなくなった途端に、彼女の大切さに気づくことも多いと思うんです。そんな彼女に対する感謝の気持ちを、〈あの君のLullaby 今度は俺からのLullaby〉と歌っています。あと、この曲の歌詞で凄く面白いのが、俺と僕という表現が出てくるところ。その使い分けは、プライベートの自分が僕で、仕事をしている時の自分を俺と表現しているんですけど、つまりSALUくんは彼女に甘えている時にしか出せない表情を僕という歌詞で表現したと思うんです。この歌詞の世界観は、僕には絶対に書けないですね。こういった曲が歌えるのも、SWAYプロジェクトならではだと思っています。
──同じくカップリング曲の「La Vida Loca」についても解説をお願いします。
SWAY:また「MANZANA」に続きちょっとラテンチックな楽曲で、東京のCRAZY LIFEを描いた曲なのでスパニッシュで「La Vida Loca」というタイトルにしました。僕も札幌から上京してきた人間なんですけど、東京で出会った人ってどこか気を張っていて、人に簡単に入られないように心の鍵をかけている人も多いと思うんです。でも、みんな同じように夢を持っている。だから、一緒に酒を酌み交わせば、一瞬で仲良くなれるのが東京の友達なのかなって思うんです。本名は知らないけど、あだ名で呼び合ってずっと一緒に遊んでいる仲間って、実は多かったりしますからね。そんな話を、作詞してもらったStaxx-Tくんと実際に呑みながらして歌詞を書いてもらった曲です。
──EXILE SHOKICHIさんが作詞した「Acting Myself」は、どんな想いを込めた楽曲なのでしょうか?
SWAY:僕がHIP HOPというものに出会って、この音楽で夢をつかみたいと思った時からのシナリオを、EXILE SHOKICHIに渡して書いてもらいました。タイトル通り〈自分を演じる〉っていう曲なんですけど、自分の中には自分が複数人いる感覚ってありますよね。自分の背中を押してくれる自分、自分を守るための自分、自分を弱くする自分もいたり。なりたい自分になるためには、ずっと自分を演じていかなければならない。そんなことを曲にしたいと思って、プロデューサーのSUNNY BOYに誰に作詞をお願いしたらいいか相談したら、「札幌時代からずっとSWAYを見てくれているSHOKICHIくんに書いてもらえば?」とアドバイスをもらいました。そこで、EXILE SHOKICHIに作詞をお願いしたんですけど、ラップ部分は彼が書いた歌詞に対する僕からのアンサーになっています。そういった遊びをこの曲でやれたことも、個人的にこの曲が好きな理由です。
──今作で表現できたSWAYの世界観とは、どんなものでしょうか?
SWAY:今まで僕を見てきてくださった方は、確実にビックリする作品になったと思います。今日も実際にメイクさんに聴いてもらって、「え!? これSWAYくんですか?」みたいな驚きをいただきました(笑)。この挑戦をリスナーの方々がどう感じてくださるかが、逆に楽しみです。DOBERMAN INFINITYのファンの方々や自分のファンの方に喜んでいただきたいのはもちろんですが、音楽が好きな人たちにどんどん認めてもらえるような曲をこれからも作っていきたいと思っています。
──フロウや声の出し方など、今までのSWAY像を覆す作品になったと思いますが、その辺についてはいかがでしょうか?
SWAY:DOBERMAN INFINITYとして〈ALL ROUND HIP HOP〉を追求していく中で、作品ごとに個人的な発見があったんです。それを、このSWAYプロジェクトでアウトプットしたことで、この作品が完成したと思っています。
──逆にソロとしての活動が、今後DOBERMAN INFINITYの活動にどのように影響してくると思いますか?
SWAY:ソロで小回りを効かせて活動することで、DOBERMAN INFINITYでは獲れなかったコインを獲っていくことが、僕の役目なのかなと思っています。DOBERMAN INFINITYでは表せない世界観をSWAYで表現することによって、より多くの人に愛される音楽を発信していけるということは、DOBERMAN INFINITYの活動にも大きなプラスになると思っています。SWAYプロジェクトに対して快く背中を押してくれたDOBERMAN INFINITYのみんなの期待は絶対に裏切りたくないですし、期待以上のものを返したいです。
──今作が完成した今、ソロ・アーティストSWAYとして、どんな夢を抱いていますか?
SWAY:今回のソロ・デビュー発表の時に、〈ススキノ育ちの坊やが目指す“スーパースター” 〉って見出しをつけたんです。これって実は、『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2017 "TERMINAL"』のフリースタイル・セクションで使った、最後のフレーズだったんです。札幌のススキノにある小さな箱(クラブ)でSWAYとしてのキャリアが始まって、そこからでっかいステージに立つことを目標に活動してきて、今ようやく少しくらいはみなさんに夢を与えることができるアーティストになったのかなと思うんです。今回のDef Jam Recordingsからのソロ・デビューは、自分にとって凄く大きなステージ。だからこそSWAYとして、〈ススキノ育ちの坊やが目指す“スーパースター” 〉っていうものをここでしっかり成し遂げて、絶対的な自信につなげたいと思っています。
──最後に、ソロ・デビュー作となる今作をファンの方々にはどのように聴いて欲しいですか?
SWAY:今までのSWAYを知ってくださっている方にとっては新しい作品になったと思いますし、こんなラッパーがいるんだなって思ってもらえたら嬉しいです。ラップというものの枠を超えた音楽を作れたと思うので、そこを感じ取ってもらえたらと思います。
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