──初回盤AにはKYONOさんによる「ジキルの空」のリミックスVerが収録されていますね。

千聖：曲を書いている時に「リミックスを入れましょう」という話が出て、誰に頼もうかと。ここが一番の問題だったんです。

──KYONOさんとお付き合いは長いのですか？

千聖：去年、偶然知り合ったんですけど、スゴく気さくで優しい方で。それからは色々と話していたので、リミックスを頼もうかなって。O-JIRO君もスタッフ達も「ぜひやって欲しい！」って言ってたし、もちろん僕もやって欲しかったんです。それでオファーをして受けていただき、声まで入れてもらいました。今やってらっしゃるプロジェクトはもちろん、THE MAD CAPSULE MARKETSも大好きなんですが、今のKYONOさんの雰囲気が分かって面白い仕上がりになっています。

──「こういう風にして欲しい」みたいなオーダーはされたのですか？

千聖：いえ「何しても大丈夫ですので、とにかく好きにやってください！」って。なので、全然違う状態なのか、イメージ通りでくるのかスゴいドキドキしながら待っていました。

──個人的に、ギターソロの入れ方やラストでアコギがパッと止まるところが、原曲とは違った良さを感じました。

千聖：KYONOさんいわく「インパクトがある部分だけを残して、どこまで壊せるか」を考えたみたいで。ちなみに、何パターンか用意していただいたんですけど、ボーカルレスのバージョンもありました。

──次に通常盤のボーナストラックに収録されている「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」についても教えてください。

千聖：いつもCrack6主催のイベントで「CRAZY MONSTERS」というイベントをやっていて、イベント名と同じ楽曲を最後にセッションでやっているんですよね。去年、初めて千聖ソロ主催で「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」を開催することになり、セッションのための新しい楽曲を作ろうと。

──表題曲と同じタイミングで作られていたのですか？

千聖：そうですね。ただ、どんな曲調にするか悩んだし、他のプロジェクトと並行しながらの作業だったので、少し後でした。着手してから完成までは早いんですけど。

──その時はギターを弾きながら？

千聖：いや、実は風呂場なんです（笑）。風呂で思いつくことが多かったので、最後の頼みの綱は、風呂場！ 一日の生活ペースなんですけど、寝る前に風呂に入るようにしているんです。サッパリさせようとしているんですけど、曲作りのことを考えてしまって。それで思い浮かんだら、髪の毛ビショビショのままギター弾いて録音するという（笑）。

──サビから思いつかれたのですか？

千聖：この曲と「MAD RIDER」のサビは最後で、最初はAメロからでした。歌い出しの導入部分から「こんな感じかな」っていうのを、風呂場で考えていて。サビに関しては、ほぼ未確定のまま作曲し始めたら流れで出来ていたので、あまり記憶にないですね。ただ、森重さんにも歌ってもらいたい気持ちで作っていました。

──その時点では森重さんの参加は決まってはいなかったと？

千聖：歌詞を書いてもらうまでは快諾していただいていたのですが、「歌ってもらえたら」程度で。だからサビがメロディアスで「森重さんっぽくならないかな〜」と、願いを込めて勝手な想像で作っていました（笑）。

──作詞のことについて何かやり取りはあったのですか？

千聖：森重さんがイメージしやすいように、Crack6のメンバーが担当を分けて仮歌詞で歌ったデモデータを「こんな感じになります」ってのを渡しました。それと「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」とハロウィンっぽいというイメージを残してもらって、「他は好きにやってください」と。スゴくスムーズに仕上がりました。

──森重さん以外にも豪華メンバーが参加されていますよね。

千聖：Rickyさんをはじめ、ラクリマのKOJI君、Pierrotの潤ちゃんとか「CRAZY MONSTERS」や「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」に参加してくれている人達なんです。それとブル８はレーベルメイトですし、4月の「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」に出てもらったんです。淳士君とIkuo君はもともと仲良くさせてもらっていますし。今回はsebastianと栄二郎に参加してもらいました。

──栄二郎さんとは以前お会いしてたとお聞きしました。

千聖：ものスゴい前の話です（笑）。97年くらいかな、彼がとある人の運転手だった時です。

──え！ どういう経緯で？

千聖：PENICILLINがワンマンで福岡に行ってて、そうしたらたまたま黒崎かな？ そこでヴィジュアル系のイベントがあって、「ちょっと顔を出しませんか？」と言われて。俺とO-JIROで顔出しに行ったんですよ。その時に黒崎駅まで車で迎えに来てくれた若者が栄二郎だったという。僕らは全然記憶ないんですけど。

──再会されたのはいつだったのですか？

千聖：初めてブル８とCrack6が対バンした時です。「初めまして」って言ったら、「いや、実は “初めまして” じゃないんです！」って言われて。「え？」っと思ったら、黒崎の時の話をされたんです（笑）。レコーディングに入った時、当時の昔話ばかりしてたんで面白かったな。

──森重さんとのやりとりで印象的だったことは？

千聖：テレビ出演から直接いらしたので、メイクしたまま歌っていただきました。まるでスタジオがステージみたいでしたね（笑）。

──本当に豪華なアーティスト陣ですよね。

千聖：スプリットシングルってなってますけど、ミニアルバムぐらいのボリュームです（笑）。