“葛藤の末にたどり着いた答え” であるミニアルバム
葵-168-『ニュークラシック』インタビュー
葵-168-『ニュークラシック』インタビュー
2018/10/12
ヴィジュアル系バンド・彩冷える(アヤビエ)のボーカリストである葵が、ソロプロジェクト “葵-168-” 名義でミニアルバム『ニュークラシック』を9月26日にリリースした。今作は夢人(ベル/アヤビエ)をはじめ、涼平(migimimi sleep tight)や和矛(ex.MASK)といった、バンドやユニットで共に活動を行なってきたアーティストが提供した楽曲を収録。加えて、初回限定盤には “名刺代わり” だというエクストラ・トラック3曲も収められている。ここでは今作の聴きどころや楽曲制作、影響を受けたアーティストについてコメント。中でも最短10分で書き終えるという歌詞の制作秘話は必見だ。
取材:橋本周大(編集部)
──実は私、MASKや彩冷える(アヤビエ)、シニカルビスケットといった葵さんが所属されていたバンドを聴いて育った世代なんです。
葵:え! 本当ですか!
──上手なボーカリストさんはたくさんいらっしゃいますけど、葵さんの歌声は唯一無二の存在だと今でも思っています。
葵:ありがとうございます。でも僕、自分では上手いとはまったく思えなくて。今おっしゃっていただいた通り、「唯一無二になれたらいいな」と思ってやってきたので。そう言ってもらえただけでも今日来て良かったです(笑)。
──葵さんがヴィジュアル系を始めるキッカケは何だったのでしょうか?
葵:僕、学生時代はずっとサッカー選手を目指していたのですが、体を壊してしまってサッカーを辞めたんです。そこから色々なことを経験しようと、アメリカに料理を勉強しに行ったりとか、日本に戻ってきて広告代理店で正社員として働いたり。その頃に趣味でバンドを始めて、派生したのがシニカルビスケットなんです。なので「〇〇みたいになりたい!」って始めたわけじゃないんです。
──とても意外ですね。
葵:バンド名を挙げるとすれば、MALICE MIZERですね。それまで僕がイメージしていたヴィジュアル系とは違ったんですけど、視覚でもアプローチする感じが、宝塚のようでスゴいカッコ良いなって。それで「こういうバンドもいるんだ」ってのが入り口ですね。だからシニカルビスケットの前身バンドではGacktさんみたいになりたくて、マントを羽織ったり、仮面を付けていました(笑)。
──もっと激しいサウンドのバンドに影響を受けられていたのかと思っていました。
葵:でも、その後に好きになったのは蜉蝣(かげろう)でした。ボーカルの大佑さんにはかなり影響を受けています。
──それではまず、今作が徳間ジャパンさんからリリースすることが決まって、どのような作品にしようと思われたのでしょうか?
葵:元々はアルバムを作ろうと思って曲を集めたというよりも、ライブで歌いたいと思って作った曲が結構集まってきていて。なので、ここ1年ぐらいになるのかな? 全曲もうすでにライブで披露しているんです。ファンの方々からすると、ライブでは聴けるけど手元には音源がない。今の時代からすると、真逆なものというか。
──今は配信だったり動画だったり、いつでも見たり聴いたりできますからね。
葵:あえてそうではなく、“ライブ会場でしか聴けない曲” というのを当分の間やってみたくて。なので曲を作っている当時はリリースする予定もないまま、只々ライブで歌いたいと思って作った曲が集まって。もちろん、ファンの方から「CDで欲しい」という声もたくさんいただいて。そのタイミングでレコード会社さんとお話をする機会があって、アルバムを作ることになったんです。
──ミニアルバムがちょうど良かったと。
葵:フルアルバムにもできたのですが、現段階でこの『ニュークラシック』に入っている曲が、今の自分を表現するのにちょうど良いバランスだったんです。
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